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D-13:魔法使い(只し、少女ではない)


D-13:魔法使い(只し、少女ではない)


「呪いなんかじゃないよ。Fの目も、彼らの目も。」


ドッペルは笑う。ちゃんちゃら可笑しいというように。


「ひとつ聞くけど、」


ドッペルは道の真ん中でひっくり返っている目が黒ではない人たちに問うた。


「君達はここの生まれの人なのかな?」


全員同時に首を横に振る。


ドッペルはクスッと笑った。


「ドルトンさん、この近くに大きな湖はありますか?」


「え、ああ、あるよ。東の森にメル湖がある。」


いきなり声をかけられ驚いたのだろう、ドルトンの声は上ずっていた。


またドッペルはクスッと笑った。そして──


「──よく聞け、フラッタの住民共!俺の名はドッペル。Fの遠縁にあたる、魔法使いだ!」


静かだった街がまたざわつきだす。


「これから俺とFとリンナで、『フラッタの黒被り』の正体を暴く。貴様らが溺愛する呪いと祝福の正体を暴くんだ。」


「「ハッタリだ!誰も耳を貸すな!」」

「「そうだ、正体なんて無い!デタラメを言うな!」」


「あっはは。これだから、下らない妖精に振り回されるだけのアホは嫌いなんだ。」


家が2つ吹っ飛んだ。人だけが宙にプカプカ浮いている。


もう誰も喋らない。


「さて、これだけは覚えといてよ。」


その声は、どういうわけか、すごく近くで──そう。まるで耳元でドッペルが囁いているかのように聞こえた。


クスッとくすぐったそうに笑って、


『この件のあと、二度と童話の話はしないこと。』


ドッペルがそう言い終わると同時に、赤狼とドッペル、F、リンナの姿が街から消えた。


他は全て、何事も無かったかのように、綺麗サッパリ元通りであった。


──────────────


フラッタの東の森。


「あっははははははははっ!」


「笑い事じゃねぇよ!」


Fは一人笑い転げているドッペルに怒鳴る。


「お前、あんなことして──どうやって弁償するつもりなんだ!」


うちにはそんな金無いぞ!と頭を抱えている。


「そこじゃないわよ。全く。」


リンナはやれやれと首を振った。そしてドッペルを睨む。


「言っておくけど、お礼なんて言わないわ。あんなこと言って、一体どうするつもり?何かあてでもあるの?」


「そうだ!弁償代のあてはちゃんとあるんだろうな?」


落ち着きなさい、とリンナはFを軽く殴った。


「あっはは。やっぱりやりすぎだったかな?ついつい、面白くってさ。」


はあ?


二人の殺意を感じとったドッペルは、すぐさま弁解した。


「だ、大丈夫だよ?ちゃんと壊す前に時魔法をかけたから元通りに戻ってるはずだし、誰も怪我しないように調節もしたから。それに、ハッタリでアレをいった訳じゃない。」


二人の目に殺意が消えているのを確認して、ドッペルは話を続けた。


「あてはあるし、確信もしているが、とにかく説明は後。見た方が早いからね。そう言えば、リンナ?」


「何?」


ドッペルはグッとリンナに近づき耳元で囁くように言った。


「───?」


「!」


「……その反応は『Yes』だね?安心しなよ、誰にも言わない。」


リンナは両手で口を押さえたまま硬直している。


……Fには何のことだかサッパリだった。


こんにちは。ななるです。

今回はちょっとごちゃごちゃしていますが(いつもごちゃごちゃしていますが)温かい目で次回を待っていただけると嬉しいです。


さて、次回。「黒被りの正体」。

次回があれば、またお会いしましょう!

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