D-66:女子会②
D-66:女子会②
龍王祭………聞いたことがある。確かFのお父さんも参加したことがある闘いの祭典。武術、魔術、何でもありの野蛮で有名な大会。結構な強者が各地から集まるってきいたけど、ベルのお父さんって一体………
「ちなみに、今年の優勝者は“ドッぺル”て言う人らしいよ。写真で見たんだけど、Fにそっくりな人でね、本当にびっくり──」
「ええっ!?ドッぺル!?」
「え、知ってるの?」
ベルが不思議そうな顔で聞いてくる。
「知ってるもなにもFとドッペルは二人で問題屋をやってるのよ」
「ウソ!?でもこの間私がFのところにお邪魔したときはいなかったよ?」
町中を監視しているドッペルのことだ。Fとベルが知り合いであることを知ってるから当然ベルをノーマークにしておくはずがない。となると、わざと避けてるのかしら………?
「ねぇ、そのドッペルて人はどんな人なの?Fとリンナの友達なら私も友達になりたいな」
「と、友達なんかじゃ──」
そこでリンナはふと思い出した。ずっとずっと気になって仕方なかったこと。
「ね、ねぇ。もしかして私の勘違いだったらとてもはずかしんだけど、そそそその………」
「どうしたの?」
「え、Fとベルって、──どうなの?」
「どう、とは?」
う、ううう………聞くのが辛い。だんだん頬が上気する。
「だ、だから!Fとベルは恋仲なの?て聞いてるの!」
「え………?」
するとベルはキョトンとして数秒フリーズ。そしてすぐに腹を抱えてこの上なく可笑しいというようにけらけらと笑いだした。
「な、何がおかしいのよ!?」
「あはは………ごめんね。ふふ………もう、リンナったら!!私とFはただの友達だよ?」
「………本当に?」リンナ、疑いのジト目。
「本当に。」ベルは緑の双眼を真っ直ぐリンナに向けて答えた。
リンナは胸にてを当ててホゥっと息をつき安堵の表情。
するとまたベルが笑いだした。
「こ、今度は何がおかしいのよ!?」
「いや、だって、リンナは本当にFのこと大好きなんだって思って」
リンナの赤い顔がさらにもっと赤くなる。
「いや、ちがっ………違く、ない、けど──」
だんだん尻すぼみになるリンナの声。ベルはクスクスと笑って「かわいいね」と一言。
「もう、からかわないで!」
あははと楽しそうに笑うベルにつられて、すぐにリンナも一緒になって笑いだした。
日は既に大きく傾いていたが、まだあのオレンジの時間は始まっていない。
──────────────
「それじゃ、私、そろそろ帰るね」
そう言って私はリンナに手を振った。
「うん、またね、ベル」リンナも私に手を振り返してくれた。
リンナに背を向けて歩き出すと、「また遊ぼーねー!」とリンナのよく響く大きな声。私もつい嬉しくなってしまって後ろを振り向いて「うん、約束だよー!」と返してまた大きく手を振った。
そして再び私がテトラの方に向かって歩き出すと、黒い大きな蝶が私の前を横切った。
スタスタと歩いてそしてふと思い出す。
“恋仲なの?”
私はその声を振り払うように頭をブンブンと振った。
違う。私とFはまだ友達ですらない。
まだ?いや、友達になんてなれないよ………
“大好きなんだね”
なのに、なんで?なんで自分でそう言ったとき胸があんなに痛んだの?
強く冷たい風が吹きかかる。枯れ葉が何枚か舞い上がった。
だめ、考えちゃだめ──だって、だって私は──
♪♪♪──電話の音。誰からなんて見なくてもわかる。
「──はい、お父様。特に何の問題もありません。──はい、仰せのままに──」
蝶がまた、私の前を横切った。
こんにちは。ななるです。
次回も女子会ですよーー!
え?そっくり二人組はどうしたって?
ははは、ははは、ははははは♪(ご勘弁ください)
次回があれば、またお会いしましょう!




