表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/102

D-17:スタート問題屋!



D-17:スタート問題屋!


 朝起きて、まず目に入ってきたのは知らない天井だった。明らかに道場の薄汚れた天井とは違い、少し清潔感が漂う。


Fは取り敢えず起きようとしてみたが、どういうわけか体がびくともしない。それどころか体の所々が縛られているかのような痛みさえ感じる。


「ま、まさか、金縛り…!?」


いや、ない。

ないないないない。ないって。

このご時世に、金縛りとか?

ないっしょ。

なあいないないない……。

そんな霊的なものなんて俺は──



ガタンっっ。



「あぁーっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」


もはや人格崩壊に瀕しているF。


「Fー!朝ごはん、まだかい?」


しめた!ドッペルだ。


おーい、助けてくれー!


声が出ているのか出ていないのかよくわからないが、どうか伝わってくれ。


どうか、どうか助けてくれ!金縛りぃ、金縛りnowだよっ!


必死に体を動かそうとするがやはり全く動かない。


はやく!へるぷ!へるぷ!ゆーきゃんへるぷみー!


全力で助けをこうFであったが、もはや自分が何をいっているのかわからなかった。


「F、まだ寝てるの──て、」


寝てない寝てないから!


「あっははははははっ!」


ドッペルは腹を抱えて転がり回って笑っている。


こ、こいつ──!

俺がこんなに苦しんでいると言うのに──

very殺意。


「いや、ごめんね?忘れてたよ。」


ヘラヘラしながらドッペルが起き上がった。


なんのことだ?


「今解いてあげる。」


そういうとドッペルはどこからかナイフを取りだし、それをFの体に──巻いてある縄にあて、切った。


事実、Fは縛られていたのである。


「……おい。」


「ん。」


「どういうわけか説明してもらおうか。」


まだ体の節々が痺れている。


「あれ、気づいてないの?もっと周りを見なよ。」


見馴れぬ天井、いつものベッド、知らない壁紙、いつもの家具、馴れない形の部屋……


「ま、まさか──」


「そう!引っ越し完了です!」


──────────────


それは昨日の出来事。スクナメルジャ遭遇の次の日の事。


スクナメルジャ事件の後、俺たちは夜も遅いのでリンナの家に泊まることになった。


町に飛ばしたスクナメルジャはちゃんと仕事をしたようで、町の混乱も収まったらしい。穏やかな夜だった。


次の日、ドルトンさんに事件について説明し、町の様子を見に行くことになった。実を言うと行きたくなかったが、リンナやドルトンさんに任せるのも良くないと思ったのだ。


夜と言うこともあり、黒被りが切れていた人全員がスクナメルジャを見たわけではなかったが、それでも何人かはフラッタ上空を紫の霧を出しながら悠々と飛ぶスクナメルジャを目撃していたようだ。


彼らは俺たちにお礼と謝罪を述べた。


正直、そんなものは嬉しくなんぞ無かったが、彼らがドッペルを見てビクビクしているのが実に面白かった。


一通り町に問題がないことを確認して、俺らはフラッタ家の屋敷に戻った。


「いやあ、ご苦労だったね。まさかフラッタ長年の謎を解くとは。リンナ、F君、それからドッペル君。本当にありがとう。」


ドルトンさんは興奮気味に早口で話す。余程スクナメルジャの事に驚き感動したのだろう。


「そこで何かお礼をしたいのだが、何がいい?」


すると、ドッペルが勢いよくこう答えた。


「町の空き家を下さい。店を開きたいんです!」


「ほう、と言うと?」


「問題屋を開きたいんです。ほら、この町には自警団も軍もいませんよね?何か起きたら、今回みたいにドルトンさんたちフラッタ一家、或いは時々やってくるルワーユの騎士団に事を任せてると聞きました。」


ドッペルゲンガーが何を言っているんだ?


「そこで!俺とFが町の人々が困ったことがあったら訪ねてくる、いわゆる何でも屋をやりたいんです!」


「おい、ちょっと待て!」


「どうしたんだよ、F。」


「そんな話聞いてないし、認めないぞ。」


「いーじゃん。別に森でやること無さそうだし、仕事しようよ。元々Fの道場も似たようなことしてたって聞いたよ?」


「とにかく俺は──」


「いいじゃない!ナイスアイデアよ!」


リンナ?


「そうなればFの引きこもりも完全解消だわ!」


「そこじゃねぇ!」


「確かに……そんなのが出来てくれれば我々も大いに助かるな……」


ドルトンさん、止めて、傾かないで!


「何がなんでも俺は反対だ!」


「リンナ!」


「OK。」


ドッペルが左手を俺に向け強い光を放った。


「もらった!」


ドスっ。


すかさず俺の背後に回り込んだリンナが俺の首に一閃。


「ぐぇっ。」


カエルのような声をはっして、俺は倒れた。


そこからの記憶は曖昧である。


そうか、そういうことか。


────────────


「つまり、ここは──」


Fはわなわなと震えながらドッペルを見た。


クスッとドッペルは笑う。


「そう!フラッタ中心街の『問題屋』だよ!」


あぁ。さようなら、俺の穏やかな人生。


Fはあまりの事に声も出なかった。





こんにちは。ななるです。


新編スタートです。

フレッシュなフラッタをスプレッシュしたいです。


さて、次回。「その犬が元気かどうかは首輪をはずせばよくわかる」

次回があれば、またお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