9話目、とある暑い日
僕の名前は石橋祐一。天使と悪魔の血を引き継ぎ、108の特殊能力と316の宿命を背負った、そんなどこにでもいる普通の高校生。
それにしても今日は暑い。凄い暑い。どっか狂ってんじゃないかと思うほど暑い。
それ程の暑いのなら能力を使って快適に過ごせば良い。と、思うかもしれないがこれが中々難しい。以前南極と空間をつないだ時は、温度調節が上手くいかないわ、乾燥した空気で肌は荒れるわ、変な虫は入り込んでくるわで偉い目に合った。
それじゃぁ、と、上空1500m付近とつなげてみたら真っ暗だから何事かと思って覗き込んだら雲の中でいきなり雷に打たれるし、それだけならまだしも変な菌でも拾っちゃったのか家のご近所さんが原因不明の奇病で倒れるし。いやー、あれを治して回るのは本当に大変だった。
これは何もしない方が得なのか?
いや、この暑さはもはや異常。このまま暑い暑い言ってても時間の無駄だし…。
そうだ、暑いとか寒いってのは相対的なものなんだから自分の体温を上げたら涼しいく感じるんじゃないか?と、思ったのが今日の昼頃の話。
いやー、雷の直撃を食らっても平気だった僕がまさか死にかけるとはね。途中で気絶して能力が止まったから良かったものの、後2~3度上げていたらアウトだったわ。
夜になって涼しくなったし結果オーライって事で良いや。
しかしなぁ、本気を出せば太陽くらい破壊できる僕が暑さごときでこれほど苦労しなきゃなんないんだろう?
テーマはたぶん愛と平和