3話目、とある授業中
僕の名前は石橋祐一。天使と悪魔の血を引き継ぎ、108の特殊能力と316の宿命を背負った、そんなどこにでもいる普通の高校生。
普段は真面目に授業を受けているのだが今日に限ってふと考えてしまった。
長谷川さんのおっぱいってどんな感触なんだろう?
いやいや、そんな事を考えても仕方が無いので授業に集中しなおそう。そう、授業授業。集中集中。
授業授業。集中集中。
授業に集中。…なんてできるかーい。
授業に集中しようとすればするほど長谷川さんの胸の感触が気になる。これは不味い。この状態だと全く授業に集中できない。これは一大事だ。と、なると、長谷川さんの胸の感触を確かめたとしても問題ないんじゃないか?いやいや、勿論直接触って確かめたりはしないよ。でも、我が能力「完璧な目測」を使って調べるくらいしても良いよね。緊急事態だしね。
…なっ、そんな、馬鹿な。
オタデブの工藤一の脇腹と同じ感触だと…。
つまり工藤が脇腹を揉むのは長谷川さんの胸を揉んでいるのと同じ事って事か?ゆ、ゆるせん。なんだこの怒りと悔しさと羨望が入り混じった感情は。これが嫉妬なのか?
これを放置するって事は長谷川さんへの侮辱では無いのだろうか。こうなっては仕方が無い。ここは我が能力「一時の最盛」の出番だ。この能力は筋力増加量を上げ新陳代謝を上げ、心肺機能を上げ再生能力を上げ、一定期間普段の実力以上の身体能力が出せるようにする力。
ふっふっふっ、この能力を使えば奴は一ヵ月後にはスポーツマン体型だ。これでもう奴は長谷川さんの胸の感触を楽しむ事はできない。奴は運動系の部活に入っているわけでもないから大会で変な記録を作ってしまうことも無いだろうし、フフフッ、完璧だ。笑いが止まらん。ざまーみろ。
ん?待てよ。
落ち着いて考えると、長谷川さんの胸は無理でも斉藤君の脇腹だったら頼めば揉ませてもらえたんじゃないか?しまったー、クソ、もう一時の最盛の効果で感触が変わリ始めてる。
あぁ、失敗したー。感情に任せて考え無しに能力を使うんじゃなかった。
テーマはたぶん愛と平和です。