表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/102

D-44:クレアの依頼 ②



D-44:クレアの依頼 ②



バルスチアが問題屋に依頼しに来た日。


「クレアの様子がおかしいの!」


そう言われて、ドッペルがすぐに向かったのは、ある心当たりがあったからだった。


数時間前、バルスチアがまだ依頼しに来る前、ドッペルは徒然町の様子を見ているときのことだった。


バルスチアがフラッタ宝石店に入っていくのが見えた。


その時は何も思わなかったが、その後すぐにバルスチアが問題屋に依頼しに来たのだ。


しかも、偽りの。


写真で見たのはどう見てもブルーハイヒール。

ドッペルはそれを知っていたから、これは何かある、と睨んだのだ。


リンナに連れられて宝石店に入ると、ドッペルは目に入る全ての光景に驚いた。


物が散らかり足の踏み場の無い床。

叩き割られたショーケース。

床に散らばっているのはガラスなのか宝石なのかわからない。

そして、その端っこの方で笑いながら涙を流す崩れた女店主。


とりあえず、ドッペルは時魔法で何とかその場を片付けて、クレアのもとへと足を進める。


その途中に気づいた。

四つ、いや、五つか。

店の各所に彼自身もよく使う、監視魔方陣があることに。


下手に動けないと思い、監視魔法に引っ掛からないようクレアをただ看病しているように見せながら、魔法で語りかけた。


『ここは監視魔方陣によって見張られているから、変に動かないで。リンナも聞こえてるよね?これから、俺がここで何があったか推測したことを一方的に話すから、Yesは一回、Noなら二回俺の服を強く握って。いい、クレアさん?』


クレアはドッペルの服を一度強く握った。Yesだ。


『さっきバルスチアさんがうちに来てある依頼をしに来た。満月の日に怪盗が来て、青い牙という宝石が盗まれる。それを阻止して欲しいとのことだった。ただね、その青い牙というのがどう見ても、ここにあるはずのブルーハイヒールなんだよね。そこで考えた。クレアさん、ブルーハイヒールを盗まれたんだね?』


一度、ドッペルの服が引っ張られる。


ドッペルはそれを確認して、普通に声を出した。


「リンナ、水を持ってきて。クレアさん喉乾いたらしいから」


最初、リンナは何のことかわからなかったが、それがカモフラージュであることに気づき、即座に動いた。


ドッペルは魔法語りを続ける。


『慌てふためいたクレアさんは店が荒れるまで探していた。そこにバルスチアさんが来たんだ。おおよそこう言ったんだと思う。『次の満月の晩に一人で来い。誰かに言ったり、来なかったりすれば、石は……どうなるかわかるだろう?』内容はあってるよね?』


一度、さっきよりも強く。


リンナが水を持ってきた。

それをクレアに飲ませながら語る。 


『多分バルスチアさんはクレアさんを怪盗役にしようとしているんだと思う。問題屋はそれを見る役。クレアさんを悪者にして宝石店を──』


()()。強く首を振りながら。No。


ドッペルは驚いたようで目を大きく見開いた。


『Noか……わからないな。仕方ない、今日はここで切り上げて、明日の12時に広場に来て。監視があっても大丈夫なように準備しておくからさ。』


ドッペルは立ち上がろうとしたが出来なかった。


クレアが握ったままの手を離してくれないのだ。


ただ、声を殺して泣くばかり。


ドッペルはそっと、クレアの耳許で魔法じゃない、本物の声で伝えた。


「……大丈夫。問題屋に任せなよ。依頼はブルーハイヒールを取り返すこと。ちゃんと報酬はいただくからね?」


ギュッと一度、クレアはドッペルの服を掴んで話した。



こんにちは。ななるです。


9月になりました。

そろそろ涼しくなって欲しいものですが、全く。秋のヤツは何をやってでしょうね。


さて、だんだんと50話に近づいて参ります。

企画開始も近づいて……まだまだ募集中です!


次回があれば、またお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