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再会

 「会うことになった!」

 まだ朝も早い時間に、楓に叩き起こされた。彼女は満面の笑みを掲げて、嬉しそうに続けた。

 「松田さんと、明日会う!」

 「そう。良かったね。てかまだ早いんだけど。眠いんだけど」

 「寝てる場合じゃないよ! どうしよう! 何着ていこう」

 朝っぱらから勘弁して欲しい。昨日、楓の勉強に夜中まで付き合っていたから、まだ眠いのだ。なのに、楓は何でこんなに元気なの? これが恋?

 初恋をしたであろう人間が考えるような事を考えつつ、バタバタと動く楓をぼんやり眺めていた。

 いいな。

 この娘は、なーんにも考えてないみたいで羨ましいな。私なんて、考えなきゃいけないことが山積みだ。明日のことも、将来のことも、そして、家族のことも。

 出来れば何も考えたくない。何も感じないようになれれば、いっそ楽なのに。色々と感じて反応するこの身体が憎たらしい。

 ため息を吐くのと同時に、楓が携帯のメール履歴を見せつけてきた。

 「見てよ、このメールの回数! あたし、松田さんと昨日ずっとメールしてたんだ! 凄くない?」

 はいはい。吐き捨てて、また眠りにつくよう目を閉じた。眠い。兎に角眠い。何でこの娘はこんなに元気なの。いつそんなにやりとりしてる時間があったの。

 このまま二度と目を覚まさなければいいのに。そう思いながら、再び眠りについた。

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