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5話目、とある昼休み

 僕の名前は石橋祐一。天使と悪魔の血を引き継ぎ、108の特殊能力と316の宿命を背負った、そんなどこにでもいる普通の高校生。

今日も特にたいしたこともなく平々凡々にすぎると思ったいたが昼休み長谷川さんが僕の前を横切った時にその事件は起きた。


うわ、何コレ、凄い良い匂い。


いや、匂いなんて表現は相応しくない。そう、もっと高貴な、天の国にあるであろう1000年に一度、溢れんばかりの少女の愛を注がれた時にひらくという伝説の花の香りの様な愛らしさ。いや、まぁ、そんな花は点の国には無かったけどさ。

しかし、何で女の子はこんな良い香りがするのだろう?とはさすがに僕も思わない。おそらくこれはシャンプーかリンスの香り。ならばここは僕の特殊能力のひとつ「真実の追究」の出番。これは何か問題がおきた時に原因が何なのかわかるだけでなく、目の前の料理の材料なんかもわかる探偵泣かせの特殊能力。

今回は、良い香りなので僕も同じのを使いたい。で、言い訳も完璧。いやいや、言い訳じゃなくって本心本心。長谷川さんの香りをいつも身近に感じていたいなんて、もー、これっぽっちも考えちゃいませんよ。



…、いや、待てよ。でもこの能力を使っちゃうとあの香りが「サクラの香り」とか限定されちゃうのか?それならまだしも業務用香料NK58番とか出てきちゃったらどうしよう?

今ならあれは伝説の花の香りだと思い込む事も可能だぞ。



うーん、でもなぁ、ほんと良い香りだったしなぁ。


うーーん。でもこのまま分析せずに良い香りだったと記憶にとどめておくのも手だよなぁ。


うーーーん。でもなぁ、同じ香りのものも欲しいしなぁ。





良し、決めた。リスクを恐れて何もしないのはありえない。能力真実の追求を使う。



……


………


わかったわ。



あれは、業務用香料ピーチМT38を68%、同じく業務用香料ミルクLS21を32%の割合で混ぜた季節限定シャンプーだ。それを長谷川さんの母親が商品入れ替えの為大特価で売っているやつを買った物でもうこの辺じゃ売ってないやつだ。


能力を使って良かったような悪かったような…、知りたかったような知りたくなかったような…、はたして僕は勝ったのだろうか負けたのだろうか?

テーマはたぶん愛と平和。

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