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姫と蜘蛛の魔女

作者: 江菓

ある王国の国王夫妻の元に3歳年の離れた姉妹がいました。姉は勉強熱心でしたが、あまり容姿に恵まれずよくいじめられていました。妹は勉強が苦手でしたがその可愛らしい容姿と優しい性格で誰からも愛され、動物からも好かれていました。姉は自分より勉強のできない妹が可愛いという理由だけでチヤホヤされるのが納得いかず、妹を避け、さらに勉強に没頭していました。妹はそんな姉の気持ちを知らずに姉と仲良くなりたいと思っていました。そうして、姉の18の誕生日。姉はいつの間にか黒魔術に手を出しており、皆の前で悪魔の蜘蛛と契約し魔女となって暗い恐れの森に消えてしまった。妹は姉を失った悲しみにくれ、近くの湖へ寂しさを紛らわすためによく行くようになりました。湖で動物たちと遊んでいると近くを通りがかった隣国の王子様に恋をしてしまいました。


頭の中で考えた自分のお話を今年産まれたばかりのアヒルの子供たちに話す。湖の近くは動物達が集まってきて、妹、ミアの話に耳を傾けている。手の甲に止まっている一際小さな青い小鳥を撫でる。周りに集まった動物達を見ると話の続きが気になっているようだった。

「あーごめんね、この話の続きは今日から体験する予定なの。今日は私の18の誕生日だから、きっとこの話のいい続きが聞かせられるわ。」

そういうと動物達はわかったというように頷く。

「今日で私も18、成人になるのよ!今日はお城で盛大にパーティーをするってお父様も言っていたわ!とても楽しみ!」

ふふふっと笑うミアに動物達も安心する。3年前、失踪した姉カルーを思いここで泣きじゃくっていたミアを知っている動物達はミアが幸せそうなのが嬉しかった。

「今日のパーティー、本当だったらカルー姉様にも祝われていたのかしら…」

少し寂しそうな顔をするミア。動物達はミアに寄り添う。話せない分、体で表すしかないのだ。

「ありがとう。大丈夫!私はカルー姉様の分まで立派な女王になるわ!もちろん、女王になってもみんなとは遊ぶけどね!」

そう言って笑うミアを見て動物達は嬉しそうにしている。

「そろそろ帰らないと、ビンカに怒られちゃうわ!」

それじゃあまたねと動物達に別れを告げ、ミアは湖から城に帰っていった。

ミアはドレスに身を包み、18の誕生日を楽しく過ごした。ケーキを食べ、ご馳走を食べ、パーティーに来ていた人達とダンスをし、今は疲れてバルコニーで夜風に当たっている。

「ふぅ…楽しいけど疲れるな…」

独り言をつぶやくと手に違和感を感じる。見ると手の上には手のひらサイズの蜘蛛が乗っていた。

「わぁ!初めまして蜘蛛さん、あなたも私の誕生日を祝いに来てくれたの?」

蜘蛛を持ち上げ、顔の前に持ってきてそう声をかける。

「なわけないじゃない。本当、昔から頭の中お花畑なのは変わらないのね。」

「!?」

手の上に乗っている蜘蛛が急に喋り出す。その声は昔からよく聞いていた声だった。蜘蛛がミアの手のひらからわざと落ち、よく知る”彼女”の姿に戻った。彼女は魔女らしく箒に座り、足を組んで、宙に浮いている。

「カルー姉様!?」

「久しぶり〜ミア。誕生日おめでとう〜」

ヒラヒラとふっている手の爪には赤いネイルがされており、唇にも赤い口紅がさしてある。黒いドレスはカルーのグラマラスな曲線美を引き立たせている。顔は昔のカルーとは全く違うとても美しい顔になっているがミアと同じ青い目は変わらない。

