表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下位級の国  作者: ムヒ
第0章 開始
1/4

0話 開始の不協和音

ピピピピピピ......

目覚ましがうるさい...だが手を出したくない...

理由は寒いからだ...!

現在12月25日そう!クリスマスだ!

だがクリスマスと分かっていても寒すぎる、もう布団の中でクリスマス会しようかと思ったその瞬間

「こらー!目覚まし鳴ってるのになんで起きないのよ!」

まずい、来た、悪魔だ...!

「おりゃー!!」「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

なんて奴だ...!天国を一気に地獄に変えやがった!

「もう、寝でばかりだと会社遅れるわよ」「はいよ」

これが日常、なんてことない、普通の夫婦の日常


俺の名前は荒井岸野(あらいきしの)

苗字が名前みたいだって?そんなの俺の親に聞くんだな

今日の朝ご飯は目玉焼きとパン

「はい、あーん」「やめて?自分で食べれるからね?」

「もう照れちゃって////」「お前が照れてんじゃん」

こいつの名前は荒井恵(あらいめぐみ)

俺の妻だ。っていってもまだ結婚したてで

結婚式も開いてない、だけどいつものように俺に構ってくる、もううんざりして...

「あ!いま照れたでしょ!」「照れてな...

「うんざりしてるって思って自分をまた騙してるでしょ」

「...」 「図星ね」

ドヤ顔、自信満々なドヤ顔

こんな風に、俺の心を読んでくる。なんて奴だ...

...ま、これが良いんだけどね


「じゃあ、行ってくるよ」

「行ってらっしゃい!気をつけてね」


俺はいつも通り、家を出て、電車に乗って、ちょっと歩いて、会社に向かった。

普通の日常、良くもなく、悪くもない、どちらかといえば良い方か?

まあ、そんなのどうでもいいや。

だって、俺には大切なものがある。それさえあれば、もう満足だ、恵と、それと"もう1人"

え?結婚式開いてからが普通だって?早すぎだって?


...俺は常識には捕らえられたくない人なんでね



そして場所が変わり、恵へ

岸野の妻、恵は健康作りのために河川敷を散歩をしていた

その河川敷にてとある人物に出会った。

ホームレスである。しかし様子が変だ、

ずっと震えて、何かに怯えているようだ。


「どうしたの?」

「ひいっ!!」 男は今にも逃げ出してしまいそうな程

驚き、さっきよりも体を震わせ、怯えた

しかし恵はその様子を見て一切動じなかった

そして男に対し、優しくこう言った

「落ち着いて」

男は最初こそ怯え続けたが、次第に収まっていった

恵の声はまるで天使の子守唄のように優しく、美しい

男はまだ怯えているが、震えた口をゆっくり開け言った

「あ、あ、あ、え、ええ、お、お腹が、空いてき、きの、昨日から、あ、あ、何も、」

どもりながら男は言った。恵は、ちょっと間があいて、

そのまま優しく笑って言った。


「じゃあ着いてきてよ。奢ってあげるわ」


「えっ!?」

男は驚いたそれは怯えての驚きではなく、彼女の言った

一言に対しての驚きだった。

これは男が様子がおかしかったから。という訳ではない

誰だって驚くもの。

恵は困っている人を助けずにはいられない性格なのである

岸野はこの恵の性格に惚れ、恵と結婚することを選ぶ程

本当に天使のような性格なのだ

「ほら着いてきて!」

唖然としている男の手を握り、恵は男と一緒に食べる場所ヘ向かう。

「そういえば名前なんていうの?」

「え!?え、あ、赤木、赤木修斗(あかぎしゅうと)

