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鏡が割れる前に

作者: みぃこ

読んで頂けると嬉しいです。


疲れたら休もう。


いつの間にか眠れなくなっていた。

旦那がいる夜は。

そわそわして、磁石のN極とN極のようだ。近付くと離れる。

イビキも寝息さえも不快に感じる。耳栓をしたいくらいだ。


一緒の布団に寝るのが嫌で、子供と一緒の布団に寝た。

一緒の部屋で寝るのが嫌で、隣の部屋に寝た。

布団はないから、リクライニング出来る座椅子で寝ている。

子供が寂しがるから、引き戸は開けたまま。

いつの間にか朝には子供と狭い座椅子で寝ることもしばしば。


一体何をやっているのやら。


テレビに出てる専門家はよく言う。

『嫌ならそこから離れなさい。逃げなさい。』

どこに離れるの?

どこに逃げるの?

そんなとこ、どこにもないけど?


『ママ?』


娘の声にはっとする。

ドライヤーで髪を乾かしていた鏡の自分と目があった。


『もう見たいテレビ終わったから寝たい』


目を擦りながら、私に抱きつく。


『そうね。歯磨きしたら寝よう。パパは?』


『もう寝てる』


『そう…。一緒に歯みがきしよっか。』


『うん!』


娘と私は洗面所に向かった。

こんな日はいつまで続くのだろうか。

洗面所の鏡に写った私は、どこか目に力がなかった。


読んでいただいてありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] どこにでもある日常、そして多分同じ気持ちで過ごしている人も少なくないのだと思います。 妻を女性として認識できなくなった夫に対する妻の心の中身を鏡に例えてラストシーンに被せてくるところはさす…
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