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頭痛

作者: 千葉 次郎
掲載日:2010/10/17





 頭が痛いという表現は、本来大変困ってしまっていることの形容だ。実際に困ったときにはめまいがしそうなときもあるし、頭痛もする。そして第一に、頭痛がすると僕は大変困ってしまう。身近な悪循環の代表例だ。


 頭痛に見舞われるときと言うのは大抵決まっている。僕の場合は、視覚を使いすぎたときで、だいたい一週間に一度は激しい眼窩上部の痛みを感じる。この文章を書いている僕も、その傷みを実際に感じている。

 だからこうやってその傷みを言葉に表そうとした訳だが、しかしそれは一歩間違えは自殺行為である。なぜなら、こうやってスクリーンを見つめること自体が、この頭痛の原因になりうるからだ。


 今回の頭痛の原因というのははっきりと分かっている。前日の目の浪費だ。なぜ浪費したかというと、電気を消した寝室で、画面の小さなゲーム機でゲームをしたからだ。30分ぐらいだったかと思うが、その行為の代償は大きかった。 

 実際に、ゲームをし終わって寝る前にトイレに行こうかとしたとき、立ち上がった瞬間に目がくらみ、明るい廊下に出ると、視界の真ん中に濁った点滅する闇が見えた。


 僕は、ひとときの楽しみのために一日分の頭痛を手にした。


 事情があってそのときは電気を付けることができなかったのだが、もし明るい中でゲームをしていたならば、翌日のこの痛みはもう少し軽減されていただろうと思う。でも、そのことを今更責めてもどうしようもない。それに、一、二週間すればまた同じことを繰り返すのだ。いちいち反省していたらきりがない。


 それにしても、この痛みはしんどい。頭が割れそうな、とまでは言わないけれど、少なくとも、脳細胞が数千、数万の単位で死滅してしまったことを実感できる痛みだ。この痛みは確実に僕をよわらせ、モチベーションを下げさせる。そしてたいてい、この痛みとともに胃の不快感もやってくる。


 このような痛みがある日には、ボーとして明るいスクリーンなど見ないことが最も有効な手段ではあるが、それをしないのが人間の持つパラドックスであり、僕の性格だ。どうせ、明日にはもっと鈍重な痛みが待っているだろう。それを分かっていながら、僕は

こうやってスクリーンをにらみ続けるのだ。


 このような負の連鎖を、僕は自分自身の人生で、自分から進んで引き起こして生き続けていくのかもしれない。そう思うと、本当に頭が痛くなってくる。


 しかしこの痛みというのは、本当に冗談など言っている場合じゃないぐらい、僕にとっては重大な物であり、どれくらい重大なことかと言えば、今日という日に明日への活力を見いだせるか、それとも絶望感のままに眠りにつくかの瀬戸際で足をもつれさせて後者のほうへ転びそうになってしまうぐらいだ。


 しかし、そうはいっても僕はこういった頭痛をいやと言うほど経験してきた。だから、どれだけ鈍痛に打ちのめされたとしても、そのうち治るだろうと言うことは分かる(その割には毎回もう治らないんじゃないかとも思うのだけれど)。きっと、今日のの痛みも、明日か明後日になれば治まるだろうと思う。そう思わなければ生きてはいけない。いや、ほんと。


 というわけで、この文章を書いている間にも、僕の頭痛は少し悪化したようだ。まあ、当たり前のことだが。それでも、この文章を書きながら聞いていた、GARNET CROWの曲たちが僕を元気づけてくれた。本当に彼らの曲は僕にいろいろなものを与えてくれる。とくに「最後の離島」はよかった。


 僕もそろそろしんどくなってきたから。文章を書くのはこれまでにしようと思う。あとは音楽でも聴いてのんびりしよう。頭痛のない明日のために。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 頭痛 という題で書かれていたご自分の体験・・・・でしょうか? 日常の些細なことでも、こうやって文章力のある方が文章にすると、すごく面白いです。 [一言] GARNETCROW、千葉次郎さ…
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