02 =オードブル= *出題編
丸テーブルに掛けられた白いクロス、ところどころに飾られた花瓶、煌びやかな光を放つライト。扉の向こうは、普通のレストランとのような内装で飾られていた。
フロアに人影はない。
「……あれ?」
おかしいな。今日プレオープンで、しかも今は昼時。客がいるハズじゃ……。
首をひねる俺に、老紳士はほっほっほと朗らかに笑った。
「様々な方をお呼びしたのですが、皆様あまりパズル慣れしておられなかったようでして」
「うーん、少し難易度調整を間違えたか?」
「かもしれませんな」
黄色と老紳士が顔を見合わせ、朗らかに笑い合う。
いや、笑ってて大丈夫なのか、それ……。
他人事ながら心配だ。
「ま、折角だから貸し切り状態として楽しむといい。途中で他の客が来るかもしれないしな」
「ホントかよ……」
席に案内され、メニューを受け取る。開くと、こう書かれていた。
『
お品書き
・黄天秤赤獅子のダンス
・ノーチラスと青ネモ、エトワールの星詠み
・マーキュリーベステラ
・キュートキャット☆ル☆ペルシャ
・プレアデスな星の瞬き
・ヘビ使いら星々繋ぐ日々
・TERRAせ太陽の元に
』
……メニュー数が思ったより少ない。ていうか何だこの絶妙に統一感があるようでないメニュー名は。なんだTERRAせって。照らせ、と地球を掛けてるのか?
それに、何が出てくるのかさっぱり分からない。その上、恐ろしいことに、どのメニューにも値段が書いていない!
「お、おい、想普……」
動揺に震える声で呼びかけると、同じくメニューを見ていた想普がなんでもないように頷いた。
「うん? ああ、安心しろ。味は保証する」
「そこじゃねえよ」
「なら値段か。それくらいは奢る……というか、学生と割り勘しようとする程酔狂じゃない」
「……」
それはそれで、後が怖い。奢られた代わりに何を要求されるか予想がつかない。
「信用がないな。まあいい、それならこっちで勝手に頼むぞ」
俺の不審の眼差しをよそに、想普は片手を挙げてウエイター……というか、さっきの老紳士を呼んだ。
なんでこっちに居るんだろう。入口はいいんだろうか?
「“プレアデスな星の瞬き”を」
「かしこまりました。では、まずこちらの謎をお解きください」
老紳士は手もとのファイルから紙を一枚抜き出し、俺の前にそっと置いた。
紙にはこう書かれていた。
『私、昨日誕生日だったの。
でも今年のうちにまた誕生日が来るわ。
さて、私の誕生日は何月何日?』