「修斗くん!イタリアン料理は好き?」

「え、えええう、うん」


向かったのは、イタリアンレストラン

まだおどおどしている修斗を置いといて、恵は次々と

料理を頼む。

そして出されたのはヒザとパスタ、しかしどれも多すぎと言える程量がおかしい、修斗はまた唖然とした。

「ほら!これ全部奢りよ!食べて!」

恵は本当に優しい、天使のように、それはこれまでに助けた人達、ただ困ってる人や、どうしようもないバカヤンキーでも唸らせる程極端で優しい。

修斗は最初こそ怯えてたが、次第にスムーズに食べるようになった。

その様子を見て恵は何か食べる訳でもなく、ただ見ていた

しかし見ている顔は笑顔。

誰もが惚れてしまうような笑顔だった。

しかし突然、修斗の様子がおかしくなる

「あ、なんだお前!これは僕んだ!やめろ!」

急に修斗が叫んで料理を守る体制になった

しかし周りは誰もいない。明らかにおかしすぎる。

だが恵はその様子を見て何も疑わない、

久しぶりにこんな所に来たもんだから、嬉しいんだと思うだけで。その様子に対してなんの疑いもなかった。

そして修斗が叫びながらようやく食べ終わり、帰ろうとしたその瞬間。


「う、ゲェェェェェェ」 なんと吐いてしまったのだ。

「あら、食べ過ぎたのかしら、大丈夫?」

その様子を恵は心配した。

しかしその瞬間。修斗は血相を変えて恵を睨み、こう言った

「ど、毒が入ってたんだな!僕のことを殺しにきたんだ!」

急にとんでもないことを言い出した、息が荒くなってる。

「え、ええ!?違うわ!」

恵は必死に弁解しようとするが、修斗は聞いていない

「問答無用!殺られる前に殺ってやらぁ!!」

近くにあったレンガを思いっきり振り上げ、

狙った先は


先程料理を奢った恩人の。

荒井恵の頭だった。



俺は仕事を抜け出して、病院へ向かっている。

訃報を聞いた、恵が頭から血を流して倒れてたと聞いた。

聞いただけだ、恵が死んでるかなんで、有り得ない

有り得る訳がないんだ、あの優しい恵が誰かに殺されるなんて、有り得る訳がない。

俺はそのまま恵の病室へ飛び込んだ、

有り得る訳が...


目の前にあったのは。布が被せてある"何か"

「...これは何だ...?」俺は落ち着いて看護師に聞いた「...恵さんです。」そうか、恵はいるんだ、この布の下に

恵め、顔を覆いながらだと息しづらいだろう。

俺が直してやるからな

「あっ見ない方が...!」看護師の一言は遅かった

もう、布は直した。これでちゃんと息できるだろう。

「...恵?」俺が恵だと信じていた"何か"は

恵とは程遠い顔をしていた。

顔の半分がないじゃないか、これは恵か?息もしてない

「...これは、新手の芸術作品か?」

俺は優しく笑顔で看護師に聞いた。そうだ、そんな訳

これが恵なんて...

「恵さんです。」 「...え?」 「恵さんです。」 「...恵?」

「恵...恵?恵..!恵!恵!恵か!?恵なのかよ!!」

「恵が!恵が!恵が!俺の!俺の恵が!!恵がああああああああああああああああああああああああああああああああ」


その後のことは俺は覚えていない。何かが俺の中で切れて

何か凄く大事なものを無くしたようなものだった。

だが、1つ言えるのは。


恵が死んだ


という事実だけは分かった


俺は今、恵を殺した赤木修斗という奴の裁判にいる

こんな奴、死刑に決まっている、死刑じゃなきゃ気が晴れないってんだ


しかし、判決は予想外かつ酷いものだった


「判決、被告人心神喪失により、"無罪"とする」


「...は?」


赤木修斗は、障害を持っていたのだ


「ふざけるな!!そいつは!!俺の最愛の妻を殺したんだぞ!!」 「...静粛に」


「静粛に出来るかァァ!!もうなんだっていい!そいつを殺させろ!!殺させろ!!」


「岸野さん!もうやめてください!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

泣いた、俺は泣いた、こんなのあんまりだ...

心神喪失?そんなの関係ないだろ?だって人を殺しているんだ、それも俺の妻を、だが法律は俺を許さなかった

検察官から、法律では知的障害者は裁けない

変わりに赤木さんは、病院で一生保護される。

と説明を受けたが、俺は何も聞かなかった。


その夜も、俺は泣いた、そして憎き赤木のことを思い出してこう決意した。

「赤木...絶対に殺す...俺の手で、俺が、絶対に...!」


次の日から、俺は赤木を殺す為、色んな手段を使って

赤木の居場所を突き止めることにした。

いつか、財布の中身が空になった、そこで俺は家を売った

もう、恵がいない家に住む必要はないからだ

そのまま俺はホームレスになっても赤木の居場所を調べた

時には闇金に頼ったり、裏の世界での情報屋に聞いたりもした。

そして遂に、赤木の居場所を突き止めることに成功した

俺はその病院に入るため、清掃員の仕事をすることにした


中はホコリひとつない綺麗な場所だった。

こんな所に恵を殺した奴がいるなんで...

