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記念すべき1000人目のようですよ。    作者: とろろ~
第二章 『無題{仮}』
41/62

第二話 勉強になります。

26日更新予定でしたけど書けたので。

ただいま、馬車の中で絶賛正座中。ガタガタと揺れるたびに足が痛い。


あの後、大量の鈍器の中から護衛する男達の隠しナイフなどのサブ扱いの武器類も発見され、

服を取ったことは、ワザとではないことが判明した。


女性護衛二人とメルフィナ嬢からは反省の意味も込めて、次の飲料水補給地まで正座することを罰とされた。


しかし何故だろうか?ちゃんとオークの武器をイメージして取るようにしたはず・・・。

最初にメルフィナのクレイドールを全裸にしたせいで無意識レベルで刷り込んでしまったのだろうか?


いや、習得した時は全裸状態が出来上がったが今回は服だけだった。・・・・成長してるはず?

それでも、男性護衛の人達からも武器を取ってしまったことへの説明がつかない・・・・謎だ。帰ったらミュゼール先生に聞こう。


ちなみにシビル城下町への賃金のことで交渉した結果、半額になった。商人も中々やるもんで、命は助かっても無料では商売にならないからと言って、これ以上、安くはならなかった。商売人根性だな。

まあ俺もオークの鈍器を売ったのだが。全部で2銀貨。半額と少し安くなったのだ。その分、着いたら高い飯でもメルフィナ嬢に奢ろう。迷惑かけたからな。



「ナオヤ、大丈夫?」

「はい。メルフィナ嬢。本当に申し訳なかった。」

「もう少しだから頑張ってね。」


頑張ってねと言った後、そのまま隣で寝てしまった。長時間の馬車は苦手らしいから仕方がないけど・・・

正座解除を期待したのだが、ただ話しかけられただけだった。・・・しんどい。



「いや~にしても君、凄かったよね。僕はスゥ。よろしく。」

「ああ、あれは称賛に値する。私はサラだ。」

「ありがとうございます。俺はナオヤって言います。」


最初に話しかけてくれたのが弓矢が得意な女性、というより女の子だな。

俺と同じような軽鎧に下は・・・なぜホットパンツ?いや、俺は好きだけどね。


次は魔法使いの女性だ。俺と同じ年くらいかな?

ローブで全身を隠すように着ている。見えるのは顔だけだ。


「「俺達も初めて見たぜ!あんなロブ!俺達はディル&ルディだ!!」」

「ちゃんと後でどっちがどっちか教えてあげるんだぞ。よろしく、ナオヤくん。私がこのチーム「ウインドロック」のリーダー、マツナガだ。」

「はい、よろしくお願いします。」


双子で大剣使いを使って戦っていたのがディルさんとルディさん。

どっちがどっちか、わからない。鎧が灰色か黒かでしか判断がつかない。


マツナガさんは・・・うん。着物だね。ロングの茶髪に着物を着て、刀を腰にさしている。

物腰が柔らかさがリーダーっぽいです。


「みなさんも凄かったですよ。あんなに早くオークの群れを倒すなんて。前にオーク一匹に冒険者二人は欲しいって聞いてたのに。」

「そうだね、当然それが基本だ。だから私達は一匹に四人で相手をしていたんだよ。」


え?っと、あれ?そうだったけ。凄過ぎてちゃんと見れていなかったのか?


「ふふ、よく思いだしなさいよ。まず私は何をした?」

「サラさんは魔法を群れの真ん中にぶち当てましたね。」


結果は数匹のオークにケガさせて、オークの集団はバラけた。

その後は男達でバラけたオークに切りかかっていた。それを弓矢で援護してた・・・・ことしか覚えていない。


「その後の詳細は、わからないようだね。まずは私がオークに一太刀浴びせるのだよ。」

「そこを僕が弓矢で援護。反撃するなら腕を、後退するなら足に打つの。」

「「怯んで出来た隙ってやつに、俺達がドンと切るんだぜ。」」


唖然とする。要は一回目で誘いの切り込みをして、二回目で隙を作らせ、最後にデカイ一撃をってことだ。

良い勉強になるが、今のところ参考にならない。言ってることは簡単だが、それをあの短時間でこなすのだ。かなりの経験をしないと無理だ。本当に凄い。俺もいつかやってみたい。


