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下位級の国  作者: ムヒ
1章 魔物の集落へ
3/4

2話 1人の出会い

「ねぇ相棒!」 「相棒〜!」 「あ・い・ぼ・う!」




ウザイ




かれこれ30分は相棒と呼ばれ続けてる

相棒という単語にゲシュタルト崩壊を始めた。


どんだけ嬉しかったんだよ


10回ぐらいは『うるさい』と言ったか

それでも尚呼ぶのをやめない。


次呼んだら槍で脅してやろうか

そう思いながらキアリクを睨むと



顔がとてもキラキラしている



とっさに顔を逸らした

クソッ!こいつ無邪気な顔しやがって!言いづらい!!


「そこまで嬉しかったのか...?俺らまだ出会って半日もしてないぞ?」


キアリクはキラキラした顔のまま


「だって、初めてなんだもん!他の子みても、親しくなってるような子は見たことないんだもん」



んー?

転生者って偉そうな冷たいヤツしかいないのか?

長い旅を共にするだろうに、親交とかできないのかな

転生者って俺の前にもかなりの人数いただろうに

見たことが無いは変だな...

それとも人間ってそんなクズしかいないのか?



...まあ考えてもしかなねぇな!



とりあえずキアリクが本当に嬉しいんだってことが分かった



頭がモヤモヤする中、先を進むと

道中に1人の女性が倒れてるのを見つけた

息はあった、しかし重症だ、所々骨が折れて右目が潰れている

幸い、道中で薬草を沢山収穫していてよかった

右目が治ることな無かったが、骨は治ったようだ

「う...」

ちょうど気がついたようだ


「大丈夫か?」


あまり刺激はしないよう、優しく声をかける

しかし女性はゴキブリでも見たかのような驚いた顔をし


「ひぃいいい!!悪魔!!!!」


女性は腰を抜かした、体を震わせ怯えている


そりゃそうだよね、起きたら目の前に悪魔なんて俺でもビビるよね


でも悲しいなぁ...


俺が1人ショックをうけて立ちすくんでるのを横目に

キアリクは女性に優しく声を掛けた



「大丈夫よ、私たち貴方を助けに来たの、だから落ち着いて」


「貴方は誰!?ここで何してるの!?」


「んー...」


キアリクは何故かかなり悩んでる

普通に大妖精だって言えばいいじゃないか


「ハエの...子供よ...!」


それは無理があるんじゃないか


「ハエの子供...?」


それで通じるんだ


「後ろにいるのは、私のお世話役よ」


「は?おい、俺らは相ぼ...」


「しー!今あの女の子は貴方に怯えてんの!悪魔なんて残虐な魔物なんだから怯えて当たり前よ、とりあえず女の子を落ち着かせるためにはこれしかないの!」


「はぁ...」


しょうがない事だなこれは、すこしムズムズするが耐えるしかないか

「大丈夫よ、私たちは貴方を助けに来たの、だから落ち着いて」

「はっ...はっ...」

「大丈夫よ」

「...はぁ...」


流石妖精だな、さっきまでの震えが嘘みたいに収まってる


「君、名前は?」


「カエデ...」



「あっあの!助けて欲しいんです!」





話を聞いたところによると、カエデはこの辺りの魔物の集落の奴隷として働いていたらしく、一昨日、姉と一緒に逃げたばかりらしい。


姉の名前は"サツキ"


一緒に逃げる時に、途中で魔物達に襲われたが

姉が身代わりになり自分を庇ってくれて

自分だけは逃げ出すことに成功したという


奴隷ね...どうりで容姿が全体的にボロボロな訳だ



「なるほど...私たちでその姉さんを助けて欲しいってことね...」

今こうしてる時でも姉さんはこき使われてるのだろう

だが...


「助けたいのは山々だが、人数がな...」


今まともに戦えるのは俺とキアリクの2人だけだ

集落となると10体以上はいるだろう

しかも俺はまだ戦い方すら知らない、言わば素人だ


絶対に負けるだろう


「とりあえず、まだこの辺りに魔物はいるだろう、俺たちの目的は森からでる事だ、1度安全な場所へ...」


ドン!


突然、カエデの後ろの木に矢が刺さった


「...外した」


矢が打たれた方向を見ると

「こりゃまずいな...」



そこには魔物が2人、見た感じゴブリンだ

1人は剣を構え、もう1人は弓を構えていた


「お前らがこの女の子の主か?」


ゴブリン達は首を傾げて言った


「主?女の子?我らはそのような主従関係ではない、所有者だ、奴隷は物、そうじゃないのか?まさか貴様それの味方をするつもりか?」


「人をモノ扱いするやつは嫌いだなぁ、今すぐ失せ...」


俺が話してると、突然目の前にキアリクが出てきた

まさかこいつ、俺がカッコつけてるっていうのに!


