D-37:クレアの青色ハイヒール問題
D-37:クレアの青色ハイヒール問題
「ちょっと来て!クレアの様子がおかしいの!」
息を切らしてやって来たリンナ。
ドッペルは特に動じること無く、すっくと立ち上がり、
「F、お金のこと任せるね。俺、ちょっと行ってくるから」
と言って、リンナと共に出ていってしまった。
突然のことで何が何だかわからなかったが、取り敢えず俺は建設中のお札タワーを完成させることにした。
※良い子の皆はお金で遊んではいけないよ!
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ドッペルは一時間くらいで帰ってきた。
「いやぁ、急いで行って損したよ。クレアさん、ただの食あたりだ」
大きくため息をつくドッペル。何を期待していたんだよ。
「俺は回復魔法はそこまで得意じゃないんだけど、何とかうまくいったみたい。今はリンナが様子を見ているよ」
ほう、リンナが……あ、そういえば。
「リンナとクレアは知り合いだったんだな。俺は全く知らなかったが。一体全体どういう繋がりなんだ?」
「ああ、俺もさっき聞いて驚いたよ。クレアさんの店『フラッタ宝石店』は、代々フラッタ家の御用達なんだってさ。それでクレアさんとリンナは小さい頃からの友達なんだとか」
御用達……たしか問題屋もそういう扱いになんだっけ。
「しかし、クレアは何を食べて腹を壊したんだろうな。そう簡単に体調を崩すようなやつには見えなかったけどな」
「さあね。リンナの手料理でも食べたんじゃない?」
「ははっ!確かに──」
ぬ?
急に殺気を感じて口をつぐんだ。
何だ?どこから──
「誰の、何を食べたら、何が壊れるってえっ!?」
「「うわあああああああああああああっ!」」
いつの間にかリンナがそこにいた。
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「お、お前っ!どど、どうやって!ドアベルの音しなかったぞ?」
「だってドアから入ってないもん。Fの部屋の窓が開いてたからそこから入ったわ」
お前は猫かよ!
これが、この町の領主の娘というんだから、変わった世の中だ。
「リンナ、クレアさんはもう大丈夫なの?」
「ええ、落ち着いたわ。もう一人でも大丈夫って」
ふぅ、とドッペルが息をついた。何気に心配していたんだな。
「で、リンナは何しに来たんだ?」
「何?用事がないと来ちゃダメって言うの?」
何キレてんだよ。
リンナは、ふんっと大袈裟にそっぽを向き、その後、フフっと笑ってこっちを見た。
「まあ、別に用事が無い訳じゃないの!来週ね、クルック兄が帰ってくるって!」
「遂にクビになったか」
「違うわよ!騎士団の仕事でフラッタに来るの!」
へえ。
「……騎士団が、来るの?」
ドッペルがポツリと聞いた。
「ええ、そうよ。クルック兄は王立白狼騎士団の第二部隊副隊長なの」
「だ、第二──!」
ドッペルがやけに過敏に反応する。
「ああ、ドッペルはクルックのこと知らなかったな。フラッタ出身で、俺の道場で修業して、その後騎士団目指してルワーユに旅立ったやつだ。──それから、俺以外で唯一生き残った道場生だ。」
「──そうか。で、その仕事というのは?」
どうやらドッペルはクルックよりも騎士団そのものに興味があるらしい。
「王の指令で昔フラッタに預けられた宝具のひとつを回収しに来るそうよ」
「へぇ、具体的に何の宝具?」
「それは、ちょっと──」
急にしどろもどろになるリンナ。
するとドッペルが何か納得したようで、「ああ、成る程」と笑う。
何だ何だ?
「あっはは。そんな顔するなよ、F。リンナは立場上、ベラベラと情報を流すわけにはいかないんだよ。そうだろう?」
「そ、そうなの。ごめん、F……」
そんな申し訳なさそうにしなくてもいいのに。
「別に隠し事くらい誰にだってあるだろ。それにお前のは仕方ないことだろ。だから、気にするな」
「ぷぷっ!何それF。似合わないよ」
「うるせえっ」
全く。余計なことを。
「──そういえば、リンナ。お前、『怪盗アレク』って知ってるか?」
「え、何それ?知らないわ。」
うーん、完全に無名の怪盗ってわけか。
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「それじゃあ、来週ね。多分ちょっとしたお祭りになると思うわ。軍事パレードするらしいから。」
「お前も忙しくなるだろ。気を付けろよ」
「ふふ、ありがとう。じゃあね」
「リンナ!」
ドッペルが、ぐっとリンナに近づいて耳元でこう囁いた。
「そのことをクレアさんに伝えに来たんだろ?」
リンナは小さく頷いて、そのまままるで何事もなかったというように「じゃ、またね」と言って出ていった。
俺は「どういうこと?」というようにドッペルを見たが、「うん?」と笑顔ではぐらかされてしまった。
ま、いいし。隠し事くらい誰にだってあるしぃ。
聞くに聞けないFであった。
こんにちは。ななるです。
昨日に引き続き凄いPV数……嬉しい限りです!
もう、アクセス数見たとき「ああ、夢か」て真顔で呟きましたよ……ああ、喜びでおかしくなりそうです!
長編といいましたが、長いというよりは、いつもよりちょっと事件性がある、という感じです。
(まあ、いつも通りズルズルと長くなっていくわけですが)
次回があれば、またお会いしましょう!