「ありがとう、それよりもずっとどこにいたの!?私…心配したんだよ…!!」

「そりゃあ私の住処にいるに決まってるじゃない。馬鹿なの?てか、心配とか笑自分の将来の方が心配した方がいいんじゃない?」

ミアの心配という言葉を鼻で笑うカルー。箒からバルコニーに降りて、ミアの手を引いて中に戻る。

「カルー姉様?」

「あんたに私から誕生日プレゼントを用意したの、感謝しないさい。みんなの前で見せてあげる。」

フフフッと不敵な笑みを見せるカルーが会場に現れると空気が一瞬で凍りつく。

「はぁ〜い。みんな元気〜?」

「あ、あれ…カルーじゃないか…!?」

「う、嘘…」

「カルーは消えたんじゃ…」

先程まで楽しそうにしていた町の人達は口々に3年ぶりのカルーに対する言葉を並べる。国王夫妻はまるで蛇に睨まれた蛙のような顔をして先程から1歩も動かない。大きな声をあげたのはミアのメイド、ビンカだった。

「カルー様。ミア様から離れていただけますか。」

「あら、あんたは…ビンカじゃない。久しぶり〜、あんたミアのメイドやってたんだね〜。元主人の私が帰ってきたわよ?フフフ」

ニヤニヤとしながらカルーはビンカと話す。ビンカは苦虫を噛み潰したような顔をしている。ミアはカルーの魔法で無駄口が叩けないようにされていた。

「今の主人はミア様1人です。」

「あらそう、良かったじゃない。あんた、ミアのこと大好きだったのに私のメイドになっちゃって、嫌だったもんね。フフフ。」

ニコニコとしながら言っているがカルーの目は笑っていない。ビンカは怒っているのだろう、顔に怒りが見え隠れしている。

「今日はね、ミアに誕生日プレゼントを持ってきたの、フフフ!」

「誕生日プレゼント…?何が目的!」

「怒りすぎて敬語が抜けてるわよ、ビンカ。フフフ」

「うるさい!」

「誕生日プレゼントは〜これよ!」

そう言ってカルーは首に下げていた小瓶を取り出す。小瓶には明らかに人間が飲んではいけなさそうな緑色のドロっとした液体が入っている。

「これはねぇ〜、私の可愛い〜手下たちの毒と私の呪術で作った私特製の眠りの薬よ。飲めばすぐに眠りにつくわ、3日後には永遠の眠りにつけるの。いいものでしょフフフ」

「永遠の眠り…!?ミア様を殺す気!?」

「えぇそうよ。それ以外で何に使うの?これ、解毒薬はないけど、1つ弱点があるのよねぇ〜」

「弱点…?」

「そう、これを飲んで3日以内に真実の愛のキスをしちゃうと私の呪術が消えちゃうのよねぇ〜私、真実の愛とか大っ嫌いだから。私の呪術にそれがうつっちゃったみたい!お茶目よねフフフ」

無邪気に笑うカルー。しかし、周りはそんなカルーの空気とは雲泥の差と言えるほど重い空気が流れている。

「ってことで、はい、誕生日プレゼント!飲んでね、ミア。」

カルーは隣にいたミアの手の上に小瓶を置く。ミアは飲みたくないと思ったがカルーの魔法で体が勝手に動き強制的に飲まされてしまう。飲んだ瞬間、ミアはばたりと倒れ込みすやすやと寝息を立て始めた。死のカウントダウンがスタートしたのだ。

「ミア様!!!」

「ミア!!!!」

その場にいた全員が口々にミアの名前を焦ったように呼ぶ。全員の顔は悲しみと怒りが入り交じり歪んでいる。

「フフフ…アッハハハハハ!!!そう、その顔!お前らのその顔がどれほど見たかったか!!さあ、こいつが死ぬのを隣で指でもくわえて見てなさい!アッハハハハハ!!!」

カルーはひとしきり笑うと、箒に乗って暗い恐れの森に帰っていった。カルーが居なくなるとみんなはミアに駆け寄る。眠っているだけだが、3日後にはこの呼吸が止まると言われている。とりあえず、パーティーを終了し、ミアは自室のベッドに運ばれた。一連の様子を見ていたあの一際小さな青い小鳥が、ミアが好きな隣国の王子様の元へ飛んで行った。

