表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/24

【第一章】1 配属

よろしくお願いいたします。

一か月後。

とうとう試験の日が来た。入学式の日こそ動揺していた一年生も自分の状況を受け入れ、勉強に励むようになり、あっという間に一か月が経過した。

「私どっちかな?個人的には武器で戦いたいから武装部隊が良いんだけどー…って翼紗聞いてる?」

「典花、ちょっとごめん」

ふくれる親友を気にも留めず、翼紗はある少女のもとへ駆け寄る。待合室に入ったときから気になっていた少女だ。

「あの…大丈夫?」

「は、はい!大丈夫なのですなのですなのです!?」

明らかに動揺を隠せていない。椅子に座り、ずっと何かをブツブツ呟いているのを見て、翼紗はこの少女の緊張の仕方が尋常でないことを気にしていたのだ。

「お、落ち着こうよ、そんなんじゃ実力を発揮できないよ?」

「はい…」

少し落ち着いたと判断した翼紗は自己紹介をし、その流れで生を尋ねる。

「わたくしは美空叶と申します。ご迷惑をおかけすることと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします」

深々とお辞儀をする叶。先ほどまでの焦りが見えなくなったことに翼紗は安心した。

『御神翼紗さん、お入りください』

待合室のスピーカーから入室許可の放送がかかる。

「あの、翼紗様!頑張ってくださいね!」

「あ、うん、ありがとう」

「翼紗―っ!頑張れーっ!」

「はいはい、ありがとねー」

それぞれの少女にそれぞれに見合った応答をして、翼紗は試験会場に入った。



三日後、結果が出た。

廊下に貼られた結果を見て、喜怒哀楽様々な声が上がる。

「…虹山典花・武装部隊…御神翼紗・魔法部隊…美空叶・魔法支援部隊……離れちゃったね…」

典花は肩を落とす。部隊が離れたことに落胆しているのはもちろんだが、それに加えて心配もしていた。

「武装部隊所属になったのは嬉しいけどさー、魔法部隊って狙われやすいって話だったよね。大丈夫なのかな…。私、翼紗のことちゃんと守れるかな?」

「何言ってんの。典花に守られなくても私は大丈夫だよ。それに、たとえ離れていても私たちが親友であることに変わりはないとかなんとか昨日言ってたじゃん」

翼紗の言葉に、典花の顔がパッと明るくなる。考えていることがとてもわかりやすい。

「そうだよね!私たちは親友で心友で信友なんだもんね!」

うるさいなー、と翼紗の顔が少し赤くなった。照れているのだ。

「まぁ、お互いに頑張っていこうね!つばs…」

『一学年生徒に告ぐ。部署に関係なく、武装し、講堂へ集合せよ』

典花の声にかぶせるように大音量で校内放送が流れた。

「…もしかして、さっそく戦闘発生だったりする…?」

苦笑いで言う典花に翼紗は、

「まさかね」

と呟くのだった。


ありがとうございます。感想をいただけますととても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