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大学生探偵・東雲倫吾のパズル帳  作者: 黒川 結
第3章 「大学生探偵と春祭り」
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04 =パズル好きの歓迎方式= *出題編

 その日、俺がMI研に顔を出すと、知らない男二人組が机上の紙を睨みながら椅子に座っていた。

 二人は俺に気付くと慌てた様子で立ち上がり、深々とお辞儀をしてくる。

「東雲先輩ですよね?」

「ご指導のほどよろしくお願いします!」

 ってまさか。

「MI研の新入生?」

「はい!」

 二人はキラキラした目で頷いた。

 マジか。

「何もこんな怪しげなサークル選ばなくても……」

「いえ、ここの会長さんが、“パズル好きならうち来たら?”って誘ってくださったので」

「それに、ここには実際に名探偵がいる、って聞いたんです。東雲先輩の事なんですよね?」

 なるほど、会長の同類だったのか。それなら納得だ。

 あと俺は名探偵はおろか探偵になった覚えもないぞ。

「ところで、その紙は会長謹製のパズル?」

「うわ、さっそく名推理ですね!」

「さすが名探偵先輩! 大当たりです!」

「……」

 こうも手放しに絶賛されると、なんだか身の置きどころがなくなる気分。

 ちなみに、この部室で眉を寄せて紙を眺めている、イコール会長から渡されたパズルを解いているとすぐに分かったのは、自分の経験をもとにした推察だ。間違っても“名”推理じゃない。

「で、どんなパズル?」

 俺もパズル好きの端くれだ。新しいパズルがあったら解いてみたい。

 だが、二人はなぜか眉を下げて互いの顔を見合わせた。

「見せて……いいのかな」

「カンニングにならないか?」

 ははあ。さては、二人だけの力で解くようにとかなんとか言われたんだろう。

「俺が答えを口に出さなきゃいいんだろ? まあ見せてよ」

 ちょっと強引にではあるが、紙を見せてもらった。会長の筆跡で何か書いてある。


『我がMI研究会は、新入生はとある条件に合っている日付しか顔を出せないというルールがある。

 だが安心していい。公倍数や公約数を習ったことのあるレベルの人間なら分かるような、簡単な問題だ。

 条件その1、月も日付も35より小さい数であること。

 条件その2、今まで2000回以上使われた日付であること。例えば、今年は2017年なので、少なくとも1月1日は2017回は来ている、ということだ。


 問題ってほどでもないって思ったか? ここまでは小学生でも分かるようにしてあるんだ。一番大事な条件はここからだ。

 条件その3、1月1日を101、12月31日を1231、という数字として読んだ時、2でも5でも割り切れる数であること。


 以上の条件に当てはまる日付が、来ていい日付だ。分かったな?

 解答は言いに来なくていい。来ている日付があっているかどうかでこちらが判断する。』


「この条件を明日から適用する、ってさっき言われたんです」

「けど、2と5となると、どう考えても、10の倍数の日付しか当てはまらなくて」

 ……いや、俺はこんなルール初めて聞いたんだけど?

 多分この問題のためのでっち上げだろう。

「ひょっとして俺たち、遠まわしに来るなって言われてるんですか……?」

 だが、非常に心配そうな声で聞いてきた後輩に、俺は思い切り噴き出してしまった。

 きょとんとする二人に、俺は笑ってこう答えた。

「お前らそれ、会長に担がれてんだよ!」

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