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大学生探偵・東雲倫吾のパズル帳  作者: 黒川 結
第2章 「大学生探偵とパズル・レストラン」
21/67

02 =オードブル= *出題編

 丸テーブルに掛けられた白いクロス、ところどころに飾られた花瓶、煌びやかな光を放つライト。扉の向こうは、普通のレストランとのような内装で飾られていた。

 フロアに人影はない。

「……あれ?」

 おかしいな。今日プレオープンで、しかも今は昼時。客がいるハズじゃ……。

 首をひねる俺に、老紳士はほっほっほと朗らかに笑った。

「様々な方をお呼びしたのですが、皆様あまりパズル慣れしておられなかったようでして」

「うーん、少し難易度調整を間違えたか?」

「かもしれませんな」

 黄色と老紳士が顔を見合わせ、朗らかに笑い合う。

 いや、笑ってて大丈夫なのか、それ……。

 他人事ながら心配だ。

「ま、折角だから貸し切り状態として楽しむといい。途中で他の客が来るかもしれないしな」

「ホントかよ……」

 席に案内され、メニューを受け取る。開くと、こう書かれていた。


 お品書き


 ・黄天秤赤獅子のダンス


 ・ノーチラスと青ネモ、エトワールの星詠み


 ・マーキュリーベステラ


 ・キュートキャット☆ル☆ペルシャ


 ・プレアデスな星の瞬き


 ・ヘビ使いら星々繋ぐ日々


 ・TERRAせ太陽の元に

 』


 ……メニュー数が思ったより少ない。ていうか何だこの絶妙に統一感があるようでないメニュー名は。なんだTERRAせって。照らせ、と地球テラを掛けてるのか?

 それに、何が出てくるのかさっぱり分からない。その上、恐ろしいことに、どのメニューにも値段が書いていない!

「お、おい、想普……」

 動揺に震える声で呼びかけると、同じくメニューを見ていた想普がなんでもないように頷いた。

「うん? ああ、安心しろ。味は保証する」

「そこじゃねえよ」

「なら値段か。それくらいは奢る……というか、学生と割り勘しようとする程酔狂じゃない」

「……」

 それはそれで、後が怖い。奢られた代わりに何を要求されるか予想がつかない。

「信用がないな。まあいい、それならこっちで勝手に頼むぞ」

 俺の不審の眼差しをよそに、想普は片手を挙げてウエイター……というか、さっきの老紳士を呼んだ。

 なんでこっちに居るんだろう。入口はいいんだろうか?

「“プレアデスな星の瞬き”を」

「かしこまりました。では、まずこちらの謎をお解きください」

 老紳士は手もとのファイルから紙を一枚抜き出し、俺の前にそっと置いた。

 紙にはこう書かれていた。


『私、昨日誕生日だったの。

 でも今年のうちにまた誕生日が来るわ。


 さて、私の誕生日は何月何日?』

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