第二十三話 四日目の朝
久々の更新なのに短いです。
カラーン
・・・・朝だ。
昨日は大変だったけど・・・最後に良いもの見たなぁ。芸術ってさぁ、ああいうモノを言うんだろうな。・・・うわぁ昨日で思い出しちゃったよ。ギュリオにも会ったんだった。早くあいつに勝てないまでも張り合えるレベルにならないと。
「ふう、今日はたっぷり狩ってレベル上げだなぁ。」
ベットから降りて、軽く着替える。
「準備良し。メルフィナは~っと。」
仕切りのカーテンを開けると、バスローブが大胆に肌蹴ているメルフィナが寝ていた。
・・・うむ、何気にスタイルが良い。普段の服装では見えない部分が見えている。・・・しばらく起こさないで鑑賞しとこう。うん、これも芸術な気がしてきた。スケベ心なんて無いからね。・・・・ないからね。ない・・・からね。
・・・・・・・・・
・・・・・
・・
コンコン
ドアから音がした。
はっ!?イカン見過ぎてしまった!
俺はメルフィナの肌蹴ている状態を早急に直した。
「メル~、洗濯物、持ってきたよ~。」
エリーか。・・・しまったぁ。昨日は洗濯物お願いし忘れてしまった。
「エリ-、鍵は開いてるから入ってくれ。」
ガチャリと開けて入ってきた。・・・・洗濯・・・物?多くない?山のように洗濯物を持ってきた。
「ふぅ。流石にこれだけあると大変だったわ。」
「だろうね。というか、何でこんなにあるんだ?」
「え、あんたが一緒に持ってきたんじゃないの?」
「いやいや、俺が昨日持ってきたのは、そこにある本だったぞ。」
テーブルに置いてある本に指を指し、説明した。
「え~、なら魔法で見えなくしてた?それだと重さはあるだろうから、持っているって分かるし。ギフト持ちなのかな。」
「ギフト?」
なにそれ?贈り物?
「知らない?生まれた時から持っている特殊なスキルのことよ。たまにいるの。」
「なにそれ。羨ましいんだが。」
生まれ持っての才能ってやつだな。神様からの贈り物って意味合いでギフトなのか?
「で、ギフトだとして何てやつなんだ?」
「う~ん、可能性としては空間収納?」
・・・なんかテレビのカリスマ主婦がやりそうな名前なんだが。
「ちなみに何が出来るんだ?」
「私が見たことあるのは、冒険者が空中から物を出したり消したりしてたわ。何となくだけど、どれくらい収納できるか分かるんだって。重さとか感じないらしいわよ。」
「ほう、じゃあ荷物の運搬とかに便利だな。」
ん?もし空間収納だとしたら俺が本を持つ意味がなかったんだが・・・。
「どしたの?」
「いや、もし空間収納だったとしたら俺が本を持ってきた意味って・・・」
「空間収納の中身がいっぱいだったんじゃない?これだけの量の洗濯者があったわけだし。」
なるほど。空間収納が埋まってて入れられなかったか。
「さぁ、朝ご飯あるから。後で来なさいよ。」
そう言ってエリーは部屋を出て行った。
さて、メルフィナ嬢を起こすかね。どう起こすかって?
「お~い、起きろ妹よ~。」
当然、兄妹設定さ・・・・変態じゃないよ。
「ん~。」
「ほ~ら、起きないと目覚めのキスをしちゃいますよ~」
少しずつ顔を近づけていく。
・・・・いや、だから変態じゃないよ、兄妹だよ。普通でしょ!
「ん~~、さんだ~」
「は?へぼっ!!!」
えっ!?普通に痺れた!魔法でやられましたけど!只今、ベットの横で痺れてますけど!
「ん~。・・・・ん?」
「起きたかメルフィナ嬢よ。」
ベットの上からギシギシと音がする。起きてくれたようだ。
「・・・何してる?」
ベットの横から俺の声がしたので覗くように見下ろしている。
「うむ。俺、メルフィナを起こそうとする。魔法を浴びせられる。痺れて倒れる。そして現在の状況だ。」
「・・・ごめん?」
「いや、こちらこそスマン。」
「?」
なんで謝られたか分からないって感じだな。・・・知らない方がいいよ。
「それより早く着替えてくれ。朝飯が待っている。」
「・・・行く。」
もぞもぞと音がする。・・・・・はっ!?俺立て!早く!着替えだ!女子の着替えシーンを見るのだ!身体に力が入らない。くそ!
なんとか指から力を入れ、腕に力を入れ、と体中の筋肉に順番で力を入れいく。
うぬぬぬぬぅ!よっしゃ!立てた!どうだこら~!これで着替えが・・。
「どうしたの?」
そこには・・・・・着替え終わったメルフィナがいた。
「・・・いや、なんでもない。朝飯は何だろうね?」
「ん、楽しみ。」
「おう、行くか。」
少し・・・・かなり残念に思うが、機会はまだまだあるからな。うん、また今度だな。
明日からどうしようかと思案しながら階段を降りた。
「御馳走様でした。」
「ん。御馳走様でした。」
はぁ、朝飯・・・美味かったです。まさかの日本食だったよ。ご飯、味噌汁、焼き魚、漬物。ってなんでやねん!
折角だからリズさんに聞いてみると
「私が子供のころですが、料理の達人と言われる方がいらっしゃいまして、その方に教えて頂きました。」
「そんな人居るんですか?」
だとしたら日本人ではないだろうか。日本での記憶は無いだろうがめっちゃ会いたい。
「もうお亡くなりになりましたけどね。」
「・・・そうでしたか。残念です。」
本当に残念だ。
「もう革新的な料理ばかりで、一般に料理の達人と言われてましたが、食堂関係者からは料理の英雄と言われてましたよ。」
「・・・・マジすか。」
え、英雄だと!?そうか、何か革新を起こしても英雄になるのか!それは考えたこと無かった!お、俺にも何か・・何か・・・・革新的なモノ・・・・・・何も無かった。
俺20歳だよ。特に専門的知識なんて無かった。パソコンなら少しは・・・。この世界にあるわけないけど。しばらくは冒険者で英雄目指すしかないか・・・・・泣きそう。
「さて、行きますか。」
「ん。」
荷物も持ったし、ギルドに行きますかな。
「ナオヤさん、少しお聞きたいことがあるんですが。」
「何ですか?」
「最近警邏隊の方々がこのあたりを頻繁に見回ってるのですが、ギルドで話とか聞いてませんか?」
・・・おおぅ。どう答えようか。正直に答えるわけにも・・・あっ
「えっと、前に門番さんが別の街に野盗が出たって言ってましたね。」
「まあ、大変。」
「怖いっすよね。もしかしたら、そのせいで見回ってるのかも知れないです。」
「そうですか。ありがとうございます。」
うむ、我ながら良い感じの理由だと思う。
「野盗ですか。夜は気をつけないとですね。エリーちゃん、お客さんのお誘いは、しばらくお休みしてね。」
「でも客引きしないと収入が・・・」
「ナオヤさんとメルフィナちゃんのおかげで今月は大丈夫よ。」
・・・目の前でそんな話をしないでください。色々解決してレベル上がったら離れるかも知れないのに離れづらくなります。
「えっと、じゃあ行ってきます。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
「気をつけなさいよ。メルもね。」
「ん。」
よし、エリーとリズさんのためにも今日は金もレベルもいっぱい稼ぎますか。
次回は依頼を受けてまた戦う予定。あくまで予定。