「本当に凄いですよ、皆さん。感動しました!」

「まあ、格下が相手だったからね。とはいえ、あの戦い方は必ず集団行動しているゴブリンを相手にするときが普通なんだよ。」

「「今日はオークが集団だったから使ったが、普通はオークって森でニ、三匹でしか行動してないしな。」」

「しかも後ろから奇襲までしてくるなんて・・・僕達も初めてだよ。」

「そうよね。私達って長くやってきたけど、こんなこと無かったわよね。」


あれ?この人達でもオークも頭を使うって知らないのだろうか?じゃあ一応、話しておこうかな。


「あの~、オークが罠を使って人を攫うって話、聞いてません?」

「「「「「・・・・・え?」」」」」


ハモったなぁ。仲が良いんだろうなぁ。


「「「「「その話、詳しく!」」」」」

「ちょっ近い!顔が近いっす!話しますから!」


俺は、この前の事件の掻い摘んで簡単に話をした。


・・・・・

・・

「んで、最後はその穴の中に犯人の金貨が大量にあり、オークの毛もあったみたいです。」


・・・全員が一斉にため息をついた。あれ?俺の話ダメだった?


「「その話、俺達が出かける前日に分かったんだろ?なんで事件発覚の即日に張り紙しねぇかなぁ、冒険者ギルド。」」

「おそらく核心はないのだろう。森の中だ。量にもよるがオークの毛などがあってもおかしくはない。彼等も誤情報は出せないだろう。」

「だけど、せめて注意くらいしてほしいよ。僕は。」

「そうね。その情報があるか無いかで対応が違ってくるわよ。シビルに着いたら報告しなきゃ。」


俺への不満じゃないらしい。というかギルドはこの話をしてなかったのか。良かったのだろうか?俺が話をしてしまって。


「あ、あの・・・」

「ん?ああ、大丈夫よ。報告は今日の奇襲の話であって、罠の方は誤情報かも知れないけどってことで通しておくから。」

「ありがとうございます。サラさん。」


俺がよっぽど顔に出てたのだろう。気を使ってもらってしまった。

それにしても、この人達でも奇襲は初めてってことは、急にオークの頭が良くなったってことだ。


これって急に頭が良くなったってことだよな。考えても仕方がないが・・・何があったのだろうか。




馬車が止まった。


「お~い、あんた達も手伝ってくれ~。」

「あ、ナオヤくん、正座終了だよ。補給地に着いたからね。君も手伝って。」

「了解っす。」



どうやら飲料水補給地に着いたらしい。メルフィナは・・・起きない。・・・まいっか。

外に出ると池があった。だが、この池・・・・正直飲みたくない感じだ。汚いというか藻が浮いていたりする。


「お~い、早くこっち来て~。樽出すの手伝って~。」

「は、はいっす。」


馬車から小ぶりの樽をいくつか出すと池の近くに置いた。


「さぁ、スライムを狩りに行くぞ。」

「「「「おぉ~!」」」」


えっ?なんでスライム。池の水を汲むんじゃないの?


「あの、サラさん。なんでスライムを狩るんですか?」

「ん?樽にある核が心許ないからよ。ほら、樽の中に核が三つしかないでしょ。核って消耗するじゃない。あと早ければ三、四日で着くけど、これじゃ足りないかも知れないかね。」


