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D-□:ハローウィンター!



D-□:ハローウィンター!



10月31日はハロウィン。冬を迎える祭りだ。


11月の間、ちゃんと冬がフラッタにも近づいてきますように、という願いが込められている──というが実際はどうかわからない。なにしろ祭り好きの平凡に飽きたフラッタ民のことだ。冬が大好き、というわけでもないだろう。


いや、例外が二人いたな。


「ハロウィンハロウィンウィンウィンウィンっ!」

「ハロウィンハロウィンウィンウィンウィンっ!」


「ええい、うるさい!エンもドッぺルも落ち着け!」


叱りつけてもバカ二人はなおらない。


先程来たリンナが二人を憐れむような眼差しで見ている。


「……どうやって頭をぶつけたらああなるの?」


いや、残念ながらぶつけなくても二人はああだ。


「二人とも狂うぐらいに冬が大好きなんだとよ。ったく、冬自体は一ヶ月も先だというのに」


へぇー、とリンナは適当に返事してコーヒーを一口。 


俺たちは今、カフェ「あまやどり」で、ハロウィンの仮装について話し合って──いこうというところだった。フラッタのハロウィンでは毎年、仮装大会なるものが行われる。仮装した状態で町を歩いているとハロウィン実行委員の人に声をかけられ、グランプリへの出場権がもらえる。そのグランプリで、見事優勝すれば豪華賞品が貰えるのだ。ちなみに、仮装しただけで誰でも声がかけられるわけではなく、厳正な審査のもと選ばれた十数名がNo.1を決めるグランプリに出場できるという。


「もう、二人とも、お店の中で暴れないでください!──あ、皆さん、良かったらケーキ焼いたのでどうぞ。ハロウィン限定で出す予定なんですけど、是非感想を聞きたくて……」


ここで看板娘・リリィの登場。

エンは光の速度でテーブルについた。


「うお、うまそう!流石リリィ、天才だな!」


「エヘヘ、ありがとう、エン君」


それはオレンジ色のケーキだった。カボチャがベースに使ってあるのか?


「かわいい!こんなかわいいケーキはじめてよ!早く食べましょう!」


おいリンナ、そう言いながらケーキを自分の目の前に持っていくな。


ケーキを食べながら話が進む。


「……今年の優勝賞品はね、タートネイクでとれた幻のカボチャ『ジャックオーランタン』なの。千年に一度なるかならないかと言われてる直径三メートルの化け物よ。私、どうしても食べたくて!」


といいながら、リンナはカボチャのケーキを頬張る。


「出来ることならお店でも使ってみたいです。きっと美味しいケーキが出来ますよ」


「リリィが欲しいなら俺も頑張るぜ」


「ということで!」


三人が一気に俺とドッぺルを見る。何だ何だ?


「この中の誰かが優勝したらリリィにカボチャを提供する、その上でカボチャパーティーよ!──あ、勿論Fにも料理してもらうんだからね」


今日全員を呼んだのはリンナだ。

まさかこんなことが狙いだったとは。


「あっはは。面白そう!ね、F?」


「え?ああ……」


まぁ、断る理由もないか。


「よし、やるならいっそ俺たちでグランプリ独占してやろうぜ!」


オー!!と固い誓いがここになされた──


──────────────────


──はずだった。


ハロウィン当日。


「……ああ、……わかった。……いいから、寝てろよ……じゃあな」


ガチャリ。


「リンナどうだって?」


「無理そうだってよ。熱が39度あるらしい」


「そっかぁ……エンさんも駄目だし、リリィはお店離れなれないし……俺たち二人だけだね」


そうなのだ。前日になって馬鹿二人が馬鹿の癖に馬鹿みたいに風邪をひきやがった。今朝一応電話をかけたが、やはり無理そうだという。


「仕方ないな、俺たち二人で勝つしかない」


うげっ!という奇妙な声をドッぺルが漏らした。


「それ本気?今の自分の格好見てから言ってよ」

「お前だけには言われたくねぇ!」


綺麗に丸い、黄緑色の知恵の果実……青リンゴの着ぐるみを纏ったドッぺルを指さす。 

くそ、肩が上手く動かねぇ……ぷっくりと丸い自分の外皮を呪った。その色は赤である。


「いやぁ、どうせリンナとエンさんが張り切るだろうからと悪ふざけしたのがダメだったね。青リンゴと赤リンゴで『ドッぺルリンゴーでぇーす!』なんて、今思えば何が面白かったんだろう?」


「……言うな……作るときはお前も楽しんでただろうが」


「Fほどでは無いけどね」


くぅ……その通り。


「でもさ、出来だけなら結構いい線いってると思うんだよね。もしかしたらいけるんじゃないかなあ?」


「そうか?……そうだな!ふざけてるけど、いけるぞ!」


「はぁ、思えば去年のリンナは熊のアレでしょ?そもそも期待すべきじゃなかったね」


「いや、あの年のリンナは優勝したぞ。トロフィー持って、わざわざ見せに来たんだ」


まさに森の熊さんだった。


「へぇ……それなら、なんかいける気がしてきた!」


「な?よし、外行こうぜ!」


「絶対優勝!」


「エイエイオー!!」








……結果。家を出て五分で白狼騎士団に不審者扱いされて捕まりました。

こんにちは。ななるです。

ハロウィンハロウィンウィンウィンウィン!

ハロウィンハロウィンウィンウィンウィン!

ハロウィンハロウィンウィンウィンウィン!


そんな感じです。


リンナの熊のアレ、とは「クルマじゃないよ」をご覧ください。


では、次回があればまたお会いしましょう!

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