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穴掘りと土とプルプルと

作者、じつは仕事でごはんを作ったりする。

魔物の召喚をしたから、ちょびっとだけダンジョンらしさが出たような気がする。


まあ、まだ部屋がひとつしか無いから、入口のないただの穴蔵にしか見えないんだけどね。


ただの穴を脱却するためにも、アリさんには穴を掘ってフロアを拡げてもらっていこうかな。



「じゃあ、アリさんたちにお願い。穴を掘って通路を作ってくれるかな」


『かちかち!』『こちこち!』



返事をするかのように顎を鳴らしたアリさんたちから、了解の意思がなんとなく伝わってくる。

なんとなく分かるっていうのは結構大事だから、スキルの恩恵は大きいな。


お願いをしたあと、アリさんたちはすぐに穴掘りを始めてくれた。

顎で壁をサクサク崩しては部屋の隅に運んでいく。

このスピードなら今日中にかなり掘ってしまいそうな気がする。魔物すごい。


さて、スライムには何をお願いしようか。

草でも石でも食べるらしいから、試しに穴掘りで出た土とかを処理してもらおう。



「じゃあ、右のスライムちゃんにお願いしようかな。部屋の隅で、アリさんたちが持ってくる土を食べててくれる?」


『プルプル!』



お願いされたスライムはぴょんぴょん跳ねながら、プルプルという効果音?を発している。

スライムからは了解の意思が伝わってくるので、これは良いよという返事らしい。

とてもかわいい。


うーん、もうお願いするような事がないな。

期待するような眼差しを向けているスライムを抱き上げ、むぎゅむぎゅもちもちする。見た目は水餅だけど、表面はスベスベしていて、もちっと弾力がある。

とてもいい感触で、くせになりそう。


色々あってちょっとだけ疲れたから、少しお昼寝をしようかな。

このスライムには、今は抱き枕になっててもらおう。









1時間ほどして、私はお昼寝から目を覚ました。

洞窟の床で寝てたから、少し体が痛い気がするけど、それなりにスッキリしたかも。


アリさんはけっこう掘り進んだみたいで、穴が20メートルくらい進んでる。

自分の領域だからか、感覚的にわかった。


穴掘りの土を処理してるスライムは、運ばれてくる土をせっせと飲み込んではシュワシュワ消化している。見た目は透明な水餅の中にアンコが入ってるみたい。


そして、抱き枕にしてたスライムは、相変わらずプルプルしてる。やっぱり水餅みたい。

そういえば、スライムゼリーってどうやって採るんだろう。お願いしたら分けてくれるのかな。



「スライムゼリーって、どうやって出すの?えっと、今出せるの?」

『プ!』



なんとなく、目の前のスライムが胸を張ったように見える。

すると、私の手のひらの上まで、にゅーっと触手みたいなのが伸びて、その先がプツッと離れた。

手のひらに乗ったものは、あのスライムゼリーと全く同じもののようだ。


もっとできると言いたいのか、スライムは更に2つ3つとスライムゼリーを分けてくれる。



「ちょ、ちょっと待って!これで十分!欲しい時に、またお願いするから!」

『プゥ?プル!』



え、そうなの?って顔のスライム。

ひとまず納得してくれたみたいで、スライムゼリーが出てくるのが止まった。


両手に乗ったスライムゼリーは4つ。

ひとつの大きさは、だいたい5センチくらい。

手が小さいので、ちょっと大変。

とりあえず、置きっぱなしの魔王の大鍋の中に入れておく。


うーん、なんとなくこれは加熱したら溶けそうな気がする。ゼラチンとか寒天みたいな。

蜜を手に入れたら、甘いゼリー作りを試してみようかな。


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