ふむ。核って無くなるんだ。知らなかった。

確かに俺の水筒用麻袋の核も透明な方は無くなっていた。消耗品なんて思ってなかったから、森で大猪に追われてる最中に落としたのだと思っていた。


蒼い核もそのうち無くなるのだろうか。綺麗だから、お気に入りだったのだが消耗品なら仕方がないよなぁ。

水筒用麻袋の中を確認すると、水の中で蒼い核が浮いている。


大猪に追われた後は、こいつのおかげで助かった気がするのだ。もうすぐ無くなると思うと少し寂しい。・・・名前でも付けるか。


「蒼子よ。すまない。お前達ってすぐ消えるんだってな。大猪の時はありがとな。」


蒼い核は日を反射して、少し輝いた。


「・・・やっぱ綺麗だな。」

「早く行くわよ~。」

「はいっす。」


核を絶対落とさないように麻袋の紐をギュッと閉めて、スライムを狩りに出た。




「う~、疲れた。」


あまり探さなくてもスライムの集団を見つけられた。だが何故か俺ばかりスライムが襲ってきて避けるのにいっぱいいっぱいだった。


「「うはははは、まあ仕方がないな。お前が一番弱いからだろ。」」

「え~スライムにそんなの分かりますか~。」

「スライムは一番弱いモンスターだからね。生きるために、そういうのは分かると言われているよ。」


なるほど。弱いからこそ、強い奴弱い奴の見極めが出来るのね。生存戦略ですか。


「成果はどうだった?僕は七個だよ。」

「・・・四個です。」

「あはは、しょうがないって。あれで四個も取れたら十分だよ。」


フォロー、ありがとうございます。基本的に弓矢を使うスゥさんが七個って。俺はダメっ子だよ。


「あ、水用の袋って持ってたよね?中の核は何個ある?」

「一個ですね。」

「じゃあ、もう二個入れておきなね。」

「何でですか?」

「だって核って個々によって無くなる時って分からないじゃない。予備は入れておかないと。僕は常に三個入れてるよ。」

「なるほど。そう言えばそうですね。俺もそうします。」


なるほど。核って個々によっても無くなる時間が違うのか。じゃあ、いくつも持つのは当たり前だな。勉強になります。



スライム狩りから先程の場所に帰って途中、何となく金属の臭いがしてきた。


これって、まさか血の臭いか!?


ウインドロックのみんなも気が付いたようで急いで帰ると、そこには寝ていたはずのメルフィナが立っていた。


「メルフィナ!大丈夫か!」

「ん。大丈夫。」

「そっか。でもこの臭いって・・・」

「あれ。」


メルフィナの指を指して方を見ると、そこには・・・ワニが捌かれている途中だった。


「みんな行った後、悲鳴した。」

「ああ。お嬢ちゃんがいて助かったよ。あんた達が行った後にこいつらが池から出てきてな。俺達に襲いかかってきてな。そこを嬢ちゃんが助けてくれたんだ。」


御者さんが何があったか説明してくれた。

そう言えば、メルフィナを残して戦えるメンバー全員で行ってしまった。


「スライム以外は安全な地帯だったはずなんだが、警戒すべきだったな。メルフィナくん、ありがとう。」

「ん。」

「「しかし、前はこんな奴いなかったはずだが。」」

「そうね。それにあれってワニよね。生息地が違うわ。」

「「だな。」」

「捌いてるってことは食べるのかな?僕食べてみたい。」


スゥさんが興味深そうに、ワニを見る。


「いや、肉は美味くないらしい。どうやら高級な革が取れるらしくれな。お嬢ちゃんが売っておったぞ。なんでも貴族に人気だそうだ。」

「む~残念。」


いくらで売ったか気になるが、メルフィナが無事で本当に良かった。

いつもの帽子も被っていない。きっと悲鳴を聞いて急いで起きたのだろう。

俺はメルフィナの頭を撫でた。


「・・・ナオヤ?」

「無事で良かったよ。」

「ん。」


しばらく撫でていると後ろから声が聞こえた。


「「おい、いつまで撫でてんだ。血の臭いでモンスターが来るかも知れんから移動するぞ。樽運べ~。」」

「了解っす!行こうか、メルフィナ。」

「ん。」


みんなで樽を馬車に運び込み、急いで飲料水補給地を出発した。

このあとの展開・・・どうしようかな。

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