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D-23:遠くトークとおく



D-23:遠くトークとおく



『F、やめろおおお!さすがに幼女に手を出すのはヤバいって!』


ドアの向こうからそんな声が聞こえる。


まさか、Fに限ってそんなことは無いと思うけど……


いや、あり得るわ。


幼馴染みだからといってFの全てを知っているわけではないもの。


もしかしたら、Fにだって誰にも言えない趣味があってもおかしくない……


「いや、でも……うおお……そんなぁぁあっ!」


「何してんの、リンナ?」


一人悶えるリンナと、それを少し引き気味に見るドッペル。


二人だけ残った問題屋には奇妙な緊張感があった。


「……」


「……」


お互い何も話さない。


リンナはドッペルを睨み付け、ドッペルは顔色一つ変えずニコニコしている。


『馬っ鹿野郎おおおおお!』


再び外から声がする。


「あっはは。エンさん、これは死んだな。」


尚、エンさんは生き残ったもののパンダ化した模様。


ずっと微笑み続けるドッペルに痺れを切らしたのか、リンナから話を切り出した。


「──ねぇ、さっさと話しなさいよ。私に聞きたいことがあるから残ったんでしょう?」


「そのつもりだけど、君も俺に聞きたいことがあるんだろ?だから待ってたんだ。」


何を考えているのか、全く読めない。何も考えていないのだろうか?


リンナは少しの間にらめっこを続けていたが、やがて諦めたかのように、はぁ、とため息をついた。


「それなら、遠慮なく聞くわ──あんた、ドッペルゲンガーじゃ無いでしょう?」


「と言うと?」


「確かに姿はFそっくりよ。でも他が違いすぎる。性格も、性質も。Fはそんなに笑わないし、魔法なんて使わないわ。」


「他は?」


ドッペルは顔色一つ変えず、今もニコニコし続けている。


「魔力量がおかしい。何でFのドッペルゲンガーなのにそこまでの魔力を持っているの?Fには常人、或いはそれ以下の魔力しかないわ。」


「他は?」


「時魔法を使ったでしょ?あと、Fから聞いたんだけど、空間にも干渉したんですって?あり得ないわ。いくら魔力が有るとはいえ、その二つは無理よ。時と空間に関与できるのは一部の魔法使いと神様くらいだわ。」


「他は?」


「もういいでしょ?いい加減にしなさい。はぐらかしているつもりなの?」


「──ふふ……あはは……あははは!」


ドッペルは腹を抱えて笑った。


「な、何よ?」


リンナは恐怖で声が震えた。


「でもさ、リンナ。それら全ての可能性はゼロでは無いだろ?」


「──何が言いたいの?」


ドッペルはクスッと笑った。


「つまり、この俺、()()()()()間違いなくF()()ドッペルゲンガーであるってことさ。」


「説明になってないわ。」


「今はこれで我慢してよ。いつかきっと──知りたくなくても知らないといけない日がやって来るんだから。」


そこでドッペルはどこか遠くを見るような目をした。


笑っているけど、寂しげだった。


なぜ?なにが?が、またたくさん増えたのに、何かが私から質問させる気を奪っていった。


「──他に聞きたいことはないの?」


ドッペルは無理に明るい声で聞く。元通りの笑顔だ。


「そうね……スクナメルジャに関して三つ。一つ目、なぜスクナメルジャについて知っていたのか。二つ目、なぜ私たちはスクナメルジャの霧を直接受けたのにずっと見続けることが出来たのか。三つ目、結局誰が結界を張っていたのか。」


「OK。一つずつ答えていくよ。一つ目、ドッペルさんが天才で博識だから。」


「ふざけないで。」


「だって事実だし。二つ目、体に耐性があるから。普通の人間なら霧を被ってすぐに目が黒くなる。つまり、俺らは普通じゃ無いのさ。君にも心当たりがあるんじゃないかな?」


それを聞いて、はっとする。


「言ってないでしょうね?」


「あっはは。大丈夫だよ、秘密は守るさ。」


なぜ私の秘密に気づいたか、これもいつか聞かなければ。


「さて、三つ目。これは──君には言っておこう。」


とても真面目な顔して話すドッペルは本当にFそっくりだった。


「   」


「……え?」


嘘?


─────────────


「ったく、どこなんだ、ここは。」


Fは頭をかきながら、買ったばかりの地図を広げる。


「ええと、ここは……目の前には田んぼ、畑、畑、田んぼ、田んぼ……あああ!くそっ!どこなんだ!」


この辺りのやつはまだ、赤い瞳の俺を警戒しているらしく、話しかけても誰も反応しない。


「まぁ、わかってはいたが……」


徒然町が順応過ぎたんだ。ちゃんと現実を見なければならない。


「お兄ちゃん、大丈夫?おうち帰れる?」


アリアが心配そうな顔で地図を覗きこむ。


そっか、こいつなりに帰ろうと必死なんだな。


「心配するな。ちゃんと送り届けてやるから。」


わしゃわしゃとアリアの頭を撫でる。


「痛いよお、お兄ちゃん。」


ダダダダダっ!


「ん?何か聞こえる……」


ダダダダダダダダダダっ!


音はだんだんと近づいてきている。


「……まっ……てぇぇ!」


女の声まで聞こえてきた。


「あ、お兄ちゃんあれ‼」


「ん?」


見ると、それはとんでもないスピードでこちらに走ってくる少女だった。物凄い勢いで土煙が上がり、真っ直ぐにここにやって来ている。


「止まってぇぇえええっ!」


今度ははっきりと声が聞こえた。


「おいおいおい……嘘だろ?」


避ける暇もなく、少女とFは衝突した。


七メートルくらい吹っ飛ぶFを見て、アリアはただ無邪気に、


「わあ!鳥さんみたーい!」


と拍手をしながら歓声を上げるのだった。

こんにちは。ななるです。


なんと三件目のブックマークを頂きました‼

万歳!ありがとうございます!

それを記念して、歌を歌おうと思います。

聞いてください。『サトウ家具屋』


「♪フンフンフフン♪ふぁーにちゃー♪サトウふぁーにちゃー♪」


さて、次回。「えんかうんと」

次回があれば、またお会いしましょう!

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