一際小さな青い小鳥が隣国についたのは次の日の昼だった。隣国と言うだけあってとても遠い。しかも、一際小さな青い小鳥は他の鳥よりも少し弱く、長距離を飛ぶことは苦手だった。それでも昔怪我した自分を助けてくれたミアに恩返しをするため、ここまで飛んできたのだ。王子のいる部屋に飛んでいき、空いている窓の縁に止まる。王子はちょうど勉強をしていた。

「ぴよぴよ!」

「ん?これは、小さな青い鳥だ…こんにちは。僕はタイム。そんなに急いでどうしたんだい?」

「ぴよぴよ!」

「うーん…なんて言ってるかわからないなぁ…」

「ぴよ!?ぴよ…」

青い鳥は少し考えたあと、自身のくちばしをインクにつけ、絵を描き始めた。

「おぉ…すごい…」

タイム王子は驚いたがすぐに青い小鳥の書く絵を見た。

「この特徴的な形…隣の国か?」

「ぴよ!」

「王冠…女の子…もしかして隣国のミア姫のこと?」

「ぴよ!」

「これは蜘蛛…ドクロ…蜘蛛の毒で…この絵はベッドか?もしかして、蜘蛛の毒で今寝込んでいるのかい?」

「ぴよ!!」

「なんだって!?それは急いで行かないと!!」

そういうとタイム王子は肩に青い小鳥を乗せ、部屋を飛び出した。近くにいた王子の執事のパニュラに声をかける。

「パニュラ!今すぐ馬を用意しろ!」

「タイム王子、そんなに慌ててどうしました?」

「僕の初恋の人が今ピンチなんだ!」

「初恋の人…まさか隣国のミア様のことですか!?」

「あぁ、助けに行く!今すぐ行くぞ!」

「はい!」

パニュラは近くにいたメイドに国王にこのことを伝えるよういい、馬の元へタイム王子と共に向かった。馬小屋に着くと、白い愛馬にタイム王子が乗り隣国へ走り出す。その後ろを黒い馬に乗ったパニュラが追いかける。

途中馬の休憩を挟んだが何とかタイム王子達は朝までにミアの元へたどり着いた。そこで、国王から昨日のことを聞かされた。

「そ、そんなことが!?早くミア姫にあわせて下さい!」

「それが…昨日の夜にカルーがもう一度現れて眠っているミアを連れて行ってしまったんだ…カルーは『ミアの1番好きな場所に』とだけ言って連れ去ったんだが…恥ずかしながら私たちには皆目見当もつかない…」

「そんな…」

国王とタイム王子が肩を落としていると、肩に止まっていた青い小鳥が動き出した。

「ぴよ!!」

「ま、待ってくれ!」

タイム王子は国王に別れを告げ、タイム王子は青い小鳥を追いかけてあの湖に向かった。

湖につくと、湖の真ん中に木の板が浮いており、その上に眠っているミアがいた。

「ミア姫!!!!!」

「ぴよ!!」

「あらあら、随分早いお出ましで…」

「あなたは!」

横から出てきたのはカルーだった。カルーの周りには大小様々な大きさの蜘蛛が無数にいる。

「ひっ!蜘蛛!」

「フフフ…タイム王子、昔から虫が苦手だったわよね?特に蜘蛛が…この際だから克服してみたら?」

「う、うるさい!ミア姫を助けに来たんだ!」

「ふーん、まぁ助けたらいいじゃない。私の1番の相棒が倒せたらね♪」

「何!?」

カルーは湖の上を指さすと、先程まで明るかったはずなのに一気に暗くなり、恐る恐る上を見ると巨大な蜘蛛が巣を作っていた。蜘蛛は4つの赤い目でタイム王子を睨み、蜘蛛の6本のうちの2本は小刻みに動かされ、ミアの乗っている木の板に続く細い蜘蛛の糸を支えているようだった。

