01 =入店= *出題編
黄色来襲から数日、俺はビルの立ち並ぶ繁華街の一角を歩いていた。
横には黄色の男。
講義もバイトもない貴重な休日を使って、なにしてんだろう俺……と、思わなくもない。
「でえと~、でえと~、りんごとでえと~」
黄色いアホは337拍子調でなんか歌ってるし。
つーかデートじゃねえし。
もうなんか単純に気持ち悪いし。
「ところで倫吾、今日の推理の冴えはどうだ?」
「どうだって何がだよ?」
俺が聞き返すと、想普はにやりと嫌な笑みを浮かべた。
「今から行くレストランだが……問題を解かないと、店に入れてさえくれない」
「え、何だそれ!?」
「ちなみに、店の中に入っても、各メニューごとに設定された問題を解かないと注文できない」
「シビアすぎねえ!?」
「まあ、どうしても解けなかったら私に言え」
はっはっは、と不自然なほど明朗な笑い声を上げながら、想普は俺の肩をぽんぽん叩く。
俺はその手を振り払って、黄色い男を全力で睨みつけた。
「ぜってー頼らねえからな!」
*
少々奥まった分かりにくい場所にあるビル。そのエレベーターに乗り4階に上がると、降りてすぐの場所にドアがあった。ドアには流麗な字体で「INTERSTELLAR」と書かれたプレートがはまっている。
入口の横には三つ揃いの燕尾服を来た老紳士が立っていた。
「いらっしゃいませ……おや、想普様。お越し頂けるとは光栄です」
想普“様”!?
様付け!?
……いや、分からない。執事っぽい風体だし、それらしい口調にしているだけかもしれない……。
「想普様とそのお連れ様でしたら構いません。どうぞ中へお入りください」
でもVIP待遇だ!?
パズル免除!
この黄色怪人、いったいどういう立場なんだ……!
おののく俺を尻目に、想普は俺の背後から両肩にぽんと手を置いた。
「いや、今日の私は彼の付き添いということになっているから。手加減はしないでやってくれ」
「左様でございますか。では、さっそくですがこの問題をお解き下さい」
老紳士はそう言って、俺に一枚の紙を差し出した。
紙にはこう書かれていた。
『植物、ストール、蝶、ディアナ : 入店可
動物、マフラー、蛹、ドロシー : 入店不可
以上を踏まえ、『サツキ』さんが入店できるか否かお答えください。』




