8話目、とある夏の日
僕の名前は石橋祐一。天使と悪魔の血を引き継ぎ、108の特殊能力と316の宿命を背負った、そんなどこにでもいる普通の高校生。
いやー、夏だね。夏は好きだよ。強い日差し、独特の雰囲気、何かが起こりそうな予感。そんな事に思いをはせて好き。な、訳じゃなく、プール、と、言うかスクール水着。良いよね、スクール水着。
しかし噂によると、昨今このスクール水着をわけのわからないダサい水着に替えようとしている悪の組織があるらしい。悪の組織があるならば力を持つ者の宿命として戦わねばならない。まぁ、他の悪の組織と戦う気は爪の先ほども無いけどね。良いんだって、仮面ライダーだってショッカーとは戦うけどバルタン星人とは戦わないだろ。そういうこと。
いやいや、勿論、日本の文化を守りたいって話でスクール水着姿が好きだとそんな事は全く考えていないですよ。
さて、力を使う合理的な説明も付いたので、ここは能力「精神の共有」の出番。これを使えば仲間と考えや感情を共有できるという便利なもの。洗脳?そんな言葉は知りません。
これで僕のスク水が好きだという感情を…、違った、スク水が素晴らしい日本の文化だという事を共通認識とできればいけるはず。
世界中の人間の共通認識にしてしまえば話は早いのだが、とりあえずは悪の組織の全貌を暴かねば…。何々、新スクール水着は5年後をめどに普及させる予定なのか…。その頃にはもう卒業しているから関係ないな…。って事はわざわざ能力を使う事もないか。
いやー、良かったよかった。やっぱり個人の趣味や嗜好で世界を変えちゃ駄目だよね。うんうん。
実は僕は目が悪くクラスの女子の水着姿は認識できなかったのでスク水属性は全く無いのだけど思い立ったので書いてみました。
チュンリーで目覚めたのでチャイナ服好きという無難なところに落ち着き、その後モリガンの大ファンになったけどそっち系には影響されず本当に普通で良かったと思っています。