「ひぇ…」

「ぴ、ぴよ…」

「あらあら、ミアを助けるんじゃないの?へたりこんでたらあの子は倒せないわよ?フフフ!」

楽しそうに笑うカルー。震える手で腰につけていた剣を握る。意を決して、巨大な蜘蛛に切りかかる。

「うおおおおおお!!」

巨大な蜘蛛の赤い左目を剣で斬りつけると蜘蛛は痛がり、カルーが叫ぶ。

「いったあああ!!!!くっそ…なんで1番の弱点がわかんのよ!!!これだから王子様とか大っ嫌いなのよ!!」

蜘蛛の方を見るとミアの乗っていた板が湖に沈みかけていた。ミアの足は湖につかっている。

「ミア姫!!!」

タイム王子は剣を捨て、湖に飛び込む。沈みかけるミアを抱きかかえて、陸に戻る。カルーは相変わらず、左目を抑えている。ちらりと蜘蛛の方を見ると切った目の傷が少しずつ薄くなっている。カルーとこの蜘蛛は一心同体であり、カルー側に痛みがいく。そしてカルーが怪我した場所を魔法で治すと蜘蛛側も治るのだろう。

「ミア姫!ミア姫!」

声をかけるがやはり眠っている。青い小鳥がぴよぴよとこちらへ飛んできてミアの唇にもくちばしを当てる。

「こ、この状況でキスしろと!?」

「ぴよ!!」

青い小鳥は早くしろと言わんばかりにピヨピヨと鳴く。

「う…わ、わかった…ごめん…ミア姫…!」

ミアの唇とタイム王子の唇が重なる。タイム王子は耳まで真っ赤になっている。タイム王子がやってしまった…と頭を抱えていると、ミアの目がパチリと開いた。

「ん…?ここは…?」

「み、ミア姫!」

「えっタイム王子!?なんでここに!?」

「えっと、その、助けに!!」

「えっ、あ、ありがとうございます!」

2人はあたふたと立ち上がり距離をとる。それを横で見ていたカルーは声を荒らげる。

「なんだお前ら!くそ両片想いが!!!そういうもどかしいやつ大っ嫌いなんだよ!!!」

「カルー姉様!」

「うるさい!あんたの慕う姉なんざ、あんたが大事に育てられてる間に死んだんだよ!!!」

「そ、そんな…」

「綺麗な顔したあんたなんかに私の気持ちはわからないでしょ!!!私は顔が醜いからって理由で、周りからいじめられて、勉強をしないならいらないとまで言われたのよ!!!あんたが…あんたが何もせずに生きてるだけでチヤホヤされてる時に!!!私は…私は1人、部屋で勉強させられてた…話し相手は部屋にいる蜘蛛だけ…」

カルーは憎悪に満ちた目でミアを睨みつける。巨大な蜘蛛はいつの間にかカルーの後ろにいた。

「あんたが憎かった…!!顔が整ってるからって理由だけで…誰からも愛されて…!!!!私が手を痛めながら勉強している間もあんたは動物達と遊んで!!!!私の気持ちなんかなんにも考えずに『カルー姉様は頭が良くて羨ましいです』って!!!!私だって勉強なんかしたくなかった!!遊びたかった!!!あんたが私の楽しみ全部奪ったのよ!!!頭が良くて羨ましいなんて…私の事バカにしてんの!!??ふざけないでよ!!頭がいいのはあんたが遊んでチヤホヤされてる時に勉強させられてたから!!勉強させられてる理由はあんたみたいに顔が綺麗じゃないから!!」

カルーの目には涙が溢れている。カルーの近くにいた蜘蛛達はまるでカルーを慰めるように寄り添っている。

「ねぇ、知ってる?あんたが、父さんと母さんにかわいいかわいいった言われてた時、私がなんて言われてたか…」

「えっと…勉強頑張って偉いね、とか…?」

「そんな優しいこと言わないよ。『もっと勉強しなさい。あなたはミアみたいに可愛くないんだから』って言われてたのよ。」

「ひ、ひどい…」

「でしょう?悪気はないってわかってはいたけど、小さい子供にとって親の意見は世界の全て。親に可愛くないと言われれば私は可愛くないのだと自信を無くすのは当たり前よ。ねぇ、ミア。あんたは色んな人に可愛い可愛いってチヤホヤされて生きてきた。」