そしてキアリクが一言


「まかせて!」


「ヘルファイア!!」


たちまち炎がゴブリン達目掛けて発射され、ゴブリン達は炎に飲み込まれた


「ギャアアアアアアアアア!!!!」


可哀想と思える程、悲惨な悲鳴を上げた後

ゴブリンたちは灰となった


キアリクに色々言いたいことがあったが

助けてくれたってことで、心の中で許した


キアリクはこっちを向いて自信ありげに


「大丈夫!貴方達は、私が守ってあげるから!だってこいつの相ぼ...じゃなくて主だもん!」


頼もしいやつだ


カエデは何が起こったのが理解ずアタフタしてたが、しばらくして


「あ、ありがとうございます...!」


人に助けてもらうなんてされたことが無かったのが、しばらく嬉しそうにしていた


そして俺たちは森を出るため、しばらく歩き続けたが

森から出れる気配もなく、途中で日が暮れてしまった

しかないので、キアリクと俺と交代して見張りをやり

野宿をすることになった


その夜中、まだカエデは俺に怯えていたので、緊張を解くため、声を掛けてみた


しかし、カエデは『悪魔と話すのは嫌だ!!』

と言って俺からそそくさと離れた


泣いていいか?


しょうがないので、キアリクがカエデに話を聞いてみることに


「お姉さん、心配?」

「心配ですよ...できるなら、森なんか出ずに今すぐにでも行きたいです...」

「ふーん...嫌なら話さなくていいんだけど、その...どうして逃げようとしたの?」


「昔からサツキが、外の世界の話をしてくれたんです、サツキ力が強いからはよく、外の荷物持ちに使われてたから...そこで見た景色とか、色々教えてくれて、それで、私が出たいって言って...」

「なるほどね...」


カエデは途中まで落ち着いてキアリクと話をしていたが突然、顔色を変えて、強い口調で言った

「...やっぱり、サツキが心配です...!今すぐ行きませんか?夜なので、皆寝てるはずですよ!!」

「いや、貴方の気持ちもわかるけど...無理なものは無理なのよ...」

「嫌です!今すぐ行きたいです!サツキが心配です!」

「あまり大きな声出さないで、追ってが来たらどうすんのよ!」

「嫌です!嫌です!」

「ああもう!"スリープ"!」

カエデは死んだように眠った


「...この子、ずっと休んでなかったみたい、見て、クマが凄いわ」

よく見たら、見たことの無いほど、濃いクマが出来ていた

あまり気にしてなかったが、歩かせ続けたのが悪かったのかもしれない



「...明日、行くか?集落」

「行きたいのは山々なんだけどねぇ...私たちの命も大事よ、外に出たら協力してくれる人はいるかもしれない」

「だが、そうしてたら姉さんも危ない」


「...」


しばらく静寂が訪れた

キアリクは難しい顔をして


「でも無理よ、私のスキルでも、やれる人数は決まってる」

「そうかい...」


明日もカエデは騒ぐだろうか、騒いだらどうしようか

だが、仮に外に出れたとしても協力者は見つかるのだろうか

でも、このまま無策で突っ込んでもやられるだけだろう...

どうしたら...どうしたら...




そう考えてるうちに、朝が来た


カエデは騒いだら嫌なので、スリープでまた眠らせることにした


「まぁ、心配要らないわ、追ってぐらいだったら私が何とかするからね!」


「頼もしいやつだな」


「おおっ!いいねぇ!もっと褒めてもいいわよ!」


「調子乗んな」


「うへぇー...」


本音ではもっと褒めてやったさ、だが...なんかイラつく


「んん?貴方、心の中では『もっと褒めてやったさ』っておもってんでしょ!」


「!?」

こいつ...心の中も読めるスキルを...!


「気のせいじゃないかなぁ...!」


「嘘よ!嘘!嘘をついてる顔だわ!」

違う...!こいつ単に勘が鋭いだけだッ!


「あーもう!つよいやつだなって思ったんだよ!」


「えへへ〜」


キアリクは満足げに笑い

それでも十分じゃなかったのか

しきりに私を褒めろ褒めろと言ってきた

ご愛読ありがとうございます!(´▽`)

できれば、評価お願いします!!



PS:今回のはあまり上手くできませんでしたので

話の流れが悪いところがあるかもしれません...


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