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大学生探偵・東雲倫吾のパズル帳  作者: 黒川 結
第2章 「大学生探偵とパズル・レストラン」
19/67

01 =入店= *出題編

 黄色来襲から数日、俺はビルの立ち並ぶ繁華街の一角を歩いていた。

 横には黄色の男。

 講義もバイトもない貴重な休日を使って、なにしてんだろう俺……と、思わなくもない。

「でえと~、でえと~、りんごとでえと~」

 黄色いアホは337拍子調でなんか歌ってるし。

 つーかデートじゃねえし。

 もうなんか単純に気持ち悪いし。

「ところで倫吾、今日の推理の冴えはどうだ?」

「どうだって何がだよ?」

 俺が聞き返すと、想普はにやりと嫌な笑みを浮かべた。

「今から行くレストランだが……問題を解かないと、店に入れてさえくれない」

「え、何だそれ!?」

「ちなみに、店の中に入っても、各メニューごとに設定された問題を解かないと注文できない」

「シビアすぎねえ!?」

「まあ、どうしても解けなかったら私に言え」

 はっはっは、と不自然なほど明朗な笑い声を上げながら、想普は俺の肩をぽんぽん叩く。

 俺はその手を振り払って、黄色い男を全力で睨みつけた。

「ぜってー頼らねえからな!」


 *


 少々奥まった分かりにくい場所にあるビル。そのエレベーターに乗り4階に上がると、降りてすぐの場所にドアがあった。ドアには流麗な字体で「INTERSTELLAR」と書かれたプレートがはまっている。

 入口の横には三つ揃いの燕尾服を来た老紳士が立っていた。

「いらっしゃいませ……おや、想普様。お越し頂けるとは光栄です」

 想普“様”!?

 様付け!?

 ……いや、分からない。執事っぽい風体だし、それらしい口調にしているだけかもしれない……。

「想普様とそのお連れ様でしたら構いません。どうぞ中へお入りください」

 でもVIP待遇だ!?

 パズル免除!

 この黄色怪人、いったいどういう立場なんだ……!

 おののく俺を尻目に、想普は俺の背後から両肩にぽんと手を置いた。

「いや、今日の私は彼の付き添いということになっているから。手加減はしないでやってくれ」

「左様でございますか。では、さっそくですがこの問題をお解き下さい」

 老紳士はそう言って、俺に一枚の紙を差し出した。

 紙にはこう書かれていた。


『植物、ストール、蝶、ディアナ : 入店可

 動物、マフラー、蛹、ドロシー : 入店不可


 以上を踏まえ、『サツキ』さんが入店できるか否かお答えください。』

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