8: 自給自足の時代
実は私は歴史が苦手だ。
歴史と言う授業やジャンルで、興味を持てた時代は数えるほど。
文字や数字に対する記憶力と言う点ではどうにか人並み程度はあるはずだからその気になれば覚えられるはずなのに、とにかく歴史と名がつくものだけはとことん憶えないのだ。
何年に誰それが何になった、何が起こった、という過去の話に全く興味が湧かなくて、学生時代の試験の時も一日で範囲を憶えて、次の日には忘れると言う繰り返しだった。
歴史の話になると、過去は振り返らない主義だと言ってお茶を濁すしかない。日本史でさえ壊滅的なんだから、外国の歴史など言うまでもない。
要するに興味の問題なのだろう。理科や国語、政経なんかは好きだったからよく覚えているし。
さて、そんな歴史嫌いの私だけれど、唯一何故かやたら大好き、と言う時代がある。
それが、縄文時代だ。
何故好きなのか、未だに理由はわからない。けれど昔からとにかく縄文時代が好きだった。
狭苦しい竪穴式住居や、素朴な火炎式土器や、当時の人が使っていた様々な石器や、実際の生活の様子を描いた本なんかを見ると何故だか何ともいえない気持ちになる。
大人になってから、どうも縄文時代というよりも文明が未発達な自給自足の時代が好きなのかもしれないと思うようになった。
野山や海で手に入る物を必死で探し、精一杯の智恵を使って活かし、生活していくと言うのが好きなのかもしれない。
本当の所は私にも未だによくわかっていないのだが、海外作家のフィクションでクジラやアザラシの狩猟をしていた北の方の民族の生活なんかを描いた本があって、それがものすごくツボだったのでそう思うようになった。
文明が崩壊した世界のカナダで、森で暮らす事を選んだ女の子の話を書いた本も結構好きだった。
多分鉄○DA○Hでやっている、D○SH村での生活があの番組の中で一番好きなのも同じ理由。
もう本当に、とにかく理由はわからないが好き。
これはもうアレだ、前世に何かあったに違いないとスピリチュアルな方向で終わらせるしかないくらい好きだ。
ただ惜しいのは、そういう時代や、話の本で素敵なものに出会う機会があまりないということ。
まぁ……普通そうかもしれない。
けど、何かお薦めの自給自足小説があったら喜んで読むので是非教えて頂きたい。