一話目 橋からおちたら死にました
お楽しみいただけましたら幸いです
覚えているのは衝撃と、爆音と落下する感覚。
そのあと一瞬で全身が水に包まれて、水温を感じる事もなく俺は意識を手放した……
ああ、見たかったなぁ……
俺こと、碓氷陽六は、結局レンタルDVDショップで目当ての映画を借りても、そのDVDを見る事なく、現実世界とオサラバするのだった。
真っ暗の中、声だけが響いた。とても陽気な、撮り方次第ではうるさいと言われかねない声が
「いやぁ君は運がいい。偶然トラックに突っ込まれて、トラックが爆発して、橋から落ちて死んだなんて!」
いや、よくはないよね?え、そもそも誰?
「いいさ、なんだって偶然僕が通りかかったんだもの。君はこれから三流小説の主人公よろしく異世界に転生してもらう。もちろん、少しは力添えしてあげよう。君の持ち物や前世のスペックからスキルを抽出するんだけど…うわ、これ大丈夫かなぁ?まいっか、これしか出ないし。」
俺の目の前にAR表示みたいなのが現れる。
スキルウィンドウ
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[名前] ヨウム ウスイ
[種族]人族
[称号]他人
[スキル] 光剣術1 言語理解 フォース
[恩恵武器] ガラティン
[恩恵装備 ]エクストラポーチ 恩恵の指輪
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「ガラティンはエクストラランクの武器だからね。失くさないようにね」
そういって怪しい声の人は銀色の筒のようなものを投げ渡した。
ちょっとディテールが違うけどこれラ○トセイバーじゃ…
握ると黄色のビームが飛び出して見た事のある刃渡りで止まる
振るとお馴染みの効果音まで一緒だった。ブォンブォンいってる
「それは両末端に出力孔があるからね。気をつけて使うことだね」
あ、ほんとだ。悪役が使ってる両方からビームがでるタイプのラ○トセイバーだ。
「光剣術は、ぷぷ君昔からこの映画好きだったんだね!!普通の剣は振れないけど、ガラティンならイメージ通りに振れると思うよ」
「フォースはオマケだよ。君が知っている通りの力さ。訓練次第で出力も上がるだろう」
いや知ってても使ったこと無いんだけど…
「エクストラポーチは、わかりやすく言うならアイテムボックス、恩恵の指輪は自分の状態がわかるスキルウィンドウを出すのとエクストラポーチの管理ができるアイテムだ」
最後に腰にポーチと右手の人差し指にシンプルな指輪が出てくる。
「まぁ訳がわからないと思うけどね。一度死んだ君がもう一度生きれるチャンスだ。厳しいと思うけど頑張ってね」
ちょっとまっt……
言い終える前に世界が暗転して……
気がついたら水中でした。
「お、溺れるー!!!!!」
神さま。いきなり死にそうです。