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D-42:怪盗アレクの正体



D-42:怪盗アレクの正体



約束の日。


バルスチア・ジュエリーは閑散としていた。

店は臨時休業日。従業員も危ないからという理由でバルスチアが休ませている。


今店にいるのは俺とドッペルとバルスチアの三人だ。


「私は四階にいますから、何かあったら教えてちょーだいね」


本日のバルスチアは紫色のドレス。

ラスボス感が凄い。


朝昼と何も起こらなかった。

あまりにも暇でドッペルが大あくび。


「ふあぁぁぁ……。ねぇ、F。怪盗アレクはどうやってここまで来るんだろうね」


ここは三階。

黒い壁で覆われたバルスチアのコレクションルーム。

窓は一つもない。


俺は持ってきた木刀を弄りながら答える。


「さあな。普通にワープゾーンを使うか、床に穴開けるかだろう」


勿論、上から来ることも想定している。


「へぇ、普通だね。つまらない」


「普通でも、これ以外あり得ない」


ドッペルはクスッと笑った。


「なら、今のうちにワープゾーンを止めておいて俺が魔法で床と天井を強化しとけば、怪盗アレクは盗めない訳だ」


「そういうことだな。でもやるなよ?怪盗を捕まえることも依頼に入ってるからな」


ドッペルはもう一度大きなあくびをして「そうだった」と答えた。

俺もドッペルのが移ったのか、ふあぁぁぁ……。


時計を見ると午後八時を越えていた。

十分夜だ。


月は出ているだろうか?

ここは窓がないから外の様子が全くわからない。


「ドッペル、外はどうだ?」


魔法でフラッタ全体を()ることができるというドッペル。

リンナは気味悪がっているが──いや、十分気持ち悪いな。


「月が綺麗だよ。まん丸お月様。こりゃ、怪盗アレクもお月見中だね」


要するに何も起こってないのか。


ドッペルは立ち上がって「トイレ行ってくる」と言って消えてしまった。

ワープゾーンなんか使わなくてもあいつはワープ出来るのだ。


──ん?待てよ。


よく考えて見るとあるじゃないか、ここに入る方法が。


ワープだ。

ここに直接ワープしてくればいい。

あるいは石の方をワープさせればここに入らずとも盗むことは出来る。


早くドッペルに伝えないと。




──ガッシャアアァァァァンっっっ!!!!


物凄くけたましい破砕音。

まるで雷のような……そうか、硝子の割れた音だ。

おそらく四階の全ての窓ガラスが割られたのだろう。


取り敢えずワープじゃないことに安堵したが、バルスチアが危ない。


俺が木刀を手にとって進もうとした刹那──


──ガッシャアアァァァァンっっっ!!!!


今度は下からだ。

同じように一階か二階の硝子が割れたのだろう。


しかし、どういうことだ?

怪盗は一人じゃないのか?


「Fさん、そっちはどうです!?」


バルスチアがやって来た。

息を切らしている。とても慌てているようだ。


後ろに何人かの黒い服装の男たちがついてきている。


「突然四階の硝子がすべて割れましたの!私もう、びっくりして……でも誰も怪しいものは来ませんでしたわ──ああ、彼らは私の身を守るように雇った、ただのボディーガードですわ」


全員で10人。たくましい体つきだ。

胸ポケットに蝶のような模様が塗ってある。


「失礼、もしかしたら怪盗が変装している可能性もある。バルスチア、少し調べさせてもらうぞ」


と言って、俺はバルスチアの頬をつねった。

テレビで見た特殊メイクとやらでは無さそうだ。本物か。


「イテテテ……私は偽物等ではありませんわ!あなたこそ──」


イデデデデ……。





──パッ。





急に明かりが消えた。

窓の無いこの部屋では何も見えない。


「まずい──」


何者かの気配がする。

おそらくワープゾーンを使って下の階から入ってきたのだろう。

しかし気配はしても何処にいるかわからない。

集中しろ……。


「何しているの!?早く明かりを!」


バルスチアがボディーガードに怒鳴る。

しかし誰も見えていないのか、それともどうやって明かりをつけるか知らないのか動けていない。


「もういいわ!──皆さん、ショーケースから離れて。早く!」


何だ?一体全体どういうことだ?


黒いボディーガードたちは素早く動いているようだ。

暗さは問題ないらしい。魔法が使えるのか?


よくわからないが従うしかない。


俺がショーケースから離れると同時に、すれ違いで進んで行くものが!


くそ、やはり居たか──


──ドンッッッ!!


一瞬の閃光。弾ける火花。届く熱線。


ショーケースが、爆発した?


さっきケースに近づいた怪盗は爆発に巻き込まれたようで「うう……」と呻き声を漏らしている。




明かりがついた。




だんだんと目が慣れてきた。


ショーケースの残骸が煙をあげている。

爆発したのは本当のようだ。


その横に倒れて呻き声をあげている人影一つ。


俺はその事実に声を失った。


バルスチアがニヤリと笑った。

そのまま、低い声でその人物に問う。


「──全く。どういうことか説明してもらえるわよね──クレア・ハイヒールさん?」


怪盗アレクの正体。

それはフラッタ宝石店店主、クレア・ハイヒールその人だった。




こんにちは。ななるです。


怪盗アレク、遂に登場しましたね!

正体については名前から気付いていた人もいるんでは無いでしょうか?


さて、次回。「あれ、クレア?」ごめんなさい、ふざけてます。


次回があれば、またお会いしましょう!

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