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大学生探偵・東雲倫吾のパズル帳  作者: 黒川 結
第1章 「大学生探偵の日常」
3/67

01 =宛名のない手紙= *出題編

「あ、倫吾。おはよう。早いね」

「はよー、葵。今朝はなんか目が覚めたんだよ」

 珍しくすっきり目覚めた早朝。ちょっと談話室でコーヒーでも、と下に降りると、水色のジャージ姿の住人と鉢合わせした。

 朋月ともつき あおい。彼女は俺と同じ大学に通う女子大生だ。俺にとってはなんとなく馬の合う相手で、喋っているとほっとする。

「あ、そうだ。さっき手紙来てたよ。間違って私の方に入ってたから、倫吾の方に入れ直しといた」

「手紙?」

 葵の言葉に、すぐ横にある郵便受けを開くと、一通の白い封筒が納まっていた。

 住所も郵便番号もなく、切手も貼っていない。郵便で出されたのではなく、ここのポストに直接放り込まれたものだろう。封筒には「挑戦状」とだけ書かれている。

 差出人の名前はないが、この大雑把な書き味の文字は、見覚えがある。

「あの人か……」

 俺の反応に、葵が首をかしげる。

「ひょっとしてそれ、クロから?」

「ああ、多分」

「直接投函するくらいなら、顔見せればいいのにね」

「いや……これは」

 言いながら、封筒から漂う僅かな香りを嗅いだ。

 ほんの少しだけ、酒臭い。

「多分、酔っ払いながらここの近く通って、思いつきで置いて行ったんだと思う」

「なるほど」

 糊付けのされていない封筒を開け、中の紙を取り出す。封筒と同じく僅かにアルコール臭の漂う白い紙が出てきた。

 折り目を開くと、紙には普段以上に大味な字体が踊っていた。横から覗き込んでいた葵がため息をつく。

「酔っ払って書くから……」

 まったく同意である。俺はため息をついて頷きを返した。

 しかも多分立ったまま、カバンを下敷きに書いたんだろう。ところどころ、カバンの金具かなにかにペンが引っ掛かったような跡がある。

 あの人はまったく……。

 所々読めない文字列をなんとか解読したところ、内容は以下の通りだった。


『Q.宛名のない手紙


 ある少女が、家のポストに手紙が入っているのを見つけた。

 しかし、その手紙には、宛先の住所は書かれていたが、宛名も差出人も書いていなかった。

 困った事に、この家には少女を含め7人が暮らしており、これでは一見、誰宛ての手紙か分からない。


 だが、少女はその封筒を見た瞬間、この手紙が自分宛の手紙だと確信できた。

 いったい何故?』

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