表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/102

D-77:橋町⑥


D-77:橋町⑥



漆黒のタガーが踊るように風を薙ぐ。リンナにとって避けれないスピードではなかったが、それでもなかなかの手練れである。


「あらあら。お嬢様のくせしてなかなかやるじゃない」


紫の長い三つ編みの切れ長の目をしたその女はフフフと笑いながらそんなことを言った。


リンナも負けじと口角を上げて嘲笑する。


「あなたこそ、よくもまあ、かすりもしないのに振り続けられるわね。流石の戦闘慣れだこと、白狼の騎士さん?」


言い終わると同時に右腕を大きく振り上げる。相手の視線が自分の右腕に引き付けられているのを確認して、リンナは左足で相手の足を崩した。


「な──っ!!」


間髪いれず固く拳を握りまっすぐに放つ。


決める──!!


「──甘いわ」


ゾッとするような冷たい声。紫髪の女はリンナの拳を手で受け止めると、そのまま後ろへ受け流した。


受け身をとるのが間に合わず、リンナは背中を壁に強打する。


「あなたの拳には意思が足りない。私を倒す拳と、あなたを殺す剣技。はなから、話しにならないわっ!あっははははははっ!!」


再びタガーが荒れ踊る。今度は回避が間に合わず、左腕に傷が入った。


「ああっ……」


鮮やかな赤が脈をうちながら流れ出る。右手で抑えるも痛みが意識の邪魔をする。


「……あらあら、おしまい?なら、もう一度聞いてあげるけど、鍵はどこにあるのかしら?素直に教えてくれたら……そうね、一瞬で終わらせてあげるわ」


女は血のついたタガーをツーと嘗めて、気味悪く笑う。


「……わ…………ない……わ……」


「ええ?」


リンナは懸命に意識を保ちながら、ゆっくりと立ち上がる。


「終わらないわ!たとえあなたが私を殺しても、すぐにFやドッペルがやって来る。あなたに鍵は渡さない」


体がどれほど傷つこうと、その目は光を失っていなかった。よろめく体で、リンナはまっすぐに相手を睨む。


「……そう、じゃあ──望み通り殺してあげるっっつつ!!」


言葉と同時に突進。まっすぐ向かってくる相手を見ても、リンナは目を閉じなかった。


だから、その瞬間を見逃さなかった。


キィィイイインンンっっ!!!


金属と金属の衝突音。交わるは漆黒のタガーと白銀の剣。その剣の主は黒い髪に烈火の瞳──


「Fっ!!」


Fは軽く相手を振りほどくと、背を向けたままリンナに問うた。


「あれは誰だ?」


「わかんない。けれど多分、白狼騎士団の人で、なぜか鍵を狙ってる……」


「そうか、つまり──」


Fは剣を構え直した。


「《敵》だな?」


その後は一瞬だった。女のタガーは砕かれ、女自身は傷だらけ。大の字になって大きく呼吸する女の首もとに、スッ、とFは剣を突きつけた。


「吐け、てめえは誰で、何が目的だ?」


「ハハ……これほどとは……フフフ」


Fはさらにギリギリまで剣を近づける。


「……白狼騎士団第三部隊、副隊長、エレーナ・クリケット。ふふ、話しには聞いていたけれど、脅威なのは魔法使いだけかと思っていたわ。フフフ…… 」


「何が目的だと聞いている」


エレーナはそのまま、「あっはははははは」と笑うと、ゆっくりと目を閉じて大きな声で叫んだ。


「『音亡くして吼えろ、それが命令なれば、我等白狼はそれに応えるのみ』!!!」


叫んだ後も彼女は狂気を纏って笑い続ける。


窓ガラスが破砕した。


「な、何?」


「リンナ、下がれ。なにか来るぞ」


破砕と同時にエレーナの笑い声は止まった。むくりと何事もなかったかのようにエレーナは立ち上がった。その表情に生気はない。


「なんなんだよ、一体全体……」




こんにちは。ななるです。


最近いろいろな締め切りに終われ逃げるばかりです。

え?逃げれば勝ちですよね?


では、次回があればまたお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