「うん…」

「でも、私は1人で褒められもせず親に否定されて生きてきた。あんたの今までの幸せは、私の人生を潰してできているって事、覚えておいて。」

「…」

「私は、あんたもあの国もあの国に住んでる奴らも全部大っ嫌い。一生かけて呪うわ。私の人生の半分を無下にしたあんた達を許すことは無い!」

「待って、カルー姉様!!」

そういうと、カルーは涙を拭って、蜘蛛たちと共に木々の影に消えていった。


『そうして、妹は王子のキスによって目覚め幸せに暮らしました。めでたしめでたし。』

パタンと絵本を閉じ、隣でまだ目を開けている可愛らしい女の子の頭を撫でる。

「めでたしめでたしじゃないわ…妹は幸せでも姉は幸せになってないわ…姉が可哀想!」

「フフフ…そんなことないわよ。このお話の姉は今、可愛い宝物とこうしてベッドで寝ようとしているもの。幸せよ。」

「このお話の姉はおばさんなの?」

「そう。妹はあなたのお母さん。」

「じゃあ、王子様はパパ?」

「えぇそうよ。」

「ママとパパは今どこにいるの?」

「・・・今は…お空の上かな…」

「なんで、私のこと置いてっちゃったんだろう…」

女の子はしゅんとする。

「私のこと嫌いになったのかな…」

「そんなことないわ。昔も今もこれからもずっとミアは、お母さんはあなたのこと愛してたわ。」

「ほんと?」

「えぇもちろん。私はお母さんの姉よ?ミアのことならなんだってわかるわ!さ、もう寝なさい。おやすみ。」

「うん!おやすみ!おばさん!」

女の子を眠らし、静かにバルコニーへ出て置いてある椅子に座る。バルコニーから見える昔住んでいた王国は全く別の国になってしまっている。

「カルー様。今日は冷えますよ。」

「ん?あぁ、パニュラか。大丈夫、魔女を舐めないで。」

「それは失礼しました。」

パニュラはカルーの隣に座る。パニュラは持ってきていたコーヒーを飲む。

「あれから5年ですか…早いものですね…」

「そうね…ミアが死んで5年、王国が戦争で他の国に飲み込まれて5年…長かったような短かったような…」

「ミア様とタイム様を助けられなかったのは私の失態です…」

「パニュラのせいじゃないわ。仕方ないこと。人は産まれて、生きて、死んでいく。これが自然の摂理だもの。」

「そうですね…」

「ほんとに、ミアはいつも大人しく死んでくれないわねぇ…1回目は呪ったのに真実の愛のキスで目覚めて、2回目は結婚式で刺客に狙われて私が助けてあげて、3回目でやっと死んだと思ったらこの子置いていくんだもん。ほんとに私の人生ミアに振り回されてばっかだわ。」

「フッ…嫌だ大っ嫌いだと言う割にカルー様はミア様を助けて、死んだ時もしっかり弔って差し上げて、ミア様が死んでまで守った彼女をしっかり育てている。嫌いは好きの裏返しとよく言いますし、本当はミア様が好きなんですね。」

「はぁ?バカ言わないでよ。好きなんじゃないの、これでも血をわけた姉妹だからよくしてやってるだけだし、私の手で殺そうと思ってたのに戦争なんかに巻き込まれて死ぬんだから!あの子をしっかり育てて、あの子をミアの代わりに殺す気なのよ!ふん!」

カルーは頬を膨らませる。パニュラはあの頃から少し老けたが、カルーはあの頃と変わらず美しいままだ。パニュラはそんなカルーに少しばかり惹かれている。しかし、この気持ちを伝えることはあの子が手がかからなくなってからにしようと誓っている。

「もう寝るわよ!」

「はい。おやすみなさいませ。」

「おやすみ。パニュラ、あんたも早く寝なさい。」

「はい、そうします。」

カルーはバルコニーから室内へ入り、寝ている女の子の隣へ寝転ぶ。パニュラは月を見ながら最後の一口を飲み干す。

「ミア様、タイム様、ビンカさん。今度は、しっかり私が2人を守ります。見ていてください。」

そう呟いてパニュラもバルコニーを後にした。

本当は投稿する気なんてなかったんですが友達に見せたら面白いと言われたので投稿しました(ちょろい)

みんなハッピーエンドですね!

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