街と屋台と優しさと
二人は学園から一番近い街に到着した、ランはこの街に何度か来たことがある
この街は学園から歩くと少し時間がかかる位置にあるのと、基本的に生活に必要な物は支給される
それ意外で必要なものは学園内にある売店で事が足りるているので外に買い出しに行く事自体が稀だった。
久しぶりに見る街はランにとって、とても賑やかで色んなものが目に映る
ランはキョロキョロしながら街の中心にある道を歩いていた。
(あーあのお店飲み物売ってる!美味しそう!!あっちは美味しそうな串焼き!)
ランの目に止まったのは屋台の飲み物売り場、好きな果物を選び、氷と一緒に砕いて器にいれ
ミルクを注いで混ぜる、好みで蜂蜜を混ぜても良い。まだ明るく暖かい時間の今飲むと丁度いい冷たさだろう
(うーん一応お小遣いは持ってきてるけどー・・・師匠にあれ飲みたいとか言ったら
怒られるかなあ遊びじゃないんだぞ!とか言われるかも
・・・・うーんでも美味しそう)
レイの後ろをしっかりついて歩きつつも、もう頭の中は美味しそうな飲み物の事でいっぱいだ
ランが言うか言うまいか悩んでいると、ふと前を歩いているレイが止まった。
気持ちが飲み物の屋台に向かっていたので危うくぶつかりそうになる。
「わわっ!師匠急に止まったら危ないよ!」
と、レイに声をかけた。レイは振り向きながら
「ランお前、あの飲み物が飲みたいんだろう。」
思わず、えっ!と声が出そうになるランだったが、レイにバレていたなら仕方ないと
「そ、そうなんです!買ってきても良いですか?」
と言いつつランは自分の荷物からお財布を取り出そうとしていると、レイはスタスタとその店の前に歩いていった。
「いらっしゃいませー!」
屋台のお姉さんが笑顔で対応をする、レイは顎に手をあて少し考えると数種類並ぶ果物を指しながら
「その赤い実とそちらの黄色い果肉のと、あとその白い果肉の果物を、蜂蜜も少し入れてくれ。」
「はい!ありがとうございます!」
テキパキと素早く飲み物を作る店員、ランはお財布を取り出してレイの後ろに並んだ。
レイは注文した飲み物を受け取り、そのままランの目の前に出した。
「え?」
「どうした、これが飲みたかったんだろう。」
ランは飲み物の入った容器を受け取り、中を覗くと自分が好きな果物が入った飲み物になっている
「あっ!お金!」
とランはレイを見上げると、レイは既に支払いを済ませていた。レイは他の客の邪魔にならないように少し移動してランを見ながら言った
「お前は私の事を何だと思ってるんだ?必要な物、欲しい物があれば私に言え、私はお前の保護者なんだぞ何を遠慮することがある」
「あ、ありがとう師匠…」
上目遣いで自分の好みをバッチリ把握してる師匠を見つめつつ、飲み物を口に運ぶ
口の中には甘くてフルーティな味が広がり、砕いた氷が少し熱をもった頬を冷やした
(もう、師匠って時々優しい所を見せるんだよね・・・。ずるい。)
チラリとレイを横目で見ると。
「なんだ、飲み物は問題ないが、あの串焼きは駄目だ。さっき学園を出る時にちゃんと食べてきただろう。」
「ぶっ!?」
自分が飲み物と同じくらい気になってた串焼き屋台の事が気になっていたのもバレていたようで
慌てて器を持ち直し美味しい飲み物で恥ずかしい意識を誤魔化すランであった。
レイ・アルベルト【ランの師匠、ランの親代わり、割とお金は持っているタイプ】
ラン・メリール【レイの弟子、果物大好き】
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