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02 =たぬき= *出題編
その日の昼、俺がMI研究会に顔を出すと、部屋には誰もいなかった。
「おっかしーな。居ない」
パズルマニアの会長から呼び出しが掛かったから、昼にわざわざ来たっていうのに。
念のため、今朝届いたメッセージを確認すると、「今日の昼にMI室に来るように」とある。やっぱり間違いない。
用事があって呼んだんじゃないのか?
何かないかと部屋を見回す。すると、机の上に紙切れが置いてあった。
そういうパターンか……。
紙にはこう書いてあった。
『東雲へ。俺の用意した以下の暗号を解け。
たまにぐたはたたらばでかまたたぐたきされぐてうたまたね』
そして、その文章の下に茶色い四つ足のイキモノ……らしきものが描かれていた。何の動物かは判別不能。
「絵が下手くそすぎる……」
俺はぼやきながら文章をじっくり読む。
これは、えーと、文章に〝た”がやたら多いし、たぬき……か? だとしたら古典的だな。
〝まにぐはらばでかまぐきされぐてうまね”。
違う。意味が分かんねー。
そしてあーでもないこーでもないと首をひねっていると、一分後、唐突にひらめいた。
解答を理解した俺は、紙を机にぺしっと叩き付け、叫んだ。
「タヌキじゃねーじゃん!」




