TARGET IF ~もしも、代智達が特撮戦隊だったら~
IF ~スイッチレンジャー編~
【1】
ヒーローとは何か。
多くの人は日曜日のテレビ番組の特撮戦隊や仮面をかぶったライダーやら巨人なくせに3分しか戦えない者なんかを思い浮かべるだろう。
だが、それはどれも本物のヒーローではない。
彼らはライターなどの力で生み出された創作物であり"本物"ではないのだから。
俺が思う本物のヒーローとは何なのかって?
そんなものは簡単だ。
たった一人のために全力で戦える者のことを指す。
例えば、小学1年生の男の子が公園で遊んでたとしよう。そこに中学3年生の男5人がその子を殴る蹴るの暴行を加えたとする。そんな子をたまたま通りかかった40歳前後の大人が助けたとしてその子からは大人はどう思えるだろうか?
そう、その子にとっては40歳前後の大人がヒーローに見えるわけさ。
その他にも電車で女の子が痴漢にあっていてその痴漢していた者を捕らえた通りすがりの青年がいたとしよう。当然、女の子からしてみれば青年はヒーローに必然と見えてしまうのだ。
つまり俺が言いたいことは、ヒーローってのは能力なんて無くとも行動次第で簡単になれてしまう小英雄だってことだ。
あるところに、スイッチと呼ばれる武器を呼び出す力を持った5人の戦士がいた。
これは、愛と友情のスイッチアクションストーリーである。
【2】
帝国軍ベネディクトによる侵略により、日本は窮地に立たされていた。
帝王シャルデアークは、《魑魅魍魎の楽園》というSランクのスイッチを使い、街に化け物を向かわせた。
残された人々を化け物の手から守っているのが俺達、スイッチレンジャーだ!!
スイッチレンジャーには5人の団員がいる。
この俺、坂崎 代智は団員のリーダーを任されている。
スイッチレンジャー・レッドとなり、戦っている。
「おい、代智……駅前のコンビニで唐揚げ半額セールになってんぞ!!」
いきなり、扉を開けて俺に話しかけてきたのは親友の嶋田 恭介だ。
コイツはスイッチレンジャー・ブルーだ。
「代智……お腹、減った…………」
恭介の言葉に耳を傾け、俺の服の裾を引っ張っている少女は望月紡。
身長こそ低いものの、高い知力で敵を翻弄する戦いを得意としているスイッチレンジャー・ピンクだ。
残りの二人は不在のため、紹介を省かせてもらう。
「それじゃ、飯食いに行くかー」
「唐揚げ半額セールはスルーなの?えっ?えっ?」
化け物が出現しない日は、他の人と同じ日常を送っているわけさ。
【3】
駅近くの商店街を抜ければ、そこは都市の中心部分である大通りに出る。
家電製品取り扱い店や雑貨屋、ゲームセンターにフードコートが多くあり、街は賑わっている。
こういう当たり前な幸せを噛み締めていられる時間は、本当に良い物だ。
今日だけは、化け物も姿を現れなければ良いのだが……。
「久しぶりに、街にきたかも……?」
「俺と恭介は、よく走り回ってるからそうでもないけど、紡も毎日外出て運動しろよ」
「嫌。」
短っ!?
いくらなんでも、コメントが短すぎやしませんかね?
「つーか、宮島と土田はどこに行ってんだよ?」
「あー、あの兄弟は…………旅行だっけな」
団員の二人は、腹違いの兄弟であり、スイッチレンジャーのイエローとグリーンだ。
先に説明しておくと、俺たちスイッチレンジャーは二つの道具を使い、戦うために変身する。
一つは、スイッチ・ホルダーだ。
スイッチ・ホルダーは、ホルダーの差し込み口にスイッチをセットすることによって、スイッチレンジャーに変身することができる重要道具なのだ。
二つ目は、カラースイッチだ。
これは、自分のカラーのスイッチをホルダーに差し込むための変身道具だ。
俺はスイッチレンジャー・レッドだから、スイッチのカラーは勿論、赤だ。
「きゃぁぁぁぁぁあ!!」
「うわぁぁぁぁあ!!」
「いやっふううううう!!」
近くから悲鳴がし、よく見れば化け物が人を襲っていた。
というか、逃げ惑う人々の悲鳴の中で、一人だけテンション上がっちゃってる奴いたよね?
