学園長からの呼び出し
ランは学園長室の扉の前に立つとノックをしようとしたが、
ハッとし自分の身だしなみをパパパッと確認した、
(前に制服のリボンが曲がってる!って怒られたんだよね、よし!大丈夫!)
コンコン!とドアをノックすると、メラルドから『どうぞー』と声が聞こえたので
そっとドアを開けた
「ラン、急に呼び出してごめんね、ちょっと急ぎの話があって来てもらったんだけど。」
「急ぎの話??」
部屋に入るなり急ぎの話なんて言われたランは目をパチクリ、特に成績が悪いのと朝起きれない以外で思い当たることは無かった。
「ラン、お前には学園を出てもらう。」
唐突な言葉に自分の耳を疑ってしまったラン、プルプル震えながら
「えぇえーーー!!!?!?ボ、ボク追い出されちゃうの!?」
「ちょっとレイ!!言葉が足りない!!」
既に部屋の中で待ち、ランが部屋に入るなりビックリ発言するレイに向かって
メラルドは注意し、軽くため息をついた
「…コホン。まぁいいわ、ラン私から説明するわね」
レイとメラルドを交互に見比べながら、コクコクとランは頷いた
「自分でもわかってると思うけど、学園生活が始まって結構たつのに未だに基礎精霊魔法もちゃんと使えないわよね?」
ランはウッと声を漏らしたが、うんと素直に頷いた
「ランは私達二人が精霊と契約してるのを知ってると思うけど。基本は各地にある神殿に出向いて
精霊巫女の立ち会いのもと精霊と直接契約をするの。」
一呼吸置いてメラルドは続ける
「精霊と直接契約できれば、当然だけど契約した精霊の属性魔法を使いやすくなるわ。
ランがどの属性の精霊と相性がいいか、未だに不明瞭、だから各属性の神殿に行って契約できるか試してほしいの。」
説明を受けたランはうーんと唸りながら自分の頭で言われたことを理解しようとしている。
「もちろんラン1人で行って来いなんて言わないわ、レイが一緒についていくから」
「えっ!?師匠も!?」
驚いた顔でレイの顔を見ると、腕を組みながら
「なんだ、私と一緒だと何か問題でも?」
「な、ないです!ないです!!ボクが1人で旅なんて無理だもん!!」
ブンブンと首を振りながら否定をするラン、自分1人で神殿巡りなんてできるとも思っていない
メラルドは何枚かの書類をレイに手渡した
「これ、一応各種手続きの書類ね、レイ、貴女が保護者なんだからその辺は全部任せるわよ。」
書類を受け取ったレイは眉間に少しシワを寄せながら
「書類は面倒・・・まぁ、了解したちゃんと書くさ」
メラルドはうんうんと機嫌良さげに頷くとランに視線を送りつつ
「今日と明日、準備してもらって終わり次第発ってもらうわ、レイが一緒だから危ない事は無いとは思うけど、ちゃんとレイの指示を守って勝手なことはしないこと!いいわね?」
こうしてラン(弟子)とレイ(師匠)は旅に出ることになった。
登場人物
レイ・アルベルト【魔法学園教師、ランの師匠】
ラン・メリール【魔法学園生徒、レイの弟子】
メラルド・リーブル【魔法学園長】
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