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死んでみた

作者: 北風

思いついたものをそのまま書いてみた

俺三原紅夜は本を読むのが好きだ。

本を読むことによって、俺は物語を追体験できる。それが本などの活字を読むことによってできることだ。


その中でも最近はまっているのが異世界転生ものである。

あれの追体験は他とは違ったものがある。無双したり、ハーレム作ったり、チートしたりと、男にとっての理想がそこには詰まっていた。

なぜああいったものが流行るのか、それは先ほども言ったが、みんなが理想としているものが描かれているからだと思う。人の心の底にある英雄願望をあれほど刺激するものはなかなかないだろう。

例に漏れず、俺にもそういった願望はある。なので俺は異世界に行ってみようと思って行動することにした。


ここで異世界に行く方法というものを改めて考えてみよう。

1.異世界からの召喚に応じる

2.異世界からの召喚に巻き込まれる

3.神様に選ばれて、転移させられる

4.次元の裂け目に入ってしまう

5.死んで異世界に転生される

大体がこの五つに分類されると思う。そして、ここで重要になってくるものがある。


それは、自発的に異世界に行く方法は5番目の死んで異世界に転生するしかないことである。


さて、少し話が変わってしまうかもしれないが、皆さんは異世界に行ってみたいと思ったことはあるだろうか。まあこんなところで小説を読んでいるということは、願望はあるということにさせてもらおう。

では、なぜ行かない、行こうとしないのか。それは怖いからだ。みんな異世界に行きたいという願望はある。だが、それにはこんな言葉達がつくのではないだろうか。


「たまたま」「偶然」「奇跡的に」


気持ちはわからんでもない、偶然行けて、さらに行った先では夢のような生活が送れる。それほど素晴らしいことはないだろう。5番目の死んでいくにしても事故などの自発的でないものならいい、と考えているかもしれない。

たしかに、自発的に死ぬ。ようは、自殺するのは怖いかもしれない。家族にも死んだ後に迷惑がかかるかもしれない、何より痛いのは嫌だと思っている。


だが、俺はそんなやつらとは違う。本気で異世界に行ってやる。偶然なんかではなく自分の力で。

そう思ってからの行動は迅速に行った。オカルト関係の書物も読み漁った。そういった事例がないか探してみたりもした。

そしてある程度満足のいく結果がまとまった。ついに俺は異世界にいく。

まずは、自分の周りの環境を整えた。学校もやめてきたし、付き合いのあった連中との連絡も取らないようにした。

家族に関しても問題ない、先に異世界に送ってやることにした。思いついてからどれぐらいの縁戚までに使用か悩んだが、とりあえずはすぐに会える人物だけに絞った。大体20人位だったかな。

ついに条件は整った。俺の前には麻縄の輪あとはそこに首を通して椅子を蹴り飛ばす。それで俺は異世界に行ける。さあ異世界に行こう

後日のニュースでは一人の少年の行動が大々的に取り上げられていた。


-----------


次に意識が覚醒したとき、目にした光景に俺は歓喜した。

空中で光り輝く、魔法で作られているであろう光、そして外国人のように見える大きな女性俺の異世界転生は成功した。


しかし、なぜか俺の意識はそこでブラックアウトした。


次に意識が覚醒したとき、俺の望んだ景色はそこになかった。俺の前には鬼のような形相をした見上げるようなでかい男、周りは寺社仏閣を真っ赤に染めたような建物がある。

でかい男がしゃべり始める。

「罪状を言い渡す。貴様は己がゆがんだ望みをかなえるため、多くの人を殺め、世界の壁を強引に突破した。こんな事例はこれまでなく、またこれからも起こらないだろう。今回は特例で異世界の命を強制的に終わらせここに来させた。貴様にはこの地獄で永遠にとらわれるのがお似合いだ。貴様を地獄めぐりの刑に処す。せいぜい自分の所業を恨むことだ」


男の言葉が終わると同時に背後から無数の手につかまれる。抵抗してみるがびくともせず、俺は暗闇に連れ去られた。


目の前には真っ赤な世界。血の池に針山、そしていかにも獰猛そうな動物がそこかしこにいる。

目の前の光景に目を疑っていると、目の前に突然、小鬼が現れる。

「お前が、珍しく地獄めぐりの刑に処されたやつだな。おいらはお前への説明を任された者だ。簡単に説明すると、地獄めぐりっつーのは5つの地獄すべてを受けさせるってことだ。1から4の地獄を各1年ずつめぐらせ、最後は5つ目の地獄で永遠の苦痛を与える。まあ最後の地獄にいる奴はすぐ狂っちまうけどな」


よくわからないまま説明が続く。


「1つ目の地獄が魔物地獄、2つ目が飢餓地獄、3つ目が灼熱地獄、4つ目が極寒地獄、そして5つ目が無間地獄だ。せいぜい気張るんだな」

いうことだけ言うと、小鬼は現れた時と同じように突然消えてしまった。


どうやら面倒なことになってしまったようだ。せっかく異世界に転生できたと思ったら、これである。異世界への道は険し過ぎるんではないだろうか。

しかし、異世界への道を諦めるわけにはいかない。どうにか生き返る方法を探さなくてはいけない。取りあえずは地獄を見て回ってみよう。


新たな決意を胸に一歩進む。そうすると、遠くのほうにいた魔物たちが一斉に俺を認識する。

(やっちまったな、これは)

どうやら俺は安全エリアのような場所にいたらしい。よく考えればわかることだ。先ほど説明を小鬼から受けている間は何も起きなかった。説明を聞いているだけで精一杯だったから気付かなかったがよく考えれば違和感を覚えることだ。ここは地獄である、俺にやさしいことはないだろう。どうやら説明を受けていた場所だけは襲われないようにされていたようだ。

そこまで考えて一歩下がろうとするが、今度は壁があるような感覚があり、後ろに下がれない。

(つくづく親切じゃないな)

そんな悪態をつきつつ、周りを見渡す。そこには遠くから俺を囲むように進んでくる魔物たち。

俺を恐怖が包む。初めて見る魔物、それが害意をもって自分を見つめてくる。死の恐怖は克服したと思っていたが、まだまだだったようだ。若干の自己嫌悪に陥っているとふいに声が聞こえた。


<スキル 恐怖耐性:Lv.1を取得しました>


(は?)

急に聞こえた声に意識が持っていかれる。すぐに確認したいことが山ほどあるが、まずはこの状態から脱出しなくてはいけない。

これが俺の地獄での冒険の始まりだった。


-----------


俺が地獄に来てから何年たったのだろうか。少なくとも10年は立っているだろう。

ついに、ついにだ。俺は異世界への扉の前まで辿り着いた。

(この扉を開ければ、おれの望むものが手に入る)

初めて地球で異世界に向かうために死んだときと同じ、いやそれ以上の高揚感が体にあふれる。

これまでの地獄で得たスキルを使って異世界で成り上がる。

決意を胸に俺は異世界への扉を開ける。



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