07 =スペシャルメニュー= *出題編
メインディッシュもデザートも食べ終え、食事も謎も食べ納め、という気分だった。
「倫吾、何か頼むか?」
「いや、もう解き収めにしとく」
想普がコーヒーを飲みながら聞いてくるが、俺は首を横に振る。
謎だけなら解けなくないけど、もう腹は一杯だ。謎を解いて料理が出てこられても困る。
「おや、それは残念ですな。スペシャルメニューが残っておりますのに」
不意に横から老紳士が話しかけてきた。
……スペシャルメニュー?
解いた謎の数とメニューに載っている品数を比べると、確かにまだ頼んでいないものがある。それがそうなのか? でも、そういうメニューがあるなら想普が先に言いそうなもんだけど……。
その瞬間、脳に電撃が走ったような気がした。
俺は椅子を鳴らして立ち上がる。最初は何気なく通り過ぎてしまったけど、そういえば、入口付近に何故か小さな本棚があった。あれがヒントになるに違いない。
本棚の前にしゃがみこんで中身を物色する。レストランに置くにしては少々独特なラインナップだった。
『天文情報1996』『星座ハンドブック』『よくわかる世界の神話』『近現代美術の謎』『贈りたくなる花言葉図鑑』『広辞苑』『英和辞典』……。
俺は目当ての本を抜き出して、目的のページを探す。紙を捲ると、探していた単語が現れた。
「……これだ」
思わず呟き、振り返ると、想普が満足そうな笑みを浮かべて頷いていた。
一方、老紳士は無表情ながら緊張が見て取れる。
「東雲様、もしや、最後の問題を発見なさったのですか?」
その問いに、俺はうなずき、口を開いた。
※注釈:本棚のラインナップはフィクションです。同タイトルの本を探して調べないと答えが分からない、ということはありません。




