D-24:ランニングガール・ベル
D-24:ランニングガール・ベル
「止まってぇぇえええっ!」
今度ははっきりと声が聞こえた。
「おいおいおい……嘘だろ?」
避ける暇もなく、少女とFは衝突した。
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「いっててて……くそ、一体全体何だってんだ!」
腰をさすりながらFが立ち上がる。
恐る恐るぶつかってきた少女に近づく。
「いったたた……うう、やっと止まったぁ……。」
少女は座ったまま頭をさする。
アリアより歳上だろうが自分よりは若いだろう。12歳、嫌、13歳かな。低めの身長。長い金髪のツインテール。幼い顔つきに、ひときわ目立つ、緑の双眼。
Fは手を差し出して、「大丈夫か?」と問う。
「ありがとう。」
そういって少女はFの手をとり、立ち上がる。
服についた埃をパンパンと払って、こう名乗った。
「私、ベル!16歳!さっきはごめんなさい。」
「16歳!?嘘は良くないぞ?」
「どういう意味よ!」
ベルは頬をぷうっと膨らませ、不満を表す。
「れっきとした16歳です!魔法だって使えるんだから。」
「魔法?」
「さっきは靴に早く走れる魔法をかけたの!止まり方を忘れてたんだけど……」
なるほど。
「君は何て言うの?その子は妹?」
「俺はF。こいつはアリアだ。妹ではない。その辺で迷子になっていたから、一緒に親を探してやってるんだ。」
瞬間、ベルは「えええ!」なんて大きな声をあげ、三歩後ろに下がり、二度その場で跳んで、また「えええ!」と大きな声をあげた。何だ、騒がしいやつだな。
「Fって、あの?」
他にどんなFがいるんだ?
「……そう。よろしくね。F、それからアリアちゃん。」
アリアはキョトンとしていたが、何かわかったようで、「うん!」と元気に返事した。
「ねぇ、アリアちゃんの親探しは何処か宛があるの?」
「一応、な。」
そういってFはアリアの鞄をベルに見せた。
「なになに……。アリア・レイン、テトラ区本通り4の3番……えええ!」
また二度跳ねるベル。
本当に騒がしいやつだな。
「テトラじゃない!テトラなら大丈夫!私に任せて?」
ベルは胸を張って拳を左胸に当てた。
「テトラは私の庭みたいなものよ!」
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「さて、三つ目。これは──君には言っておこう。」
とても真面目な顔して話すドッペルは本当にFそっくりだった。
「 」
「……え?」
嘘?
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「……なんて意味深に場面転換したけど、あんた本当に何も言わないって……ふざけてるの?」
問題屋の応接間。
リンナは蔑むような目でドッペルを見る。
文字通り、ドッペルは「 」と何も言わなかったのだ。
「あっはは。いやぁ、言おうと思ったんだけど、急にその気が失せてさ。」
「ふざけないで。」
「まあ、まあ。やっぱりまだ話さないでいるよ。俺はまだ、君もFも見極めきれていないんだ。」
「……どういうこと?」
ドッペルはゆっくりとした動作で、飲み物を口に運ぶ。
「さて、この話はおしまいだ。次は俺の質問に答えて欲しいんだけど……あっちゃー。」
「どうしたの?」
「時間切れだ。」
「何で?」
「この話はD-25に持ち越すってさ。」
無視よ、無視。
リンナは本能的に関わってはいけない話題だと察した。
こんにちは。ななるです。
投稿が少し遅れました、ごめんなさい。
先日、「白色の少年」の(3)を投稿しました。童話シリーズは重たい話が多いですが、いつかは本編の主軸に関わるので是非とも読んでいただけたらなと思います。
さて、次回。「ベルはエンさんよりは重要キャラだと思ってたんだ」
次回があれば、またお会いしましょう!




