D-40:バルスチア・ジュエリーにて ②
D-40:バルスチア・ジュエリーにて ②
俺とドッペルは今、バルスチア・ジュエリー従業員コルネに店内を案内されている。
「まずはそうですね……この店の構造からご説明しましょう!全部で四階建てのこの店は、一階は販売フロア。二階は買取とリペアの受付カウンター。三階は社長のコレクションルーム。四階は社長の所有する、言ってしまえば家ですね。それぞれのフロアにいくにはワープを使います──こちらへ」
そう言ってコルネは薄い板で仕切られた二つの小部屋の前に俺たちを案内した。
「こちらが二階へ通じるワープゾーン。反対にこちらは三回へ通じています。どうぞ中をご覧ください」
中を覗くと、床に円形の模様が描いてあった。
「あれを踏むとワープするんだよ」とドッペルが教えてくれた。
「四階へは?」
「一階、二階からは行けません。三階の特別なゾーンを用います」
「コルネさんは四階に行ったことあるの?」
ドッペルは何気無しにきく。
「ありますよ。社長が従業員を誘ってホームパーティーを開くのですが、大抵会場は四階なんです」
ホームパーティー……ずいぶんと仲がいいんだな。
「へぇ……バルスチアさんのことは好き?」
「もちろん。おそらく従業員全員が社長を尊敬していますよ。確かによくない噂をきくことも多いですが……少なくとも身内にはとても優しいです。離れて暮らしているご家族にもよく会いに行かれているようですし」
よくない噂か……一体どんなのだろう。
コルネは生き生きとした声で語る。心から信頼しているのだろう。
「──では、次はこちらへ」
次にコルネが案内したのはカウンターの奥、店の裏側だ。
「一階には三ヶ所入り口があります。一つがF様たちが使われた徒然町に面した入り口。二つ目はドラゴンロードに面した入り口。そして三つ目がそこの裏口です。裏口は隣の建物との間に面しています。私たち従業員は基本そこを使うようにしています」
店裏はちゃんと掃除はされているが、さっきほどの華やかさは無い。
「裏口から順に“男子更衣室”“女子更衣室”“休憩室”となっています。一応覗かれますか?」
ドッペルがニヤニヤしながら囁いてくる。
「ほら、行ってきなよ。女子更衣室!」
俺はドッペルの首を絞めながら「休憩室だけ見せてくれ」と言った。
次に案内されたのは二階。
初めてワープゾーンに乗ったが思えばワープ自体はしたことがあるので、そこまで驚くようなことはなかった。
二階の内装は割りとあっさりしていた。
目の前に見えるのは大きなL字型のカウンターだけ。
「二階は先程説明した通り、買取とリペアの受付カウンターとなっております。そちらが買取、こちらがリペアです」
と言ってコルネはL字の縦と横を指差した。
「後ろ、私たちが今通ってきたのが一階へ通じるワープゾーン。もう一度乗ると一階に行けます。左が三階に通じるワープゾーンです。一階の時は言い忘れていましたが右がトイレです。トイレは一階と二階しかなく、三階にはありません。従業員もそこを使います」
では、こちらへ──と言ってコルネは俺たちをカウンター内へと誘導する。
カウンター内では宝石のカットやアクセサリーのリペアが行われていた。買取の方は今は利用者がいないから暇そうだ。
俺たちは奥の扉の向こう側へと足を進めた。
「ここは保管室。三階にも同じような部屋があります。お客様から預かったアクセサリーや取り寄せた石、未発表の商品などをここで保管しています」
室内は薄暗く、独特な臭いがした。何かの薬品だろうか。
湿度、温度共に低めに設定してあるらしく少し肌寒い。
「私は売り場担当なのでそこまで詳しくありませんが保存環境は社長自らが徹底して管理なさっているそうです。──では三階へ参りましょう」
こんにちは。ななるです。
この部分、実はカットしようと思ったのですがFとドッペルの会話などが気に入っていたのでUPしました。
バルスチア・ジュエリーにて、は次で終わる予定です。
さて、次回。の次はそろそろ問題解決に向かいます!
次回があれば、またお会いしましょう!




