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あの人に死を  作者: 月見うどん
第1章 チュートリアル
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2.おっぱいさん

「あなたが新しく生まれた方ね?」

 おっぱいの大きいお姉さんがそう訊いた。

「生まれた? いや俺もういい歳のおっさんなんだけど、いや、あの俺のこと分かるんですか?」

「ええ、分かるわ。あなたは私と同じものよ」

宙にフワフワ浮いてるおっぱい、見たまんま幽霊か?



「同じものって、俺やっぱり死んだの? 幽霊? 地縛霊?」

「ん~、幽霊ではないわね。私の場合はちょっと特殊なんだけど、あなたもかなり特殊みたいね」

特殊、特殊ってなんだよ。幽霊じゃないならなんだってんだ…。


「私の初めて見るんだけど、生物を核にするなんて存在が初めてで…ね。

 同じものとは言ったけど、私とは異なるタイプみたいね。要するに、元はなんであれ結果的には同じものなのよ」

「はぁ左様ですか、ってだから何なの俺?」

「あなたはもう人間じゃないの、というより生物ですらないわ」

 やっぱり幽霊じゃないのか?いやでも違うってさっき言ってたし。ぐぬぬ


「いや、あの、その俺のこの体ってどう見ても人間じゃないですか?生きてますよね!?」

 抓ったら痛いし、無精ひげだって引っこ抜くと超痛いもの。イツツ

「でもあなた、脱げるでしょ?」

 脱げる?何が脱げるんだ? 何言ってんだこのおっぱい!?

 いや…待てよ、そういえば昼間起きた時…。

「脱げる、脱げる、抜ける、すり抜ける。へ? 抜けた! 脱げた! えーっ!」

 マジか? 脱げた、体脱げちゃったよ。

「まぁとりあえず着て頂戴、あっ体ね」

「は、はい着ます」

 おいおい人間の体、着脱可能だよ俺。どうなってんだよ?


「さて、どうしようかしら?あなたは生まれたばかりで認識できるのは今のところ、私だけみたいだしね。

 んっとそうね、私のところにいらっしゃいな、いろいろ教えてあ・げ・る から」

 どうすっかな? 家に帰っても親父は俺のこと分からないみたいだし、独りだと寂しいんだよな。

 しかも、こんな見事なおっぱいが誘ってくれてるのだし、おっぱい至上主義者には堪らんし付いて行っちゃおうかな。


「お世話になります」

 ということで、謎のおっぱい美女に誘われるまま付いていくことになりました。

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