03 =足し算= *出題編
前も言った気がするけど、うちのアパート……MK荘には「談話室」なるものがある。
1階をまるっと占領したその部屋は、キッチンとテレビとソファが設置された、広いリビングダイニングみたいな空間になっている。
どうして管理が上手くいっているのか、正直謎ではある。
けど、まあ、利用してる側としては、キッチンも部屋に備え付けのやつより使いやすいし、あとテレビはでかいし、割と重宝している部屋だ。
カーテン閉め切って映画見んのすげー楽しい。
あとは、変に遅い時間とかじゃなければ、だいたい誰かがいるから、ちょっと暇なときとかに行ったりとか。
とにかく、MK荘の憩いの場な訳だ、うん。
その日、バイト帰りの俺は、ちょっとコーヒーが飲みたくなった。
俺の部屋にはコーヒー豆はおろかインスタントコーヒーすらない。帰る前に談話室だな、とひとりで頷いた。
微妙な時間だからどうだろう、と思いながら談話室を覗くと、眼鏡をかけた少年がソファに座ってテレビを見ていた。
俺に気付いた少年がこちらを見る。
「あ、りん君だ」
「静慈くんじゃん。何してんのー?」
少年――常盤 静慈、中学生。MK荘に住む住人の中でも最年少。穏やかな顔と性格は、MK荘の癒しだ。
「テレビ見てただけ。誰も来ないからちょっと暇だった」
「メールしてくれれば全力で来たのに」
「りん君バイト中だったでしょ……あ、そうそう。さっきテレビ見てたら、こんな問題が出てたんだけど、りん君分かる?」
そう前置きして、静慈くんはテレビで出ていたという問題を教えてくれた。
『3+4 = 7
4+5 = 9
5+6 = 11
6+7 = 1
これは一体、何の式?』




