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アプリアル!(短編版)

作者: 華月蒼.

『あらすじだけ企画』(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/564079/blogkey/2688792/)参加作品です。

小説家になろう連載中(大幅加筆修正何なら再投稿予定)の本編→https://ncode.syosetu.com/n0311bv/

 舞台は、現実世界とは微妙に異なる歴史を歩んだ近未来社会。


 情報屋を営む兄弟、童顔低身長がコンプレックスなアルビノの兄・(あずさ)と弟の長身黒髪蒼眼に眼鏡の優男・(たちばな)

 彼らは依頼によって、不本意ながらも「アプリアル」を用いた当局非公式の新体制(ペア戦)での大会(アプリアルファイト)に出ることになってしまう。

 

 激しく特殊な戦争によりそれまでの超高度文明が崩壊し、人間が居住できる区域は多く失われた。そのため各国政府や電理研などの行政、通称「当局」は居住可能な地域・都市、そして人間を監理している。通信用端末、通称「端末(タンマツ)」の携帯は市民の義務であり生活手段である。市民は端末に「アプリ」というソフトウェアを入れることにより、豊かな生活を手にしていた。

 この「アプリ」には様々な性能を持つものがあり、通常のものはその端末内で機能を発揮・他の端末との連携をする。3年前、この「アプリ」が端末外に現実的な現象として危害を出す事件が発生。「アプリ」の機能により端末持ち主とその半径5kmが全焼、メディアにも取り上げられ社会問題となった。

 「電理研(電脳理化学総合研究所)」はそのアプリウェアを解析・研究。その成果として、端末内の機能に終始する「アプリ」と現実世界に影響を与える「アプリアル」の概念が確立した。

 

 「アプリアル」に対してはほぼ素人同然だった2人は、同業者で「戦闘用アプリアル」の専門家でもある(かさね)によって手ほどきを受ける。

 「戦闘用アプリアル」の適性が認められた梓と、適性が全くなかった橘は、それぞれのやり方で、大会へ臨む。

 

 大会を勝ち進む2人は、異国から来た準アルビノで「戦闘屋」のキョウ(鏡弥(きょうや))と金髪碧眼の美少女一般人、(はるか)と友人になる。

 しかし、更に勝ち進んだ兄弟の前に立ち塞がったのは、あろうことか累のペアであった。

 

 累に敗北した2人は、大会で優勝しなくとも依頼は達成できることに気が付き、戦闘を出来るだけせず依頼を達成するために動き出す。同時に、敢えて危険な大会への出場を促した依頼者への疑念が沸き起こる。

 

 依頼者が本当に欲していたのは「情報」ではなく、「別の世界(異世界)」へと渡る手段であった。兄弟は依頼者を諭し、大会から去っていった。

 

 

 その後、梓はひょんなことから当局御十一家の令嬢、九条院(くじょういん)紫杏(しあん)(準アルビノで特異体質を持つ)と友人になる。

 橘は自身のアプリアルの適性の低さからPCを用いたシステム「サプリサポート・フォー・アプリアル」を完成させていた。

 

 

 大会から数か月後、長い冬に入ろうかという頃。

 「エルフの末裔の少女」を捕らえる動きが裏社会で大きくなっていた。エルフは空想上の生き物ではなく、かつての戦争で召喚されてから、数は少ないものの実在する種族となっていた。

 兄弟はその噂を興味本位で調査していたところ、鏡弥と遥に突然押しかけられる。そこで2人は件の少女が遥であることを知る。

 さらにその情報を手に入れた累と、闇医者の真黒(まくろ)が来る。2人は遥が最も安全に「エルフ狩り」から隠れられる手助けに駆け付けたのだった。

 アプリアルでの攻撃によるエルフ狩りの妨害に遭いながらも辿り着いたのは、紫杏の屋敷であった。当局御十一家である九条院家の名のもとに狩りが中止されるまで、彼らは紫杏の屋敷で過ごし、友人のいない紫杏と友好を深めた。

 

 

 それからしばらくして、梓と橘は喫茶店を開くことになった。情報屋の活動拠点を固め、一般の客からも情報が入る環境を作り上げる。同業である累も拠点の一つとして気に入り、また戦闘屋である鏡弥も頻繁に出入りすることで防衛の面でも優れたが、兄弟の真の目的は、友人を作りづらい環境にある遥や紫杏に時折店の手伝い(バイト)を頼むことによって、社会的孤立から救うことだった。

 

 

 冬も本番になった頃。兄弟が営み始めた喫茶店に累が駆け込んでくる。長期に渡りそうな依頼が入ったが、どうしても心配なことがあり助けてほしいということだった。累への依頼の内容は、とあるゲームについての情報を詳細に渡って提供してほしいというものであった。一方の心配事は、累が故郷から連れてきた青年・(ぎん)のことだ。

 銀はこの町へ来てから、何年も目を覚ましていないという。眠り続ける銀を見て、兄弟は累に手を貸すことを決める。

 ひとまず依頼のゲームについて調べていくと、できるだけ多人数でゲームをプレイする必要があることが分かった。鏡弥、遥、紫杏、真黒を呼び出し、医者である真黒に銀を任せ、6人でゲームを開始しようとした。

 しかし、なぜかゲームの中の世界に入り込んでしまい、互いの意思疎通もほとんどとれなくなってしまう。そのゲームは、ミステリを基軸としたアクション要素のあるストーリーだった。

 アプリアルが使えることが分かり、ゲームをクリアし現実の世界に戻った面々を迎えたのは、目を覚ました銀の姿だった。

 

 

 店のバイトに銀を加え、梓と橘の兄弟、そして友人たちはこれからも、この街の表も裏も駆け巡っていく。


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― 新着の感想 ―
[良い点] SFをベースにした、とても面白い作品だと思います。展開も起承転結が綺麗に描かれていて、丁寧な印象を受けました。「異世界」「エルフ」など、今後の展開が機になるワードが散りばめられていてワクワ…
[良い点] これは大長編のはじめからおわりまで、というより、短編連作タイプの、もっといえばコミカライズ原作の第一話からいくつかのエピソードを脚本家したものという感じがしました。 万屋、探偵系のおしごと…
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