そう思って、赤木に対しての憎しみが増加したその時だった


「おい!これは僕のだぞ!」


「!!」


いた、赤木修斗だ


すぐさま俺は持っているナイフを手にして赤木がいる部屋に入った。

顔が綺麗だ、どこにも傷が付いていない

俺の恵は顔が半分無くなったがな!!!!


「赤木ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!」

「!?なんだ!」

「殺す!!お前を殺す!!」


俺はそのまま赤木に急接近した、本当はあいつの顔をめちゃくちゃにしてやりたいが、それではもしかしたら殺りきれないかもしれない。俺は確実にやりたい、その為に狙うべき部位は


首だ


「うぉぉりゃァァァァァァァァァァァァ」

首との距離約30cm!殺れる!殺ってやる!!

そのまま俺は赤木の首へナイフを振った。


しかし、しくじった、狙いを

外してしまった。

しかも腕の方にナイフを刺してしまった。

『抜けない...!これではやばい!!殺れない!!はっ!!』

上を見た、赤木が血相を変えて睨んでいる、

そして赤木は食器用のフォークの先を下に向け、縦に持った

そして赤木は叫ぶ

「今!殺すって言ってきた!ナイフを振って!!もう殺られるなら殺ってやる!!死ねぇェェェ!!」

赤木はフォークを俺の喉に思いっきり突き刺した

「あ"あ"ぁぁぁあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

首から穴が空いた事がすぐに分かった。首から空気が抜けて、息ができない、力がでない、やらかした、殺れなかった、


ああ...俺はもう死ぬんだ


そう悟った瞬間、俺は何かを思い出した


そういえば...なんで俺は赤木を殺そうとしたんだっけ?

そうだ、恵だ、恵が恋しかったから、あいつに恵が殺されたからだ。

だが恵はそんなこと望んた事があっだろうか...?

少なくとも、恵は優しいから復讐なんて望んでないのかも...

ああ...俺は哀れだったんだ...ずっと、恵がいないから

ただ気を晴らしたかっただけなのに

静かに暮らせば良かったのかもしれない...

なんでもない、新しいただの日常を...過ごせば...


...そんな事後の祭りか...だが1つ思う事があるとすれば


―「赤木...!お...まえ...を...生まれ...変わっても...殺しに行く...!どんな姿に...なろ...うとも...絶対...に」


俺は、そう、言い残して





死んだ





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――












「はっ!?!?はぁはぁ...」

なんか凄く怖い夢を見た気がする...

....ってここは...?


見渡すと、そこは森の中。しかし見たことない草木が

沢山ある。?マークみたいにねじ曲がった木...ツボみたいに太い草...

「...なにここ...」

何が起こったのか全く分からなく、呆然としていると





「気がついた?」



「うわぁぁぁああああああああああああああああああああ」



急に蝶のようなものが目の前に現れたかと思うと、

俺はその姿にまた驚いた。

「...妖精?」



「違うわ!"大"妖精よ!だ!い!妖精!」


「え、ええええええええええええええええ!!!!!!!」




どうやら俺、荒井岸野は


異世界転生とやらをしてしまったようだ...




その様子を見て、その"大"妖精とやらは腕組みをして

態度をでかくして言った

「何怖がってんのよ、私からしたら、あなたの方が怖いんだけど?」

は?なんで?もう妖精が出た瞬間に非現実的なことなのに

「は?え?俺は何になってる...?」


「え?自分の姿が分からないの?ちょっとまってね...」

大妖精は、なにかを探し、出して来たのは鏡だった

そしてその鏡を、ドン!!と効果音がなるような感じで出てきた



俺はその姿を見て、更に混乱した。



俺の体は、



悪魔になっていたのだ!!




「はぁぁぁぁぁぁああああああ!?!?!?!?!?!?なんだこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」





どうやら俺、荒井岸野は


異世界転生をして、悪魔になってしまったようだ...





初投稿です。

まだまだ勉強不足なところがありますが。

楽しんで頂ければ幸いです。

感想や、アドバイスなどあれば遠慮なく言ってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