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【序 章】2 覚えること

よろしくお願いいたします。

「急ではあありますが、これから話すことをよく聞いてください。特に新一年生」

マイクを握る先生の低い声に、一年生が座っているであろうスペースの空気が変わった。中には肩をびくりと震わせる生徒もいた。

講堂の中は冷たく重い空気で満たされ、二・三年生、教師の顔は真剣そのものだ。

「まずは入学おめでとう。あなたたちの入学を教師、先輩一同心より歓迎します。中には家族と離れて暮らすことに不安を感じている人もいると思いますが、これからの生活は私たちが責任をもって指導していきますので、安心してくださいね。これからの皆さんがどう成長していくのかが今からとても楽しみです」

おそらく学年主任的なポジションである教師がにこやかに挨拶の言葉を述べる。これまでの学校生活で何度か聞いてきたようなありきたりな言葉だ。だが、それを聞いている他の教師や二・三年生の表情は桜舞うこの季節には似つかわしくないような厳しく、恐怖すら感じさせるようなものだった。今の挨拶をした教師はよほど怖い先生なのだろうか。

「さて、前置きはこれくらいにして…。本題に入りますね。あなたたちにこれから覚えてもらうのは、まず武器の使い方です。身を守るために必要になりますので、真面目に取り組んでくださいね。次に魔法です。こちらは重要な戦力になりますが、敵に狙われやすいのと個人で実力に差がでてしまうことがあるのも特徴の一つです。そして、一か月後に実技試験にて武器と魔法のどちらを実戦で使用するべきかを確認します。いわゆる適性検査ですね。どちらにしても大切な戦力ですので、一か月という短い間ですが、両方に力を入れて励んでくださればと思います。また、検査の結果により、それぞれの部署に配属になります。そこからは部署によって様々な訓練がありますので、楽しみにしていてくださいね」

必要事項を言い終えると、教師はにこやかに微笑み壇上から降りる。ステージ脇に控えていたごつい体つきをした男性教師がマイクを握る。

「説明は以上だ。何か質問はあるか」

講堂内がざわつく。翼紗が周りを見渡す。泣き出す生徒、絶句する生徒、首をかしげる生徒など様々だった。ふと隣を見ると、典花はぼーっと前を見つめていたかと思うと、翼紗の視線に気づき、首をかしげてきた。どうやら理解できなかった様子である。

ざわざわとうるさい講堂内に大きな声が響き渡った。一年生の席に座っていた生徒が手をあげている。ベージュ色の髪を肩上で切りそろえ、ハーフアップにしているとても真面目そうな少女だ。

「わたしたちは普通の女の子です。これまでも普通に生活してきました。急にそのようなことを言われても信じられませんし、意味がわかりかねます。それから敵とは一体何ですか。」

一年生の気持ちを代弁したかのような質問だった。

「我々教師は入学試験前にお前たちの家に通知を送っている。それは、特殊な力によって厳選された生徒にのみ送られているものだ。つまり、ここに集まった生徒は偶然の同級生ではなく必然的にここに呼ばれているということだ。校則の通りこれからは敷地からでることは許されない。嫌でもこちらの言うことに従ってもらうことになる」

教師ははっきりと言い切った。

つまり、ここに集められた生徒は全員意図的に厳選されたものであり、これから先に自由はないということだ。学校帰りにクレープ食べて、カフェで友達と一緒に試験勉強をするといったことは不可能であると断言されたのである。この現実に一年生の席は静まり返った。

「説明は以上だ。続いて二・三年生、これを見てくれ」

教師の後ろにあったスクリーンに映像が映し出される。宇宙の映像だ。

「先日打ち上げた衛星のカメラに映ったものだ。これにより、宇宙に新たな星が誕生したことが分かった。そして、そこが悪魔の住処とこちらの世界を出入りできるゲートになっているものと我々は推測している。これから先、多くの戦闘が行われることが想定される。そのことを頭に入れておいてほしい。以上だ。二年・星塚、三年・御神は残れ。その他は解散」

「一年生は外に集合してください」

教師たちの指示に従い、動き出す生徒たち。その流れに逆らうように、二人の生徒がステージの方へと向かって行く。

「翼紗?どうしたの?」

「ううん、なんでもない」

大きな使命を持つ少女、御神翼紗は親友の典花と共に最初の一歩を踏み出すことになる。


ありがとうございます。感想をいただけますととても嬉しく思います。

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