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D-6:無限の魔力


D-6:無限の魔力


 魔法。それは、この世界に確かに存在する文明の光だ。定義などはない。そうなることは理解できるが、なぜそうなるかは理解出来ない、そういうものは大抵、魔法だ。


 魔法にも種類があって、人によって得意、不得意がある。詠唱魔法、魔方陣展開魔法、原始魔法、発展型展開魔法──数え出すときりがない。だが、どの魔法も多かれ少なかれ、必ず人の魔力に依存している。魔道具でさえそうだ。ほぼ全ての魔力は空気中から取り寄せるが、トリガーとなるのは人の魔力だ。


 人間の保持できる魔力には限界がある。魔法を使えば、当然、体内の魔力は減る。しかし、しばらくたてば、またもとの力が戻る。魔法を使い馴れていけば、それなりに保持できる魔力の量は増えていくが、『使えば減る』ということは変わらない。


 この世界の魔法は、これを前提に存在する。後は、ゆっくりと学んでいただけたらと思う。


 さて、今日もFの視点から物語は展開する。


─────────────


 道場から出発して約五分。まだまだ西の森は続く。


昼間なのに薄暗い。生い茂る木々。でこぼことした道。だが、別段進みにくいことはない。何に遮られることもなく、思い通りに真っ直ぐ進むことが出来る。


 どうやら、ドッペルが行った通り、全てがすり抜けるらしい。


「もう結構進んだと思うけど、まだフラッタの町には着かないの?いくらなんでも遠すぎるよね?」


「あ、悪い。反対方向だった。」


まだまだ、町へは遠いようだ。


─────────────


「まだ着かないの?まさかまた間違えたとか?」


「もうすぐだ。」


Fは無表情で答える。


最後に通ってから、もう半年以上経つのになにも変わっていない。懐かしい風景だ。昔、父と町に行くときは必ず通った道だ。間違えるはずがなかった。


確かこの辺は道が荒く大変だったけ。今は何ともないが。あれ?


Fはふと湧いた疑問をドッペルに投げ掛けた。


「こんな大規模な魔法、こんなに使い続けて大丈夫なのか?魔力が切れると、最悪死ぬと聞いたことがある。」


「あぁ、その点は心配しなくていいよ。」


ドッペルは無表情で答える。


「俺の魔力は尽きないんだ。」


なるほど、尽きないのか。なら、確かに魔力が切れることもないし、どんな大規模な魔法にも耐えることが出来る。なるほどなるほど──


「──ンなバカな!」


「あっはは。珍しく物分かりがいいと思ったのに、やっぱり気のせいだったようだね。」


まるで空飛ぶ目玉焼きでもみたかのようにドッペルを見るF。それを見たドッペルはまた吹き出すように笑った。


「尽きないものは尽きない。生まれつき、そういう体質だったのさ。無限の魔力の持ち主。そういっても過言ではないよ。」


えっへん、と声に出して胸を張るドッペル。Fは、もう全てが信じられないとでもいうように頭をおさえて考え込んでいる。


「あぁ、あれかな?──へぇ、割りとちゃんとした町じゃないか。」


─────────────


『Welcome  Flatta !』

二人は大きくそう書かれた門を通り抜けた。


ドッペルは立ち止まり、町を見渡て「いい町だね」と呟いた。


「平凡な町だ」

Fは前だけを見て答える。


「行くぞ。」


うん、と頷くドッペル。


リンナの屋敷まではもう少しだ。


こんにちは。ななるです。

この小説は、必ず定期更新にはなりません。

あらかじめご了承下さい。


最近、中途半端に終わることが多いですが、次回はどうなるのか?


次回、「パニックベアー」

次回があれば、またお会いしましょう!

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