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【序 章】1 入学

この作品は私が中学三年生の時にノートに書き溜めていたものを引っ張り出してきたものです。色々つたないところもあるかと存じますが、何卒宜しくお願い致します。

「ずっと誰かの力になりたかった」

彼女の想いは花吹雪と共に空高く舞い上がる。



四月。

私たちは慣れない制服を着て入学式に出席した。途中で眠くなったりもしたが、不安よりはるかに大きい期待が胸を躍らせる。

待ちに待った入学式。使命を背負った少女たちの入学が無事、完了した。

夜ノ花道高等学校は約200人の生徒が通う女子校だ。校舎が山の中にあるため、生徒は全員寮で生活することが義務付けられている。家族や学校関係者以外と連絡を取ることは固く禁じられ、学校の敷地内から出ることも許されないという、外の世界から隔離された学校である。昔外に出てしまった生徒は地下に監禁され今も帰っていないなんていう噂もあるほど、外部との交流に厳しい学校であると一部では有名だ。


「どうして入学できたのかな?……そう思ってるの?」

御神翼紗が隣の少女に声を掛ける。

「うん、だって変じゃない?入学試験っていっても、やったのは面接試験だけ。こっちの学力とかもわからないのにそれだけで合否決めていいのかなって」

虹山典花の口は止まらない。

「それに面接だってあんまり聞かれることもなかったし、ただずっと観察されてただけだったし、そもそも校舎が山の中にあるっていうのも入学するまで知らなかったから来てみてビックリしたし、何よりこれからお母さんに会えないとかもう寂しすぎてこれからが不安すぎるっていうか、え、夏休みには家に帰れるんだよね!?」

「いや、典花落ち着いて…。そんなに気になることたくさんあったなら別の学校に行ったらよかったじゃない。滑り止め、試験受けてたんでしょ?」

翼紗が苦笑しながら言う。ここまで一息で言い切った典花の肺活量は一体どうなっているんだなどと考えてしまう。

「だって翼紗と同じ学校に行きたかったんだもんー」

典花の頬がぷくーっと膨れる。かわいいなと思いつつ翼紗はふと姉のことを思い出す。

「私はお姉ちゃんに会いたかったから迷わずここを選んだけど、典花にはもしかしたらきついかもよ?」

「え、どういう…」

『全校生徒に告ぐ。直ちに講堂へ集合せよ。繰り返す。直ちに講堂へ集合せよ』

校内放送がかかった。二人は顔を見合わせた。

「えっ、何だろう?すっごいワクワクするんだけどーっ!」

「心配なさそうだね。…でも少し落ち着こうか?」

翼紗は飛び跳ねる典花の肩をポンと叩いた。



感想をいただけますととても励みになります。よろしくお願いいたします。

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