『小野宮邸の朗読のこと』速記談2038
小野宮邸の室町面には、古い四足門があった。この門はいつも閉じられている。小野宮殿が御在宅のとき、いつもその門を通ってお渡りになり、夜通し語り明かされたからだという。また大炊御門面には、板塀を立て、穴を空けたところがあった。そこに菓子などを置かせなさっていたので、子供たちが集まって、菓子をもらうかわりに、世の中のことを話していった。その中には、速記の朗読としか思えないものも多かった。
教訓:小野宮家は、藤原氏の嫡流だったこともある名家であるが、後に傍流となる。