1話 まずは状況を整理
「俺は、なに?なんだ???ん?どゆこと??」
ますます頭が混乱する、意味が分からない、異世界転生って普通は超強い武器とかスキルとか貰ったりして
ハチャメチャやったりするんじゃないのか?
なのに、俺は...悪魔?
「状況が分からないようね」
「当たり前だろ!!非現実的すぎるんだわ!!大妖精...だっけ?お前は何者だ?なんでここに居る?」
「私は大妖精、キアリク・フォーメース!ざっくり言えば貴方の眷属みたいなもんよ」
「...?.??...?」
「パニックになってる...とりあえず一から教えてあげる」
キアリクは一から丁寧に教えてくれた
まず、さっき言ったように俺は異世界転生したらしい、そして転生者には、ガイド役として1人、妖精を付けることになってるらしい。
かなり都合がいいなと思ったけど、考えたら負けだと思った、そして転生者は生前に受けた経験や、状況、感情によってスキルが変わるらしいが、魔物になる、というのはかなり稀な部類らしい。
恐らく、てか絶対に病院での1件が原因だと思う
そして俺がなった魔物は、悪魔
正直言って、世の中ではかなり嫌われてる魔物だそうだ、なにやら、魂を奪われるだとか、子供を攫うだとか、悪い噂が後を絶たないらしい
しかし、その分魔物の中では強い部類だそう
...だが俺がなったのは悪魔の中でも下位の
下位悪魔というらしい...
なんでこうなったかは、分からないらしい
せっかく異世界転生したというのに、どうせなら魔王にでもなりたかった
しかも俺の姿ぶっちゃけ言うと、すっっっごいキモイ!!!
肌色が薄い紫の上裸で、下半身は黒い毛皮のようなものに覆われており、頭にはヤギの角みたいのが生えていた
「ほとんど全裸じゃん...勘弁してくれ...」
とりあえず森から出たい
キアリクにどっちに進めば森から出られるかと聞いたが、知るわけないでしょうとのことだった
案内役なのに知らないってどういうことだよ
とりあえず迷ったら右にということで、俺たちは進むことにした
先に進んでいく途中、天然の薬草畑のようなものがあった
薬草さえあれば死ぬことは無いだろう
俺は生きなくてはならない、持てるだけ持ってやる、と思い薬草を腰のポケットに入れようとしたが
そうだった
俺はほとんど全裸だ、ポケットなんてあるわけない
しょうがないから手に持っt
ザザァ...
突然風が吹いたかと思えば目の前の薬草たちが跡形もなく無くなっていた、何事かと思えば
キアリクが手の中に薬草を吸い込ませていた
キアリクが言うに、スキルだそうだ、自分よりも小さいものなら容量無限で自分の中に収納できるらしい
なんて便利なやつだ
スキル...
「そういえば、俺に使えるようなスキルってあるのか?」
どうせ転生したんだ、どうせならメラゾーマだとか、波動拳だとか、使ってみたい
「えー...使ってみたいの?」
「使えるのか!?もちろんだ!使えるならなんでもやってやる!」
「まあやり方は簡単よ、手から武器を出すイメージを頭の中でするの」
こうか...?
突然手から武器が出てきた
「おおっ...」
見た目はトライデントのようで、少し禍々しさも感じる
「それは悪魔槍、下位悪魔しか使えない武器よ」
「おおー!!!凄い!これがスキルか!」
魔法みたいのをイメージしてたんだが、これはこれでいい
しかも重くない!軽いぞ!
俺は大人ながら子供のように槍を振り回した
楽しい
俺は槍を振り回しながら進んだ
途中、キアリクに当たりそうになって怒られたが
無視して振り回した
「ねぇ、私との関係ってどう思ってる?」
なんだ突然、告白か?魔物だから性欲とかないから正直言ってお前には魅力は感じないぞ
「いやさ、眷属とか言っちゃったけど、これから恐らく長い旅になると思うの、だから親しい関係にしたいなって」
「告白か?答えはノーだぞ」
「ちーがーう!なんていうか、眷属とか硬っ苦しいものじゃなくて...友達とかにしたいなって」
なるほど、一理ある、そういうのはむず痒い気がして落ち着かないな
「じゃあ、相棒!...とかどうだ?」
キアリクの顔がこれまでに無いほど険しくなってる
やっぱり友達とかの方が良かったか...?
しかし、キアリクは顔を上げ、キラキラした目で叫んだ
「いい!凄くいい!そういうの本当にいいわ!!良すぎて泣いちゃうわぁ...」
「お、おお...」
予想以上の反応で驚きだ、『嫌だ!』とか言われるかと思ったが、嬉しそうで何よりだ
「じゃあ、これからもよろしくな、相棒!」
「うん!相棒!」
まだ出会って間もないのに相棒ってなんか変だなぁ
ま、なんかしっくり来るし、いっか!
相棒となった俺たち、キアリクは余程嬉しかったのか
意味もなしに相棒、相棒と呼んできた
読んでいただきありがとうございます。
まだまだ勉強不足なところがありますが。
楽しんで頂ければ幸いです。
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