現実とは儚く思ふ事もありけり
「…ん?」
目が覚めました。紫です。ハイ。まず現状整理しますね。
ふかふかの布団の上に居ますね。あと…この白い着物は死に装束なのでしょうか…ああ、最後にイケボを聴いて死にたかった。
「紫様!お稽古の時間でございます!」
ユカリノキミって誰だろう。紫は私だが。
「紫様!何をぼうっとしておられるのですか!お稽古でございます!」
あの、その着物の人、ゆっさゆっさしないで…私ユカリサマじゃない
「もう!やっと中宮定子様の宮仕えが決まったというのに…これからが勝負所なのですよ!」
「…あの、貴方は誰?」
ええ…何?固まらないで
「…私は貴方様の女中にございます。名を桔梗と申します」
「はあ…桔梗、宜しく。」
「それより早くお召し替えを!」
あっという間に私は着物をたくさん着せられた。
__高そうだなこれ…
「この際もう一度言っておきますが、貴方様の名は紫!そしてこの東雲家の長女にして明日から現中宮定子様の下へ宮仕えに行かれるのです!東雲家は今や藤原家に次ぐ名家!兼政様はどうして紫様を入内させなかったのか不思議です!」
あ、定子様とか藤原家とかこれって平安時代に来ちゃいました系?まじかー。