「よっしゃ、二人共、行くぞ!!」
「おう!」
「うん…………」
【4】
大通り近くのダンス広場に狼のような人型の化け物が、人々を襲っていた。
『ヴォォォォオオオ!!破壊、破壊、破壊破壊破壊ィィィ!!』
巨大な爪で、人を切り裂こうと動き回っている。
それも、動きが速く、人間の目では捉えきれるか危ういレベルだ。
「アイツが、今回の化け物かよ……めんどくさそうだな」
「あぁ、めんどくさそうだな…………」
恭介と代智は、狼男を見てすぐに戦う気を失いかけた。
「二人とも…………頑張って…?私は、人を避難させておくから」
そんな二人を見て、紡は声をかけた。
その、言葉で恭介と代智の心は闘志でメラメラになった。
「おっしゃ、かましてやろうぜ!!代智!!」
「あんなの余裕だ、コンチキショー!!」
そして、二人は同時にスイッチを目の前にかざし、構える。
「「スイッチ・オン!!」」
スイッチをホルダーにセットし、二人は光に包み込まれる。
変身した、姿は他人から見れば、なんとも言えない感じとなっていた。
なぜなら、変身した姿は全員、自分のカラーのパーカーを羽織るだけなのだから。
光に包み込まれた瞬間に、パーカーを羽織るというだけだ。簡単。
スイッチをセットするのには特に意味はない。
なら、なぜスイッチをセットしているのかといえば、変身ポーズが単に欲しかっただけだったからだ。
代智は赤いパーカー。
恭介は青いパーカー。
そして、一人ずつ、お決まりのセリフを放つ。
「太陽のように熱く、炎のテニスプレイヤーのようにたくましく燃え上がる、闘士の炎!!スイッチレンジャー・レッド!」
「青く、広く、冷たく、美しい海の無限大の可能性を咲かせよ!!スイッチレンジャー・ブルー!!」
決めセリフを放ち、二人は狼男の元へ駆け出す。
最初にレッドが殴り、蹴る。
次にブルーが蹴りを入れ、バランスを崩した瞬間に手を掴み、背負い投げを繰り出す。
倒れた狼男を、二人は躊躇なく追撃した。
殴り、蹴り、殴り、蹴り、殴り、蹴り、殴り、蹴り、殴り、蹴る。
繰り返し、繰り返し、何度も続ける。
二人は、狼男が動きが遅くなるまで、暴行を続けた。
やがて、狼男は動かなくなる。
「よっしゃ、ミッション完了だぜ!」
「なかなか、手強かったな……」
二人が、汗を拭っている隙を見計らうかのように、狼男は突然動き出す。
そして、レッドとブルーを蹴り、逃走した。
「痛てぇ……まだ、動けやがったのか…………」
「クソォ…………汚い手を使いやがって……!!」
【5】
戦いが終わり、基地に戻ってからも恭介と代智は狼男の悪口をいい続けた。
「あー、もう、マジで腹立つわ!!」
「だよな、あの不意打ちは許せねぇよ……」
ネチネチとひたすらに悪口を言い続ける。
そして、二人の中にある想いが形となり、定まる。
「「絶対に許さねぇからな!!帝王シャルデアーク!!今に見てろよ!」」
声を揃えて、叫んだ。
遠くへ聞こえるように。
俺たちの戦いは、これからだッ!!
はたして、スイッチレンジャーが帝国軍ベネディクトを壊滅させる事ができるのはいつになるのやら、予想もつかない。
本編と全く関係ないことを勝手にやらせちゃうIFです。
章が終わる事に、息抜き程度で書いてるので内容は、いつも以上にしょぼいです。




