蟻とキリギリス
ある夏の日、蟻さんは汗を流し自分の身体の三倍はあるであろう餌を巣に運んでいました。
蟻さんは、何の疑いもなく、せっせとせっせと運びました。
その様子を向日葵の葉の上で、ビオラを弾きながら、キリギリスが蟻さんに言います。
「蟻さん、蟻さんそんなに働いてどうするの?
ほら、僕のメロディーを聴きなよ!一緒に踊ろうよ!」とビオラを奏でる。
蟻さんは言い返します「そんなに遊んでいると、冬が来たら大変だよ!冬が来る前に貯蓄しないと!働くのが人生だよ!」蟻さんは、もくもくと働きます。
キリギリスさんは、「蟻さん、人生とは何かね?今やりたい事をやらずにいつやるの?確かに冬が来たら僕は困るよね、だけどね僕はビオラを弾きたいんだ!冬になったら考えるよ!」とビオラを弾き続けた。
冬が来た
蟻さんは、夏に蓄えた食料で巣の中で何不自由なく暮らしていました。
蟻さんは、若い蟻を諭します。
「お前達、外を見てみなさい、あの哀れなキリギリスを、服はボロボロで食べるものもなく、冬は越せないだろう、働いて、働いて冬を越す!それが人生だ!」と若い蟻に言いました。
聞いていた若い蟻の1匹が「おじさん!夏働いて1番の思い出はなんですか?」
蟻さんは、返答に困り、「働くのが人生だ!余計は事を言うな!」そう言いました。
外では餌も無く凍えるキリギリスがいました。
枯れた木にもたれかかり、人生最後の時を迎えようとしていました。
「ああ、なんて楽しい人生だったんだろう‥ビオラはもう弾けないけど頭の中で向日葵とあのメロディが流れる‥蟻さん一緒に踊りたかったよ‥幸せにね‥」
そう言ってキリギリスさんは、息絶えました。
おしまい




