鏡が割れる前に
掲載日:2020/09/28
読んで頂けると嬉しいです。
疲れたら休もう。
いつの間にか眠れなくなっていた。
旦那がいる夜は。
そわそわして、磁石のN極とN極のようだ。近付くと離れる。
イビキも寝息さえも不快に感じる。耳栓をしたいくらいだ。
一緒の布団に寝るのが嫌で、子供と一緒の布団に寝た。
一緒の部屋で寝るのが嫌で、隣の部屋に寝た。
布団はないから、リクライニング出来る座椅子で寝ている。
子供が寂しがるから、引き戸は開けたまま。
いつの間にか朝には子供と狭い座椅子で寝ることもしばしば。
一体何をやっているのやら。
テレビに出てる専門家はよく言う。
『嫌ならそこから離れなさい。逃げなさい。』
どこに離れるの?
どこに逃げるの?
そんなとこ、どこにもないけど?
『ママ?』
娘の声にはっとする。
ドライヤーで髪を乾かしていた鏡の自分と目があった。
『もう見たいテレビ終わったから寝たい』
目を擦りながら、私に抱きつく。
『そうね。歯磨きしたら寝よう。パパは?』
『もう寝てる』
『そう…。一緒に歯みがきしよっか。』
『うん!』
娘と私は洗面所に向かった。
こんな日はいつまで続くのだろうか。
洗面所の鏡に写った私は、どこか目に力がなかった。
読んでいただいてありがとうございました。




