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理想郷の彼方へ  作者: あんぱん極
Mystery of two people
3/19

TARGET 3 シャルデアーク=ベネディクト

【4】


スイッチには種類があり3種類にわけられている。

俺や恭介が使っているのがC~E ランクのスイッチである [シヴィック・スイッチ]だ。

誰でも使える量産型のもので一度に扱えるだけの数を使うことができる。最大の特徴でいえば他のスイッチの武器とは違い元から武器の形状が固定されている。

そして、使用者の要求に基づく形状にすることができるのがA~Bランクである[クレイム・スイッチ]で一度、武器を顕現したらそれ以降は武器の形状が固定される。

噂によればAランクを超えるSランクのスイッチも存在するらしいが俺は見たことないけれど存在はすると思っている。そもそもスイッチ自体が謎なのだから存在してもおかしくないからな。


恭介と別れた後は特にやることもなく、俺は街中を歩いていた。

「俺もそろそろバイトとかしねぇとな……」

今までたくさんの事に流され続けて生きてきたからな。何か熱中できるものあれば目標とか見いだせそうなんだけども俺にはそういったものがない。スイッチバトルだって趣味でやっているとかじゃなくて気晴らしとかストレス発散的な役割りとしてやってる感じだし。俺の悩みなんて他の人から見ればしょうもないことなんだろうけど。


「おい、あっちでスイッチバトルやってんぞ!」

「は?街のど真ん中だぞ……何やってんだか」

「なんか不良2人が喧嘩してて、そんでスイッチバトルで勝敗決めようとかなったみたいなんだけどぉ(笑)」


俺がうだうだ考えてると周りの人達が発したスイッチバトルという言葉に反応した。

正直、スイッチバトルは流行っているもののやっていない人からは悪印象ばかりで絶えない。噂によればスイッチバトル禁止の学校や職場もあるらしい。悪印象の理由としては疲労により生活に支障が出るのが一番で、後は行なう場所が通行人の迷惑になったりする所だったり気遣いができてなかったりするからなんだ。

「一応、見に行ってみるか」

そう呟き、人が集まる方へ歩き始めた。




【5】


「うらぁぁぁぁッ!!」

雄叫びと共に青年は駆け出し、目の前の男に細剣で斬りかかろうとした。

「君はいつもそうだ。そうやって中途半端な技術で我武者羅に剣を振る。そんな奴が僕に勝てるとでも思ったのかい?だとすればそれは浅はかな考えだよ」

青年の剣を軽々と交わし無表情を保ちスイッチを顔の横にかざし、そっとスイッチを押す。

「結局は勝負というのは研ぎ澄まされた技術と強大な力を操ることで決まるんだよ」

「テメェのくだらねェ話なんてどうでもいいんだよォォォ!!」

青年はさらに剣を振るのを速め、攻めに行くが男は動きを読むかのように交わし、スイッチから顕現した双剣を天にかざし、青年に斬りかかった。

「どんなに君が技術を上げたとしても君の使っているCランクのスイッチでは僕のBランクのスイッチの中でも最も性能の高い《妖精堕とし(スピリット・アウト)》には勝てない」

男は青年が動けなくなるほどの速さで双剣で切り刻んでいった。


「いくらなんでもやりすぎなんじゃねぇーの?さすがにそっちの人だって勝てないと身を持ってわかったでしょ……このスイッチバトル辞めにしてくれないか?」

気づけば俺は二人に向かって言葉を発していた。

見るに耐えない程の実力差に俺は嫌気が指していた。

そもそも一方的に攻撃されている状況そのものが見ていて良いものじゃない。こんな戦い方をするならいっそのところ俺がここで代わりに戦うことも考えた。

だが、男の答えは

「まぁ、確かにこんな屑を相手にしているだけ時間の無駄ですし、そもそも彼には勝機のないスイッチバトルでしたしね。今日はこの辺にしておきますよ」

「な、なんだ。話せばわかるんだな。弱いものをいたぶるような戦い方をするやつは聞き分けのない奴ばかりだと思ってたよ」

俺はこの人が嫌いだ。

俺が介入しなければ永遠とあの人を切り刻んでいただろう。

こういう奴ほど早くに死ぬってのが相場で決まってるんだけどな!

「それでは、僕は失礼させてもらうよ。あ、そこの君、そいつの始末しといてくれるか」

「あぁ、わかっからさっさと失せてくれ」

こいつはどういう意味で始末という言葉を使ったのか気になるが、とりあえずあの人を起き上がらせて休める場所に移動させるのが妥当かな。

「おい、アンタ、起き上がれるか?」

「……………コ……ロス……ゼッタイ……………コロス」

「おいおい、物騒なこというなよ……」

相当嫌悪の仲なんだなこの2人。

「ん……?何だこのスイッチ」

俺は近くに落ちていたスイッチを拾い上げてランクがいくつなのか確認しようとしたとき、青年が目を見開いて横からスイッチを奪った。

「あぁ、悪い。アンタのだったか。にしても見かけないスイッチだな?もしかして噂のSランクだったりして」

「黙れ……………」

おっと、冗談で言ったつもりが青年の怒りを凄まじくするところだった。危ない、危ない。


「それしにても何でスイッチバトルなんか……に………。おい」

青年を見て話そうとしたらいつの間にか青年の姿は無く、独り言をしてしまった。恥ずかしい……。

「まさか、あの男を追ったのかね……?まったく、仲良くしろよな……」




【6】


代智の元から走り去った青年は

「この力さえあれば……………アイツにも勝てる……………うっ、ウハハ、ウハハハハハハハッハッハッハハハハ……………待ってろよ……今、潰しに行ってやるからよォ!!」

「おやおや、独りでお喋りだなんて面白い趣味を持ってるね?君ィ」

青年の前に白髪の青年が現れ、話しかけてきた。

「誰だ……オマエ……?」

「私か?ふむ、まぁ、名乗っても良いか………私はシャルデアーク=ベネディクト……以後お見知りおきをっね。世界の消滅を食い止める者だよ」

シャルデアークは不敵な笑みを浮かべ、青年に近づく。

「君が手に持っているそのスイッチは何かわかるかい?」

「なんだか知らねェけど、コイツなら勝てそうな気が湧いてくるんだ……………。なにか知ってるのか………?」



あぁ、それは [リミテッド・スイッチ]と言ってね?要はSランクのスイッチさ――――

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