表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/102

D-22:彼らが道に迷った理由



D-22:彼らが道に迷った理由



アリアを連れ家を出てから一時間。


「お兄ちゃん、ここどこ?」


迷子の迷子のFさんです。


─────────────


ことは一時間前に遡る。


サトウ・エンは店の窓を拭いていた。


『窓だけはいつも綺麗にしろ。窓が曇れば、店の信頼も曇る。』


これが先代からの教えである。


「♪フンフンフフン♪ふぁーにちゃー♪サトウふぁーにちゃー♪」


いつか流行らせたいと思うテーマソングを口ずさみながら、入念に窓を拭く。


「♪──あれ?Fだ。」


しかも、小さな女の子を連れてキョロキョロと周りの様子を伺っている。


まさか──!


エンは慌てて外に出て、最近出来たばかりの友人の非道を止めるべく、徒然町中に響き渡るくらいの大声でこう叫んだ。


「F、やめろおおお!さすがに幼女に手を出すのはヤバいってっ!今からでも遅くはない!早くその子を正しい道に送り出すんだあああっ!」


うう、どうかわかってくれ……


徒然町が静寂に包まれる。


Fは肩をわなわなと震わせて、


「こ、の、──!」


先程のエンの声より大きな声で、真っ直ぐな右ストレートと共に、こう叫んだ。


「馬っ鹿野郎おおおおお!」


Fはそのまま、倒れたエンに馬乗りして、両手で交互に殴りながら、耳まで真っ赤にして荒い息で続ける。


「誰が、何に、何を、出したって?この、この、──ああ死ねぇええっ!」


も、やめて……オーバキル、オーバキルだからぁ!


────────────


「なんだ、迷子をね。しかし、何で家の前でキョロキョロしてたんだ?」


殴られてパンダみたいな顔になったエンは、取り敢えずFが特殊な性癖を持っているわけではないということを確認し、現在の状況を聞いている。


「いや、テトラ区がどこにあるか分からなくてな。戻って聞くのもカッコ悪いだろ?」


なるほど。ここはフラッタ在住歴の長いこのオレが、先輩として優しく説明してやるしかあるまい。


「ここからテトラ区に行くには、まずメインストリートの方に進んで、右に曲がる。広場まで進んで、左に行けば、テトラ区に入れる。わかったか?」


「ええと、メインストリートはどっちだ?」


「あっち。」


エンは指を指して示す。


「それは指先が指している方に行けばいいのか?」


「そうだけど?」


「右、左だな?」


「右、左だ。」


ここまで、確認しなくとも、フラッタの形的に迷う人なんてそうそう居ないだろうが。


Fは、よし、と言って少女の手をとり、


「サンキュ!恩に着るぜ!」


と言って走っていった。


「いやぁ、良いことをした後は気分がいいな!」


いや、待てよ。Fが今走っていった方向って──


「おい、F!そっちはドラゴンロードだ!」


しかし、彼らには全く声が届いてないようで、真っ直ぐ進んで通りに出た後、二人は右に曲がった。


「あー……まぁ、いいか。」


考えたって仕方ない。

エンは全てを忘れて、また窓を磨くことにした。



こんにちは。ななるです。


エンさん再登場回です。

彼が出たと言うことは「あ、このシーンはそこまで重要じゃ無いんだな」と思ってもらって構いません。(嘘です。)


さて、次回。次回こそ!「遠くトークとおく」

次回があれば、またお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